早園マキのROUROU国へようこそ! 第4回

【連載】1年に2回の修業中! ROUROU秋冬のテーマは「CROSS」

文●早園真己

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 皆さん、こんにちは! 横浜中華街発のアパレルブランドROUROUデザイナーの早園マキです。酷暑も和らぎ急に秋が来てしまったようで、若干寂しさを感じております。

 前回はこちらをご紹介しました。
■【連載】ROUROU国からバラの国へ

※過去の連載記事はこちら:早園マキのROUROU国へようこそ!

 さて、ROUROUでは、「秋冬受注会」に向けての準備で大忙しです! 毎月新作を店頭とWEBでご案内していますが、それと同時に年に2回、春夏&秋冬というくくりで、そのシーズンのテーマを打ち出し、そのテーマに沿った服を作り、お客様にお声がけして受注会を開催しているのです。「秋冬受注会」は2021年9月18日(水)スタート(一般会員の方は9月20日(土)スタート)なので、この原稿を書いている今は、仕上げの段階に突入しています。

 どんなテーマでどんな服を作るか。日ごろからアンテナを張って世の中の動きをとらえ空気を感じ取り、また私たちの手がけるアイテムが時代のニーズに沿うように、お客様との会話からヒントを得るなどして、企画デザインを一緒に行っているスタッフと共に、徐々に方向性を固めて行きます。

秋冬受注会の新作デザインスケッチより。男性的なイメージであるMA1(ミリタリー系ブルゾン)を、フェミニンな素材や、少数民族の衣装を思わせる刺繍やプリントといった3種類の技法でCROSSさせます

 服のフォルムのデザインに始まり、どんな素材を選び、またどんな新しいテクニックを使ったら、お客様の目に新鮮に映り、ワクワクとした気持ちになってもらえるだろうか・・・。私にとって、楽しくもあり、苦しくもある、1年に2度ある修業です(笑)。

 今季、2021年秋冬のテーマは「CROSS」です。コロナ禍で、あらゆることに制限がかかり、不自由を感じることが多くなりました。と同時に、これまでに不自由を感じて過ごしていた人が多くいたことを想像できるようにもなりました。いろいろな人の立場を想像することや、それぞれの不自由さすべてを理解できなくても、ちょっと感じたり、知ろうとしたり、共感できる部分でつながってみたり、一部分でも「CROSS」して歩み寄ることができたら、世の中はもっと優しい空気に包まれるのかなと思います。

 そんな想いを込めて作った服の数々、お客様にお披露目できるのが楽しみです。

秋冬受注会より。チュール地にフロッキープリントを施したこちらの生地で、デザイン画のMA1や、カットソー、スカートなどを作ります

秋冬受注会より。今季のテーマを象徴するようなCROSSなストールです!

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文/早園真己

横濱スカーフのシルクスクリーン製版型を作る家庭で育つ。日本ファッション学院卒業後、職人として家業を手伝いながら、モデルとしてコレクションや雑誌、TVCFなどで活躍する。パリコレ出演を機に、自分のなかに眠るアジア人としてのアイデンティティや誇りを実感。日本から発信する“ネオアジア”をコンセプトに、2000年横浜中華街に自身のブランド「ROUROU」をオープン。現在は自社製品のデザインの他、ホテルや企業の制服、舞台衣装などのデザインも手掛ける。