日本テレビ系で水曜よる10時から放送中の「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」は、弱視の高校生が主人公のドラマです。その舞台に横浜市立盲特別支援学校が使われています。本校は、およそ130年の歴史ある学校です。視覚に障害のある幼児児童生徒への教育活動を行なっています。
まったく見えない全盲の人と、見えにくいロービジョンといわれる弱視の人がいますが、本校では在学者の多くが弱視です。この弱視について、本校公認キャラクター「しもん」と、弱視の職員で「みゆき」と「まちこ」の3人が弱視あるあるについて話をしていきます。
第3回は、見えにくいために、日々ギャンブル&妄層をして楽しんでいる弱視についてです。
もしもお目めに合いましたら、読んでみてください。
前回の記事はこちら:
■【連載】盲学校は歩きやすい工夫がいっぱい いざ探検!
※過去の連載記事はこちら:「恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜」ロケ地・横浜市立盲特別支援学校より弱視あるある
まちこ:ドラマでユキコちゃん(赤座ユキコ:杉咲花)が自動販売機で賭けをするシーンがあったよね。
みゆき:私は賭けをするわけじゃないけど、カルピスと思って買ったら、炭酸飲料だったり、ココアを買ったつもりがおしるこだったりすることある。
しもん:ある意味、賭けだね。
まちこ:私は見えるからそんなことはないなあ。
しもん:まちこは自販機のケースがあっても、視野に入れば見えるってことね!
みゆき:私も盲学校の自販機であれば、テプラで大きく文字が書かれていて、さらに点字も貼ってあるので、間違えないで買えます。
しもん:ドラマでユキコちゃんがメロンパン買いに行くシーンがあるよね。
みゆき:コンビニで買物するのよね。
まちこ:コンビニはある程度構造が同じで、品ぞろえもほぼ同じだから買物しやすいなぁ。
しもん:見え方の違うみゆきは?
みゆき:飲み物を冷やしている冷蔵庫も、自販機と同じで、ドアがあって近づけないから見えないのよね。
しもん:えっ!? どうするの?
みゆき:一本一本取り出して確認する。
まちこ:それはなかなか大変だね。
みゆき:でも取り出して見れるからいいんだけど、戻す時にどこだかわからなくなって、やばって思うんだよね。
しもん:それで?
みゆき:似たような色のところにねじ込む。
しもん:やっぱり(苦笑)
みゆき:パンも近づいてみたり手に取ったりして種類を確認するよ。
しもん:どのくらい近づいて見るの?
みゆき:顔の前から2cmくらいかな。
まちこ:私は顔の前から10cmかな。
しもん:やっぱり2人は違うんだね。
まちこ:お弁当とかも文字を大きくしてくれれば手に取らなくても見えるかな。
しもん:それって視覚障害者だけじゃなくて、この超高齢社会にとっても必要なことだよね。
まちこ:ユニバーサルデザインね。
みゆき:弱視は「ロービジョン」って言われるけれど、まさに「老ビジョン!」
みゆき:ドラマでユキコちゃんが森生(黒川森生:杉野遥亮)を蹴っ飛ばしたあと、ケガを心配して顔を近づけるシーンがあるでしょ。
しもん:ユキコちゃんの顔が近くて森生がドキドキするんだよね。
みゆき:弱視の友達も見えにくいから顔近づけすぎてドキドキするって言われるらしい。
まちこ:視野に入ってきた人を「誰かな?」ってジーっと見つめてるとドキドキするって言われる。
しもん:目を離すとどこにいるかわからなくなるんだね。
みゆき:私は言われたことない。ドキドキさせられるなら、顔を近づけるコンプレックスがなくなるかも。
しもん:そうはうまくいかないよ。ソーシャルディスタンス!
みゆき:学校内だと顔が見えなくても、声、髪型、服装の色、体格の情報を総動員するから、遠くからでも誰だか判断できちゃうな。
しもん:だから見えているように振舞えるんだね。
まちこ:見えているふりするのも得意だけどね。
みゆき:人の顔は写真を超拡大して覚えるから、更新しないとシワも見えないから若いままのイメージだよ。
みゆき:でも髪型をガラッと変えたり、新しい服を着てきたりすると最初は誰なのかわからない。
しもん:だから廊下でみゆきに手を振ったのに無視したんだね。
まちこ:しもんはそんなにヘアスタイル変えられるのかな??
みゆき:顔が見えなくていいこともあるよね。素敵な声の人はイケメンって想像できる。
まちこ:電車で隣の人が居眠りして寄りかかってきたら、イケメンだと思えば嫌な気分にならない。
しもん:妄想が止まらないなあ。
こうしてまだまだ3人、いや2人と1羽の話は続きます。
次回も読んでいただけたらうれしいです。
もしも、お目めに合いましたら。
「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」
日本テレビ系で毎週水曜夜10時から放送中。
勝ち気だけど恋には臆病な盲学校の女の子・赤座ユキコ役の杉咲 花さんと、喧嘩上等だけど根は純粋なヤンキー・黒川森生役の杉野遥亮さんによる新世代ラブコメディー!