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ボンネット構造の意味は?ホイールパッドはナゼ円形?

パナソニック レッツノート2022年春モデルを支える技術を開発者に聞いてみた!

2022年01月21日 11時00分更新

文● 宮里圭介 編集●村野晃一(ASCII)

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レッツノートらしさの象徴ともいえる「ボンネット構造」

 最初期は一般的なノートPCと変わらないデザインだったレッツノートだが、2002年に登場した「Let's note LIGHT」(CF-R1)で、その後のレッツノートの方向性を決定づける大きな変更が行われた。

 それが、天板へのボンネット構造の採用だ。

 快適に使えるモバイルノートを目指すレッツノートにとって、重量を軽くするというのは非常に重要なポイントだった。当時、モバイルノートの重量は今ほど軽くなく、1kg台前半なら軽量だと言われていた時代。そんな時代に1kgを切りたいと考え、本当に約960gという超軽量のモバイルノートを作ってしまったのだ。その軽量化と、頑丈性の両立を支えたのが天板のボンネット構造だった。

今でもASCII.jpには、CF-R1発表当時の記事が掲載されている。レッツノートらしいデザインやコンセプトは、この頃から変わらない

 軽くするには基板の小型化、内部パーツの厳選といったことも大切だが、大きく軽量化が見込めるのは、筐体部分。合金部分の厚みを薄くすれば、そのぶん軽くなるからだ。

 しかし、これを薄くしてしまうと今度は強度が低くなり、頑丈性の維持が難しくなってしまう。

 「ある開発メンバーが休日外を歩いていた時、ふと、なんで車のボンネットはあんな形なんだろうか、と疑問に思ったんです。たぶん強度を高めるためだろうというのは分かりますが、あの形となる理由がわからない。そこから研究がスタートしました」(田中氏)

 この研究の成果がCF-R1で見事実現され、ボンネット構造の採用によって、軽さと頑丈性の両立という難しい問題がクリアできたわけだ。もちろん、うまくいったからとその後も妄信的に採用してきたわけではない。さらなる軽量化のため、改良や工夫が続けられていくことになる。

 「最初は中央の膨らんでいる部分が1つとなるシングルボンネットでしたが、これを2つに分割したダブルボンネットにしたのも、軽量化しながら強度を増すための改良です。これ以外にも、筐体を均一な厚みにするのではなく、強度が必要な部分のみ肉厚にすることで、重量増を抑えながら強度を増すという工夫も行っています」(田中氏)

単純にボンネットの形を継承するのではなく、世代ごとに多くの改良点を取り入れ、より軽く、より強く進化している

 なお、初期はシミュレーション技術がそこまで発達していなかったこともあり、ひたすら試作機を作っては試験を繰り返し、改良を繰り返していたという。最近では、シミュレーション技術を確立できたこともあり、必要な場所だけ強度を上げ、それ以外の場所を薄くして軽量化するという工程を、さらに詰めていけるようになっているそうだ。

 「特徴となっているボンネットですが、その半面、“やぼったい”という声もあります。とはいえ、ボンネットによって強度が劇的に上がっているため、なくすことはできません。2021年に登場したFVシリーズは、シミュレーション技術を駆使し強度を保ちつつ、同じ14型のLVシリーズと比較するとかなり段差が目立ちにくいスッキリとしたデザインへと変化しています。(田中氏)

 2022春モデルでいうと、QVとFVがシングルボンネットに回帰している。といっても、初期のような中央が盛り上がったものではなく、この逆に、中央が凹んでいる形状だ。これは以前のシングルに戻ったというより、ダブルを両端まで引き延ばしたという方が正しいだろう。

※店頭及びWeb直販「パナソニック ストア プラス」で販売。

段差が小さく、ボンネットが目立ちにくいFVシリーズ。同じボンネットを採用しているといっても、進化し続けているというのがよくわかる

 ちなみに、開発陣としてはボンネットに固執しているわけではなく、あくまで軽さと頑丈性を両立するのに必要な手段だから採用している、とのこと。結果的にボンネットを採用しているだけであって、ボンネットがなくても実現できるのであれば、なくしても構わないという話だった。このあたりの合理的な考えが、レッツノートの進化を支えているのだろう。

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