総務省は、NTTによるNTTドコモの完全子会社化について、電気通信事業者28社から公正競争上の懸念を示す意見申出書が提出されたことを受け、NTTおよびNTTグループ各社に公正競争確保のために講ずべき措置について要請を実施。その内容が公表された。
NTTグループでは再編成以降、公正競争条件について制度整備が進められてきており、今後も順守することが求められている(検証に必要なデータの提出、ネットワークの公平な提供、取引条件の公平性の担保、NTT東西とNTTドコモ/NTTコミュニケーションズ間の社員の出向や役員の兼務の禁止など)。特にNTT東西からのネットワーク調達については、NTTコミュニケーションズのネットワークがNTTドコモに移管された場合も徹底させるように要請している。
また、NTTドコモの完全子会社化以降、財務状況の公表はNTTを通じて行なわれる形となるが、NTTドコモ以外のMNO各社が公表するデータと比較検証するのに必要な情報、たとえばセグメント別の売上高、営業利益、営業利益率、ARPUなどについては引き続き公表してくことを求めている。
さらに、グループ連携でのシナジー効果を通じて、より使いやすく安価なサービス・料金を提供すること、NTT東西によるローカル5G導入では総務省策定のガイドラインに基づいて対応すること、次世代ネットワーク構築にあたり、アンバンドルが不可能にならないようにすること、次世代ネットワーク利用の意志がある他事業者が参入可能になるよう取り組むことなどが挙げられている。