安心のバッテリー持ち。ポータブル音楽プレーヤーとしても活用したい
Google Playストアから音楽配信系のアプリをダウンロードすれば、Falster Gen 6をポータブル音楽プレーヤーとしても便利に使える。
例えば、YouTube MusicやSpotifyのサービスはペアリングしたスマホがログインしていれば、スマートウォッチのアプリにもお気に入りのアルバムやプレイリストの情報が同期する。さらに有料サブスクリプションプランに登録していれば、スマートウォッチが本体に内蔵する8GBのストレージに好きな音楽をキャッシュしてオフラインで聴くこともできる。ウォッチにBluetoothイヤホンを接続して、屋外をジョギングしたり、ウォーキングしながら音楽を聴きたい時に、スマホよりも身軽な音楽プレーヤーとしてFalster Gen 6はとても魅力的なデバイスだ。
音楽再生も含めて、色んな用途にスマートウォッチを使い倒してしまうと“バッテリーの持ち”が気になってくる。筆者が試した限り、最もバッテリーを消費するディスプレイの設定を調整して(画面の明るさは「自動」/「常時オン」と直射日光下で一時的に画面をさらに明るくする「サンライトブースト」を有効)、Falster Gen 6は1日しっかりとスタミナが持続した。
パッケージに付属する充電器を使えば、スピードチャージ(急速充電)もできる。公式には30分で約80%のバッテリーが回復するとされているが、就寝前にだいたい20%前後のバッテリー残量になっているとして、風呂に入り、身支度を整える30分間に満充電になるので、そのまま睡眠トラッキングに活用できるというわけだ。毎日チャージする習慣さえ身につけてしまえば、充電にかかる時間の負担にストレスを感じることはないと思う。
ほかにも本機が搭載するSnapdragonシリーズのSoCが提供する超低消費電力性能と、フォッシル・グループが開発した「スマートバッテリーモード」を設定からオンにすると、バッテリーの持続時間は24時間以上になる。さらに拡張バッテリーモードを使用すると数日間のバッテリー駆動にも耐える。
万一充電を忘れて出勤したり、1〜2泊の出張に出てしまっても、最低限腕時計としてFalster Gen 6は数日間安心して使えるだろう。
「第6世代」にまで到達したフォッシル・グループ独自のプラットフォームの安定感は、見事だと思う。Googleと深く連携しながらスマートウォッチを開発しているフォッシル・グループだからこそ、細かなところの使い勝手にも配慮したインターフェースの操作性がとてもスムーズで心地よかった。Falster Gen 6の場合は、さらにスカーゲンらしいスタイリッシュなデザインの魅力も存分に味わえる。
Androidスマホのユーザーは、相性抜群のWear OSを搭載するスマートウォッチの最有力候補としてFalster Gen 6をぜひ気にしながら試してみてほしい。また、iPhoneユーザーも本機に触れてみれば、Apple Watch以外にも良質なスマートウォッチの選択肢があることを知るよい機会になると思う。
筆者紹介――山本 敦
オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。