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過去2連覇の「N高」が破れる波乱の展開に

第4回全国高校eスポーツ選手権「LoL部門」でクラーク記念国際「Yuki飯食べ隊」が悲願の優勝!

2021年12月30日 22時00分更新

文● 松野将太 編集●八尋/ASCII

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「第4回全国高校eスポーツ選手権」の「リーグ・オブ・レジェンド部門 決勝大会」が開催

 12月26日、一般社団法人全国高等学校eスポーツ連盟と毎日新聞社が主催、サードウェーブが特別協賛する「第4回全国高校eスポーツ選手権」の「リーグ・オブ・レジェンド部門 決勝大会」が開催された。なお、大会の模様はTwitch、YouTube、毎日新聞デジタルなどのプラットフォームでオンライン配信されている。

11月の予選決勝で勝ち抜いた4チームが決勝大会に登場。決勝戦のみBO3、準決勝は1マッチで勝利を争う

 過去には世界でもっともプレイヤー数の多いPCゲームに選ばれるなど、トップクラスの人気を誇るMOBA(マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ)系タイトルである「リーグ・オブ・レジェンド」。全国113高・165チーム、のべ889名の選手がエントリーした今大会の準決勝・決勝は、シングルエリミネーションのトーナメント形式で実施された。決勝戦までは試合数は1マッチのみ、負ければそのまま敗退となるため、選手にとっても視聴者にとっても非常に緊張感のある展開が多く生まれていた。

 決勝大会に出場したのは、ルネサンス大阪高等学校「ロイヤル決して諦めない」、専門学校アートカレッジ神戸「ACK A」、学校法人角川ドワンゴ学園 N高等学校「N1」、クラーク記念国際高等学校 CLARK NEXT Akihabara「Yuki飯食べ隊」の合計4チーム。準決勝では4チームが2ブロックに分かれて対戦し、勝者が決勝戦に進むことが可能だ。

準決勝では過去2連覇の「N高」が破れる波乱の展開に

バロンナッシャーを取りに行った「ロイヤル決して諦めない」に対し、集団戦を仕掛けた「ACK A」がバフを取得し、一気に有利に立つ。そのまま試合を押し切った

 準決勝第1試合の出場チームは、ルネサンス大阪高等学校「ロイヤル決して諦めない」、専門学校アートカレッジ神戸「ACK A」。ゲーム開始直後は「ロイヤル決して諦めない」のsYuus選手操るオーンが巧みにファーストキルを取り、その後もアルティメットから集団戦で有利な展開を作るなど、ゲームを支配。「ACK A」はやや防戦気味となるなど、苦しい序盤となった。

 しかし、有利にゲームを進めていた「ロイヤル決して諦めない」が中立モンスターのバロンナッシャーから得られるバフを取りにかかった際に「ACK A」がファイトを仕掛けたことで状況が逆転。「ロイヤル決して諦めない」から4キルを取得し、バロンナッシャーのバフを取得しつつ獲得ゴールドもほぼ横並びに。その後も集団戦でチームワークをみせ、kaeto選手がエースを獲得するなど、一気に勝利を引き寄せていく。

 結果、試合開始から30分が経過した時点で「ACK A」が敵本拠地のネクサスを破壊し、決勝戦に駒を進めることに成功した。

「Yuki飯食べ隊」が盤石の試合運びを見せ、前回・前々回優勝のN高を打ち破る

 準決勝第2試合は、学校法人角川ドワンゴ学園 N高等学校「N1」、クラーク記念国際高等学校 CLARK NEXT Akihabara「Yuki飯食べ隊」が出場。N高の「N1」に対し、「Yuki飯食べ隊」はドラゴンのスティール、レーン戦の堅実なコントロールといった試合運びで試合を有利に進める。

 「N1」は状況を逆転させるべく奮戦するものの、集団戦ではToriyaki選手を筆頭にした「Yuki飯食べ隊」側のファインプレーで逆に多くのキルを取られてしまうなど、不利な序盤戦となってしまった。

 「N1」が反撃の糸口を掴みかけるシーンはあったが、最終的には試合開始から29分ほどで「Yuki飯食べ隊」がネクサスを破壊。全国高校eスポーツ選手権では多部門に渡って常連の強豪であり、リーグ・オブ・レジェンド部門では2連覇を果たしているN高等学校を打ち破り、見事決勝戦に進んだ。

決勝を制したのは圧倒的な力を見せたクラーク記念国際「Yuki飯食べ隊」!

「ACK A」に対し、最終盤までまったくキルを取らせない完璧な試合運びで「Yuki飯食べ隊」がまずは1勝

 BO3(2本先取)で実施される決勝戦は、専門学校アートカレッジ神戸「ACK A」とクラーク記念国際高等学校 CLARK NEXT Akihabara「Yuki飯食べ隊」の対決に。どちらも素晴らしい準決勝を乗り越えてきたチームだが、第1ゲームの序盤は積極的に仕掛けた「ACK A」に対して「Yuki飯食べ隊」が上手く対処し、ほとんどゲーム終盤まで相手にキルを取らせない盤石の試合運びを見せる。結果的には圧倒的な大差で1ゲーム目を先取した。

「ACK A」は2戦目でも果敢なチャレンジを見せるが、「Yuki飯食べ隊」を崩せず。圧倒的な力をみせ、「Yuki飯食べ隊」が2本先取で優勝した

 続いての第2ゲームは「ACK A」も奮起したものの、「Yuki飯食べ隊」の牙城を崩すことはできず。ここでもまったく隙を見せない強さを見せ、ゲームを連取。見事に優勝を果たした。

優勝した「Yuki飯食べ隊」。画像左から、toriyaki選手、Nanabito選手、siroshi15選手、borutu選手、Galaxy1619選手

 優勝した「Yuki飯食べ隊」のsiroshi15選手は、「トロフィーの重みと、メダルを貰ったことでやっと優勝を噛みしめられた。これからは『N高』ではなく『クラーク』の時代だということを改めて伝えておきたい」と、大差をつけた試合内容に負けない力強いコメント。Nanabito選手は「最後の大会で、今まで3年間やってきた練習の成果をプレーで発揮でき、優勝もできたので本当にうれしい」と述べた。

 全体としてはクラーク記念国際「Yuki飯食べ隊」の強さが際立っていたが、どのチームも優れたプレイや連携を見せるシーンがあり、年々競技レベルが上がっていることを感じさせてくれる大会だったという印象だ。とくに、次回以降も優れた成績を残して”クラークの時代”が築かれていくのか、それとも今回涙をのんだ他校チームが雪辱を果たすのかには注目が集まるところだろう。「全国高校eスポーツ選手権」の、次回開催に期待したい。

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