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年次イベント「Adobe MAX 2021」にあわせて

Adobeが3年ぶりの新フォント「ヒグミン」をリリース

2021年10月27日 10時55分更新

文● 太田百合子 編集●飯島恵里子/ASCII

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 Adobeはクリエイター向けの年次イベント「Adobe MAX 2021」を、昨年に引き続き今年もオンラインで開催。各種ソフトウェアのアップデートに加えて、オンラインでのコラボレーションを推進するため、新たにWEBベースの作業環境を提供する「Adobe Creative Cloud Web」が発表されました。プロジェクトに関する素材や資料を管理できるストレージ、デザインレビューなどを行える共有ステージが利用できるほか、「Adobe Photoshop」や「Adobe Illustrator」の一部機能も、Web版として提供されます。

 イベントにあわせて「Adobe Fonts」には、新しい日本語フォントも追加されました。「Adobe Fonts」は「Adobe Creative Cloud」ユーザー向けのフォントサービスで、2万書体を超えるフォントが利用できるもの。日本語フォントも500書体以上登録されていて、たくさんあるフォントが選びやすいように、AIを用いたおすすめ機能も新設されています。

 今回、アニメ「鬼滅の刃」でも採用された毛筆フォントメーカー「昭和書体」が新たなパートナーとして加わったほか、Adobeにとって約3年ぶりの新フォントとなる、かなフォント「ヒグミン」もリリースされました。画家で絵本作家のヒグチユウコさんの手書き文字をフォント化した「ヒグミン」は、その制作工程が早くからメディアに取り上げられるなど、多くのクリエイターから注目を集めてきました。

 文字から伸びるヒゲが独特で、ひらがな、かたかな、アルファベットに加えて、カラーグリフ(絵文字)もあり、これを組み合わせることでリボンなどの装飾を描けるようになっています。デジタルなのに、まるで手書きのような「にじみ」があるのも特徴。同時に追加された「DNP秀英にじみ」と組み合わせると、漢字を交えた表現も可能になります。なお「DNP秀英にじみ」の一部フォントは、「ヒグミン」と組み合わせたときに違和感がないよう、にじみの細部まで一緒に開発されています。

 「ヒグミン」の制作を担当したAdobeのフォントデザイナー西塚涼子氏によれば、プロジェクトがスタートしたのは2018年。ヒグチさんが自身のTwitterに投稿した「Adobeでフォントになるのが夢」というひと言に、西塚氏が反応したのがきっかけでした。サンプルづくりの工程がグラフィック社の雑誌「デザインのひきだし」で紹介されるなど話題になり、新フォント「ヒグミン」のプロジェクトがスタート。その進捗はこれまでもたびたび、Adobeが主催するイベントなどで紹介されてきました。

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