最高峰性能の小型マシン「Mac Studio」に新iPhone SE/iPad Air登場! 2022年春のApple Event 第25回
新iPhone SEと新iPad Airを「お得さ」から考える【西田 宗千佳】
2022年03月16日 22時00分更新
第2世代と第3世代のベンチ比較は十分、差がわかる違い
プロセッサーは「A15 Bionic」で、昨年秋発売の「iPhone 13シリーズ」と同等である。ベンチマークソフト「Geekbench 5」で確かめたところ、メインメモリーは6GBから4GBへ減量しているようだが、性能はCPUのマルチコア性能とGPU性能で若干劣る程度になっていた。
テスト結果から判断する限り、第2世代と第3世代では、シングルコア性能が3割、マルチコア性能で5割、GPU性能も同じく5割程度向上している計算になるようだ。十分差がわかる違いだろう。
一方で今の速度差は、SEを求める層にはさほど意味がないかもしれない。なぜなら、第2世代SEだって十分まだ高速だからだ。最新のプロセッサーを搭載する意味はむしろ、「長くOSのアップデートに対応できる可能性が高くなる」ことにありそうだ。
同じことが5G対応についても言える。第3世代SEは5Gを搭載したが、性能的にはiPhone 13に比べ劣る。
とはいえ、そこが問題なのではなく、「もはや5G搭載でない新機種を選ぶのはリスクになっている」から必要なのだ。少々速度的に劣っていても、5Gの意味は出ているし、iPhone SEの商品ライフサイクルが続く間、安心して使い続けることができる。機能アップという点では、カメラの画質が「若干」だが上がっていると感じる。
残念ながら手元に第2世代SEを用意できなかったため、同じ場所で写真を撮ってのチェックは叶わなかった。だが、過去(2020年)にテストで撮影した写真の傾向を見つつ、今回は「iPhone 13 Pro Max」と比較している。
2020年に第2世代が発売されたタイミングで「iPhone 11」と比較した印象だと、色温度が低めな割に濃く出やすく、ディテールも眠くなりがちだった。
では、第3世代SEとiPhone 13 Pro Maxではどうか? 色が若干浅く、ディテールもほんの少し弱いが、光量が十分なシーンなら、まず気にならないだろう。暗い場所ではiPhone 13 Pro Maxが明確に優位だが、SEも悪くない。
実は、レンズやセンサーなどの「ハードとしてのカメラ」について、第2世代と第3世代の間では変化がないようだ。そのため、カメラの変化もソフトの進化とA15 Bionic採用による処理能力向上がメイン。小幅な変化なので「カメラのために第3世代に買い換える」というのはおすすめしないが、着実に進化しているし、今のスタンダートとしては上質なものだと思う。
一方で、望遠や超広角、複数のカメラとLiDARを使った「人物以外のポートレート撮影」や4KかつHDRの動画撮影など、今は付加価値と思われる領域の機能は搭載されていない。徹頭徹尾「長く売るスタンダード」を作った、というのがiPhone SEの位置付けであり、今回もそこに変化はないのだ。
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