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格安自作PCの性能をGIGABYTEマザーで検証

インテルのチップセットはB660とH610のどっちがいいの?

文●宮里圭介 編集●北村/ASCII

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 単純にソフトが動けばいい、というのであれば、ノートPCを買うのが手っ取り早い。しかし、高性能なゲーミングPCが欲しいとなれば、高速なCPUとビデオカードが必要になるため、デスクトップPCの方が有利になる。

 デスクトップPCの中でも、最新のCPUやビデオカードといったパーツをいち早く試せることから、PC好きな人に人気があるのが自作PCだ。気になるパーツの増設・換装が自由にできることから、毎週のようにパーツを交換するようなPCいじりを趣味にしている人も多い。

 趣味としてもおもしろいが、詳しくなればちょっとした故障は自分で直せるようになるため、修理に出している間PCが使えない……といったトラブルを回避できるという実益もある。

 もちろん性能を追求するだけでなく、好みのPCケースを選ぶのも自由だし、ライトアップに凝るのもアリだ。パーツひとつずつ、それこそネジの1本までトコトンまでこだわれるのが、出来合いのノートPCやデスクトップPCにはない楽しさだろう。

 純粋に自作PCに興味がある、PCのハードウェア知識を深めたい、限られた予算でなるべく高性能なPCが欲しいなど、自作PCを始めるキッカケはいろいろあるが、初心者向けの自作としてオススメなのが、「コスパ重視の格安エントリーPC」。失敗しても金銭的なダメージが小さいというのもあるが、最小限のパーツで構成することで、自作しやすいというのが一番の理由だ。

 最低限必要となるのは、CPU、CPUクーラー、メモリー、SSD(もしくはHDD)、マザーボード、電源、PCケースの7つ。これ以外にOSやマウス、キーボードなどもあった方がいいだろう。

 CPUやメモリー、SSDなどは分かりやすく、比較的製品を選びやすいのだが、意外と難しいのがマザーボード。ATXやマイクロATX、Mini-ITXといったフォームファクター(サイズやレイアウトの規格)、LANなどのオンボード機能、対応CPUやメモリー、電源回路、スロット数など、同じような製品に見えても、比べてみると意外と違う部分があるからだ。

 こういった違いの中でも微妙に分かりにくいのが、チップセットの違いだ。

第12世代Coreプロセッサー向けチップセットの違いを知る

 チップセットの役割は、CPUに内蔵されていないインターフェースを拡張し、パーツや周辺機器を接続可能にすること。マザーボードはこのチップセットを搭載し、CPUと各種パーツとを繋ぐ、橋渡しとなる存在だ。

Z690チップセットのブロック図。チップセットは、CPUにないサウンドやWi-Fi、LAN、SATA、USBといった機能や、拡張スロットで使われるPCI Expressなどを提供している

 このチップセットは多くの種類があり、最新の第12世代インテルCoreプロセッサー向けとなるインテル600シリーズだけでも、9種類がラインアップされている。組み込みやビジネス向けといった特殊用途のものを除き、一般的に採用されることが多い4種類の主な違いを並べてみよう。

各チップセットの比較表
  Z690 H670 B660 H610
CPUオーバークロック 対応 非対応 非対応 非対応
メモリーオーバークロック 対応 対応 対応 非対応
PCI Expressリビジョン 4.0 4.0 4.0 3.0
PCI Expressレーン最大数 28 24 14 12
USBの対応 4×USB 3.2 Gen2x2
(20Gbps)
2×USB 3.2 Gen2x2
(20Gbps)
2×USB 3.2 Gen2x2
(20Gbps)
2×USB 3.2 Gen2x1
(10Gbps)
SATAポート数 8 8 4 4
RAID対応 PCIe/SATA PCIe/SATA SATA 非対応

 性能だけを見るとCPUのオーバークロックにも対応するZ690が魅力的だが、これを搭載したマザーボードはハイエンド向けとなるため、価格も2万円以上と高めだ。コスパ重視の格安エントリーPCであれば、B660、もしくはH610搭載の1万円台前半で買えるマザーボードを狙いたい。

 ここで気になるのが、H610はPCI Expressのリビジョンが3.0、さらにUSB 3.2 Gen2x2やRAIDに非対応で、明らかにB660と比べると見劣りしてしまう点だ。

 しかし、よく考えてみると、コスパ重視であればビデオカードは搭載せずにCPU内蔵のグラフィック機能を利用するし、SSDも廉価なPCIe 3.0×4接続のものを選びたい。さらに、現状USB 3.2 Gen2x2の使い道がほとんどないことなどを考慮すると、見劣りはしているものの、実質的に影響がないともいえる。

 一番困るのは、チップセットによってPCの性能が大きく変わってしまう可能性があること。こればかりは実際に試してみなければわからない。

 そこで、B660搭載の「B660M D2H DDR4」(実売1万4000円前後)と、H610搭載の「H610M S2H DDR4」(実売1万2000円前後)の2つのマザーボードを使い、どのくらい性能差があるのか検証してみた。

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