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日立のIoT活用サービス「Hitachi Global Data Integration」が、米国サルエアー社のコネクテッドサービスに採用

株式会社 日立製作所
2022年03月29日

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株式会社 日立製作所
グローバルで稼働する空気圧縮機の稼働状況を把握し、メンテナンスを効率化 機器の安心・安全な継続利用に寄与


 株式会社日立製作所(以下、日立)は、このたび、企業のグローバルIoTビジネスを支援するIoT活用サービス「Hitachi Global Data Integration(以下、HGDI)」*1が、空気圧縮機の製造・販売を手がける米国子会社Sullair,LLC(以下、サルエアー社)が推進するコネクテッドサービス事業に採用されたことをお知らせします。
 HGDIは、グローバル環境下でのIoT技術の活用において障壁となるさまざまな課題に対応し、機器に接続された通信デバイスから送られるデータの収集、蓄積・管理、利活用を支援するシステム環境を一括提供するサービスで、デジタルイノベーションを加速する日立のLumada*2ソリューションの一つです。
 今回、サルエアー社のグローバルで稼働する製品において稼働情報などを収集、蓄積されたデータを活用して、ユーザーは稼働状況を遠隔から監視しリアルタイムで製品の状態を把握することができます。サルエアー社は、グローバルに展開する製品のメンテナンスを効率化、故障やトラブルを防ぐ最適なソリューションを提案できるなど、アフターサービスをはじめとしたリカーリングビジネスを進めます。
*1 2020年6月18日 “日立ニュースリリース 企業のグローバルIoTビジネスの展開を支援する IoT活用サービス「Hitachi Global Data Integration」を提供開始” https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2020/06/0618.html
*2 Lumada:お客さまのデータから価値を創出し、デジタルイノベーションを加速するための、日立の先進的なデジタル技術を活用したソリューション・サービス・テクノロジーの総称 https://www.hitachi.co.jp/lumada/

■背景
 昨今、COVID-19を起因としたライフスタイルの変化、前例のない自然災害や地球温暖化など一段と加速する社会の変化に急速な対応が求められている時代においては、企業はマーケットニーズに応えるとともに、経済と環境を両立し、いかに持続可能な社会を築くかが課題となっています。このような課題に対応するために、データ活用による顧客や関係企業との接点や関係のさらなる強化が必要となり、さまざまなプロダクトやソリューションから収集されるIoTデータの活用により、ユーザビリティーの向上、業務の効率化や環境負荷への低減が期待されています。
 サルエアー社においても、世界中の販売網を通じて空気圧縮機を提供し、製品販売後の安定稼働のための定期点検、消耗品販売や故障修理フェーズにおけるユーザーや販売代理店との関係強化に向け、稼働情報などのIoTデータを収集して利活用する、コネクテッドサービス事業の構築を進めてきました。今回の採用は、これらのサービス強化に向けた取り組みの一環となるものです。

■今回の取り組みについて
 日立は、国や地域を超えてIoTの活用で必要となる通信回線の準備や回線管理のほか、データの収集・蓄積、利活用のためのシステム環境の提供とその運用といった、モノからデータを収集し利活用する一連の基盤機能を一括で提供し、グローバル環境下での企業のIoTビジネスを支援するHGDIを、2020年に提供開始しました。HGDIは、製品に搭載した通信デバイスから得られる稼働データに対して、日立が長年蓄積してきたノウハウにより、OT特有のデータ構造や通信プロトコルをITにつなぎ、データの利活用を支援します。
 HGDIにより、サルエアー社のエンドユーザーや販売代理店は、稼働状況などのIoTデータを活用し、各地域における空気圧縮機について遠隔から稼働状況を確認することが可能になります。また、ユーザー権限ごとに機器の位置情報と稼働状況を地図上に一覧表示を行い、さらに盗難や設置禁止区域への持ち込みなど予期しないロケーションでの利用に対する警告機能も提供します。
 今後、HGDIはサルエアー社が提供するポータルサービス「My Sullair」とリアルタイムにデータ連携を行い、機器の利用状況に応じて必要となる定期交換部品や消耗品の購入、製品老朽化に伴う新製品の購入などのプロセスをサポートし、機器の安心・安全な継続利用に寄与します。
 これにより、機器の稼働状況を踏まえたメンテナンスの提案による適切な製品の状態維持が行えるほか、販売チャネルの選択、メンテナンス拠点や部品配備の最適化といったマーケティング施策や新製品の設計にも生かすことが可能です。また、稼働情報を見える化しエネルギー効率の向上などを通じて、さらなる品質改善、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーの実現に向けた取り組みに貢献します。
図:コネクテッドサービスの概要
 なお、今回のサービス導入に際しては、「IoT世界基盤」でパートナーであるKDDI*3と日立の米国子会社であるHitachi Vantara LLCが導入を支援しています。通信デバイスには、日立産機システム「CPTransシリーズ」を活用し、「CPTrans-MGW」を空気圧縮機に設置することで、ネットワークを介した空気圧縮機の稼働状況や位置情報(GPS)のデータなどの収集・蓄積を行います。
*3 2022年3月29日”KDDIニュースリリース: KDDI IoT世界基盤、日立米国子会社が採用”
https://news.kddi.com/kddi/business-topic/2022/03/5964.html

