キッツのモニタリングサービス「KISMOS」

IoTでバルブの故障を検知する遠隔監視システムにSORACOMを採用

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複数台のバルブが設置運用している様子

 ソラコムは2月7日、キッツが進めるバルブの故障を未然に防ぐことを目的としたバルブメンテナンスの遠隔監視ソリューションにSORACOMが採用されたと発表した。

 キッツのバルブおよび流体制御用機器は、下水施設や空調施設、プラントやガスパイプライン、製造業の産業機器や製造設備に至るまで、様々な場所での流体コントロールに用いられている。

 国内のプラントは、稼働年数が長くなるに従い、老朽化に伴うトラブルの事故のリスクが高まることから、定期点検やメンテナンスなどの保全業務の重要性が増している。一方、保全業務の現場では、熟練技術者および技能者の高齢化や労働人口の減少、さらには感染症への対応が新たに求められている。

 キッツは、これまで培ってきた独自のセンシング、IoTおよびAIなどの技術を活用し、プラントや工場における生産プロセス向けに、バルブの異常の予兆検出を行なうモニタリングサービス「KISMOS(KITZ SMART MONITORING SYSTEM:キスモス)」として提供を開始した。

キッツのモニタリングサービス「KISMOS」

 本サービスでは、機器類を無償でユーザーの現場に設置。既設のバルブにセンサーを取り付けるため、生産プロセスを長時間停止することはないという。キッツがバルブの状態をモニタリングし、定期的にレポートする。異常の予兆を検出した際には、ユーザーに連絡し対応方法についてアドバイスする。

 また、ボールバルブやバタフライバルブなどのクォーターターンバルブの主な動作不良の予兆はバルブの開閉速度の変化に現れることを利用し、センサーをアクチェーターの出力軸部に取り付け、バルブの開閉動作の角速度をモニタリングすることで、人の目では判断できないようなわずかな動作の変化を捉える。

 本システムでは、センサーデータの収集に、データ通信サービス「SORACOM Air for セルラー」を利用している。セルラー通信(LTE)を利用することで、新規のネットワークを敷設することなく、短期間、少ない初期コストで、ユーザー先に本ソリューションを導入可能とする。ソリューションに使われるIoT通信の状況をキッツ側で管理することも可能だ。

 これらのデータは、キッツが管理するクラウド上の分析基盤に蓄積される。クラウド連携をサポートする「SORACOM Funnel」を活用し、SORACOM側でクラウド連携の認証を保管・付与することで、デバイス側の設定を最小限に抑え、キッツの分析環境があるクラウド(AWS)への連携を実現している。

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