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オーラルケアブランドの「Oral-b by Braun」がオンラインシンポジウムを開催

コロナ禍で見直される“お口の健康” テクノロジーで実現するオーラルケア

2021年11月10日 12時00分更新

文● ASCII

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コロナ禍で見直される“お口の健康”

 前述の800人を対象としたアンケート調査では、コロナ禍をきっかけにして「お口の健康を見直したい」という回答が、「見直したい(9.8%)」「まあ見直したい(34.3%)」の合計で44.1%にものぼったのだという。

 大川 正樹氏は、高価格帯の電動歯ブラシや手磨き用歯ブラシの売り上げが伸長しているというデータも示し、「コロナ禍をきっかけとして、口腔の健康を見直したいという気運が高まり、マウステック(※テクノロジーを活用した高機能の口腔衛生に関するプロダクトやサービスなど)全体の売り上げにもつながっている」と分析した。

 オーラルケアの分野が伸長している要因は他にもある。「お口の健康が、体全体の健康にもつながっているというエビデンスが、ここ15年ほどのあいだに積み重なってきている(市川 衛氏)」のだ。島津 貴咲氏は、磨き残した歯垢1mgの中には、約1億から10億ほどの細菌がいると言われていることを紹介。「磨き残した細菌が残っていると、歯茎に炎症が起きたり、血が出たり、骨が溶ける歯周病につながる」と解説した。

会は、市川 衛氏がパネリストを勤め、登壇者それぞれと会話をしていくかたちで進行した

 厚生労働省の「2017年患者調査」によれば、歯周病の罹患数は増加傾向にあり、2017年時点では、国内の3983万人が歯周病に罹患していると示されている。また40代に限れば、2人に1人は歯周病に罹患しているのだという。

 島津 貴咲氏は日本の傾向として、「歯科医院には問題が起こったときに行く」という姿勢が一般的である一方で、歯周病は大きな症状がなく静かに進行していくという傾向があり、その進行を食い止めるためには、早期発見が重要であると解説した。

 また、口腔内細菌だけでなく、炎症を起こした際の炎症性物質が血流に乗って全身に運ばれることで、血管、肺、心臓、肝臓、膵臓など、さまざまな臓器に疾患が出る可能性があることにも触れた。これを防ぐためにも、自宅での“セルフケア”と、歯科医院による“プロケア”を併用して、口腔内をいい状態に保つことが必要になるが、歯科医院では、唾液を専門の機関でチェックすることで、酸性度や細菌の種類をチェックし、唾液の質を高め、口腔の健康を管理する技術も取り入れられはじめているのだという。

自宅でのブラッシング、改善方法は

 オーラルケアブランドの「Oral-b by Braun」が主催したこともあり、会の終盤には、同社の電動歯ブラシ「オーラルB iO」の機能紹介のコーナーも設けられた。前述のように「リニアマグネティックシステム」と「遠心マイクロモーション」という2つの技術を用いて、優れたブラッシング性能を実現している同シリーズは、センサーとAIによって、現在磨いている場所を推定することができる。無料の専用アプリと接続することで、磨いている箇所や、その進行度を視覚で確認しながら歯磨きができるだけでなく、ブラッシングの履歴を記録したり、インジケーターによって最適な力加減を指示したりといった機能も設けており、ヘルステック製品のひとつと言えるだろう。

専用の無料アプリと接続した状態のデモ。磨いている場所と、アプリで示されている場所が一致している

 電動歯ブラシは手磨きと比較して、磨きムラの少ない丁寧なブラッシングが手軽に実現できる点がメリットだが、医療に関する英の評価機関コクランによれば、「回転振動式電動歯ブラシ」は、「手磨きよりも高い歯垢除去能力・歯肉炎減少に効果がある」という評価を受けているそうだ。

首元のランプの色で、適正な力加減を知らせてくれる

 ASCII.jpでも何度かレビューを掲載しているので、興味のある読者は合わせてチェックしてほしい。

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