■今後の展開
 今後も、日立は、国内外の製造業や物流、社会インフラ領域などさまざまな業界におけるIoTデータの活用によるメンテナンスの高度化、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に取り組みます。国内外に出荷される製品から収集する稼働データを活用し新たなサービスの拡充に取り組むとともに、さまざまなパートナーとの協業をさらに強化し、企業のグローバルでのIoTビジネスの展開に貢献していきます。

■本発表に関する各社からのコメント
KDDI株式会社 取締役執行役員専務 ソリューション事業本部長 森 敬一氏
KDDIは、HGDIのサルエアー社への提供開始を心より歓迎します。KDDIは2018年よりグローバルIoT事業である「IoT世界基盤」の協業を推進しており、自動車向けコネクテッドや産業向けのIoT化ビジネスの拡大に向けて取り組んでおります。今後も日立との協業を強化しながら、お客様との価値協創を最大化するソリューションを積極的に展開して参ります。

Sullair,LLC President & CEO John Randall氏
お客さまの業務遂行において予期せぬダウンタイムが発生することを防ぐことは必要不可欠です。日立のIoTソリューションが、エンドユーザーに対して、性能の最適化、メンテナンスコストの削減、エネルギー使用の最適化に貢献することを期待しています。日立と協力して、今後も取り組みを拡大していきたいと考えています。

株式会社日立産機システム 取締役社長 竹内 康浩氏
日立産機は、HGDIのサルエアー社への導入を歓迎します。サルエアー社は日立グループの空気圧縮機事業のグローバル戦略に於いて非常に重要な位置を占めており、これらがコネクテッドされることでさらなる顧客価値の追求に寄与します。また、グローバルルータであるCPTrans-MGWとの連携を強化し、今後ともさらなる価値協創に取り組んで参ります。

■「Hitachi Global Data Integration」に関するホームページ
https://www.hitachi.co.jp/hgdi

■日立製作所について
 日立は、データとテクノロジーで社会インフラを革新する社会イノベーション事業を通じて、人々が幸せで豊かに暮らすことができる持続可能な社会の実現に貢献します。「環境(地球環境の保全)」 「レジリエンス(企業の事業継続性や社会インフラの強靭さ)」 「安心・安全(一人ひとりの健康で快適な生活)」に注力しています。IT・エネルギー・インダストリー・モビリティ・ライフ・オートモティブシステムの6分野で、OT、ITおよびプロダクトを活用するLumadaソリューションを提供し、お客さまや社会の課題を解決します。2020年度(2021年3月期)の連結売上収益は8兆7,291億円、2021年3月末時点で連結子会社は871社、全世界で約35万人の従業員を擁しています。
詳しくは、日立のウェブサイト( https://www.hitachi.co.jp/ )をご覧ください。

■サルエアー社について
 サルエアー社は1965年にインディアナ州ミシガンシティ市で設立された空気圧縮機メーカーです。2017年7月より、日立グループとなり、米国と中国の製造工場から信頼性、耐久性、パフォーマンスの高い空気圧縮機事業を日立産機システムと連携してグローバルに展開しています。https://www.sullair.com/en

■お問い合わせ先
株式会社日立製作所
社会・通信ソリューション本部 デジタルソリューション推進部
問い合わせフォーム:https://www.hitachi.co.jp/society-inq/
(テレコム分野に関するお問い合わせを選択ください)

以上

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