ビジネスで使う2in1 PCとしての<LAVIE Tab T12>
<LAVIE Tab T12(T1295/DAS)>は、NECパーソナルコンピュータの12.6型Androidタブレットだ。
主なスペックはQualcomm Snapdragon 870、8GBメモリー、256GBストレージ、12.6型ディスプレー(2560×1600ドット/有機ELパネル[AMOLED])などとなっており、クリエイターやハイエンドなマシンを求めるユーザーに向けたモデルだ。
アルミニウム合金のブロックから削り出して形成されたユニボディーと狭ベゼルの組み合わせから受ける印象は、非常にモダン。ハイエンドモデルらしい、物としての存在感にあふれている。
さて、この仕様だと、ビジネス用の2in1デバイスとしても使ってみたくなる。ビジネスマシンとして使うことを考える際に、どこを重視すべきか。要素を絞るなら、第一にハードウェアの完成度と、普段利用するサービスとOSの相性ということになるだろう。ここに、近年浸透しているテレワークでの利用を想定して、オーディオビジュアル性能という指標も加えたい。
前回の記事では、<LAVIE Tab T12>の主な特徴と使用シーンなどを紹介したが、本稿では、「キーボード」「Android OS」「オーディオビジュアル性能」といった3つのポイントに注目して、<LAVIE Tab T12>を評価していく。
良質なキーボードは、メイン使用にも耐えうる完成度
はじめにチェックしたいのが、キーボードの打鍵感だ。<LAVIE Tab T12>のスタンドカバー付きキーボードは、無段階で調整できるカバーと、キーボード、トラックパッドを一体化させたもの。キーボード機能を備えるディスプレー側のカバーと、背面を保護するカバーがセットになった製品だ。背面カバーはマグネットで、キーボード側は、本体側面部の接点を合わせながらマグネットで装着するだけとなっている。
このキーボードには、ふたつの優れている点がある。ひとつは、剛性感の高さだ。カバーと一体になっているタイプのキーボードは、貧弱で、ペコペコと頼りない感触であることも多い。ところが<LAVIE Tab T12>のスタンドカバー付きキーボードは、ファブリックに覆われた見た目からは想像しがたいほど、しっかりとした打鍵感を持っている。
この打鍵感を支えているのが、硬く、粘りのある樹脂素材だ。キーボードフレーム、カバー(ラップトップ状態で使用する際にデスクと設置する面)がたわみにくい剛性感を持っていることで、デスクに置いて使っても、膝の上に置いてタイピングしても、確実にキー入力を受け付けてくれる。
もうひとつの長所は、本体と同じ12.6型相当の小さなスペースの中で、実測値でおよそ19mmという必要十分なキーピッチを実現している点だ。19mmというキーピッチは、もう少し大きなサイズのラップトップPCでも一般的な数値であり、普段ラップトップPCを使っている人なら、違和感なく移行できる範囲だ。
本体にスピーカーを内蔵しているため、キーボードの両サイドや上部にスピーカーなどを配置する必要もない。そのためキーは、キーボードフレーム(カバー)のギリギリまでレイアウトされている。この設計により、限られたスペースの中で、限界までキーピッチを広げている。
強いていえば、金属製のユニボディー構造のラップトップなどと比べると、多少打鍵感が軽い印象は否めない。だが、競合する2in1 PCとの比較ではトップクラスに、多くのラップトップPCと比較しても違和感を覚えないほど、優れた打鍵感を持っていることは確かだ。


















