Macラインアップの不完全さ
今回、アップルはMac Studioと27インチの5K Studio Display(詳細は別の記事で)を同時に発表しました。これらの製品は、今現在iMac 27インチ、iMac Pro、Mac Proの一部のユーザーの乗り換え先として最適であるとの位置づけです。
その一方で、前述のユーザーは、iMac 24インチ、MacBook ProとStudio Displayの組み合わせ、Mac miniとStudio Displayの組み合わせも、IntelからApple Siliconへの移行方法の候補であるとしています。
ここで分かることは、27インチの一体型製品を出すつもりはもうないということ。なので早々に、Studio Display(もしくはより安価なサードパーティのディスプレー)と、他のMacとの組み合わせに移行した方が良いとおすすめしているのです。
Mac StudioとStudio Displayの組み合わせは、確かにコンパクトなデスクトップを実現できます。ディスプレーのスタンドのすぐ脇、ちょうどスクリーンの下にMac Studioが収まる高さで、奥行き40cm、横幅63.2cmという非常に狭いスペースにも、キーボードとマウスやトラックパッドを用いたフルセットで設置できます。
しかし面白いことに、Mac Studioを含む移行先のリストで、性能的には中間に位置するはずのM1 Proの選択肢は、MacBook ProとStudio Displayの組み合わせ以外に用意されていないのです。それ以外はM1かM1 Maxしか選ぶことができません。
たとえばM1 Proを搭載するiMac 24インチやMac miniが登場するなら、性能とコストで選択肢の幅が拡がります。メディアエンジンを駆使した動画編集をしたいけど、M1 Maxより性能もコストも抑えたいという人は、M1 Proを搭載するMacBook Proしか選択できず、ディスプレーが不要な人は余ってしまいます。
せめてM1 Pro搭載のMac miniがあるとより分かりやすいのですが…。
ついでに言うと、24インチiMacも同様で、M1 Pro搭載モデルがあった方がしっくりきます。せっかく4.5Kのビデオ編集にも扱いやすい解像度を持っていながら、M1しか用意されないというのは、もったいないと感じてしまいます。
(続く)
筆者紹介――松村太郎
1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。モバイルとソーシャルにテクノロジー、ライフスタイル、イノベーションについて取材活動を展開。2011年より8年間、米国カリフォルニア州バークレーに住み、シリコンバレー、サンフランシスコのテックシーンを直接取材。帰国後、情報経営イノベーション専門職大学(iU)専任教員として教鞭を執る。
公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura

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