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最高峰性能の小型マシン「Mac Studio」に新iPhone SE/iPad Air登場! 2022年春のApple Event 第39回

「Mac Studio MAX」アップルのデスクトップ製品に新たな時代の始まりを告げる

2022年05月07日 12時00分更新

文● 柴田文彦 編集●飯島恵里子/ASCII

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Mac Studio

 本当に久しぶりに、Macの新しいシリーズが登場した。Mac Studioだ。特にデスクトップ型としては、筆者の記憶に誤りがなければ、2005年のMac mini、2006年のMac Pro以来のことではないだろうか。つまり、約16年ぶりの新シリーズということになる。しかも、新しく生まれ変わったStudio Displayと同時発売で、Macのデスクトップ製品の新たな時代の始まりを告げるような製品となっている。現行のラインナップとしては、Mac ProとMac miniの中間に位置することになる新製品の実力を探っていこう。

Mac StudioはMac miniの強化版!?

 今回のMac Studioの発表は、Macの新シリーズという新たな期待を膨らませるものだったのには違いない。しかしそのスタイルを見て、ちょっとがっかりしたという人も少なくなかったのではないだろうか。というのも、そのフォルムは、これまでのMac miniを高さ方向に引き伸ばして、単に厚くした以外の何物でもなかったからだ。なんとなくぼってりした印象を与えるもので、本体デザインとしての訴求力は、他のMacのモデルに比べても弱い気がする。

 実際に、Mac Studioの高さを除く縦横のサイズはMac miniとまったく同じで、いずれも19.7cmだ。高さは、miniの3.6cmに対して、9.5cmと3倍近い。ここで言う高さには、約0.6cmの「足」の部分が含まれているので、miniの場合には、アルミ製の本体側面部分の高さは約3cm、Studioでは約9cmで、3倍という目測はほぼ正しい。ただし、重量はminiの1.2kgに対してStudioは2.7kgで、2倍強に留まっている。

 内部のレイアウトは、発表会のビデオで見る限り底面側のほぼ1/3の部分、つまりminiの高さと同じ部分にロジックボードなどが配置され、その上の2/3の部分は、空冷のためのフィンやファンの機構が占めているようだ。それを目にすると、なんだか騙されたような気もしてくる。というのも、これまでは低消費電力=低発熱と高性能を両立したApple Siliconだからこそ、高性能を維持したままMacのスリムな本体に収めることができたのだと、勝手に信じていたからだ。Mac Studioの登場は、Apple Siliconのチップも、やはりそれなりの冷却が必要だということを、改めて露見させてしまったように感じるのだ。

 とはいえ、これまでのM1搭載のMacでも、空冷ファンを持たないMacBook Airよりも、空冷能力に余裕のあるMac miniの方が、連続的に負荷をかけた場合の性能では、わずかだが優れる場合もあったことを思い出せば、空冷能力に余裕のある方が望ましいのは理解できる。実際のアプリでも、プロ仕様のアウトプットを得るためには、現在のCPUでも長時間のレンダリング、エンコーディングが必要になるのは当然だ。

 それを考えれば、そうしたプロ仕様の用途を前提にしたMac Studioが、これまでとは次元の異なるような冷却機構を装備したのもうなずける。視点を変えて考えれば、それだけの総合的な性能が、Mac miniと同じ専有面積のマシンで得られるのだから、このちょっと不格好なフォルムもやむを得ないところだと納得できる。

 ここでMac miniとMac Studioの主なスペックの違いを確認しておこう。

 今回テストしたのは、Mac StudioのM1 Max搭載モデルなので、CPUがM1とM1 Maxで異なるのは当然として、それ以外で大きく異なる点を挙げる。

 1つは、外部ビデオのサポートで、Mac miniでは最大2台(6Kと4K)だったものが、Mac Studioでは最大5台(4台の6Kと4K)まで接続可能となっていること。これもプロユーザー指向であることを示している。これはM1 Maxの採用によるものだが、Studioでは標準メモリが32GBで最大は64GBとなっている。それぞれ8、16GBで、プロ用としては不足だったminiとは大きな違いがある。同様にStudioでは、ストレージも標準で512GB、最大は8TBを内蔵可能となっている。

 もう1つの大きな違いは、拡張用のThunderboltポートの仕様と数だ。M1搭載のminiでは、Thunderbolt 3が2つに絞られていたのに対し、StudioではThunderbolt 4が4つ装備された。前面の2つのUSB-CポートとSDXCカードスロットと合わせて、拡張性はかなり高くなっている。

 余談ながらリアパネルのレイアウトは、むしろインテル時代のminiに近いとも言えるが、Thunderboltの仕様が異なり(インテルminiはThunderbolt 3)、コネクターの向きも横から縦になって、実装密度も高くなっている。

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