ソニーは9月29日、完全ワイヤレスイヤホンの新製品「WF-C500」を発表した。価格はオープンプライスで、予想実売価格は1万1000円弱。発売は10月8日を予定している。
ノイズキャンセル対応の最上位機「WF-1000XM4」は好調に推移。途中品切れなどもあったがシェア拡大が続いている状況だという。新モデルはこのコンセプトを継承しつつ、ソニーとしては初めて税抜1万円以下の価格帯に投入される商品となる。
DSEEや専用アプリ「Headphone Connect」を使ったイコライジングが可能となっている。音質は低音から高音まで幅広い再生が可能で、ボーカルが際立つものとなっている。IPX4対応で装着安定性(エルゴノミック・サーフェース・デザイン)に配慮し、ケース充電併用で最大20時間の連続再生が可能だ。360 Reality Audio認定機種となる。
直径5.8mmのダイナミック型ドライバーを採用。サイズはコンパクト設計でXB700と比較して体積が45%減少している(充電ケースも25%減少)。GoogleのFast Pair、マイクロソフトのSwift Pairなどに対応。簡単接続に加え、音で場所を知らせたり、専用アプリを利用した最新ファームウェアへのアップデートも可能となっている。
BluetoothコーデックはAACとSBCが利用できる。
カラーはアイスグリーン、コーラルオレンジ、ブラック、ホワイトの4色展開。発売は10月8日。発売に合わせて、LINE MUSICの4ヵ月無料チケットが抽選で当たるキャンペーンを実施中。購入の必要はなく誰もが参加できる。詳細はソニーのウェブサイトを参照してほしい。
廉価機と侮ってはいけない
実機を簡単に確かめてみた。まず、本体が非常にコンパクトで軽いのが印象的。装着もしやすく、カラフルなカラバリが用意されている点もいい。
音は非常にバランスがとれていて、安価な機種という印象はまったくない。再現は素直で低域などの誇張がない上級クラスのテイストと言っていいと思う。最上位で人気機種の「WF-1000XM4」で培ったサウンドがこのクラスでもしっかり踏襲されている印象で、抜け感の良さがある一方できつくなく、広がり感や豊かさがあるほっこりとさせるサウンドと言ってもいいと思う。今後のソニーらしい音の方向感が改めて示された機種と言ってもいいと思う。
全体の傾向としてはブライトで軽やかだ。一方で分離感に優れているので、YOASOBIの楽曲のように打ち込みのビートを刻むような音源でも、明瞭よく切れの良いリズム帯の再現が楽しめる。同時にボーカルの抜け感やかぶり感もなく、非常に高水準な仕上がりだと感じた。この価格帯の完全ワイヤレスイヤホンを選ぶのであれば、ひとつの基準にすべき機種だと言えそうだ。