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テレワークおよびニューノーマル時代の働き方に関する意識調査結果の前編を発表

中小企業のテレワーク実施率は約27%で昨年より低下、デル調査

2021年09月13日 17時30分更新

文● ASCII

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テレワークを実施している中小企業は26.8%にとどまる

 デル・テクノロジーズは9月13日、8月に全国の中小企業(従業員数1~99人)の経営者および会社員1110人に対して実施した、テレワークおよびニューノーマル時代の働き方に関する意識調査結果の「前編:テレワーク導入状況」を発表した。

 本調査では、テレワークの導入状況に焦点を当て、その導入時期や頻度、メリット、課題などについての調査結果をまとめている。その結果から、中小企業におけるテレワーク導入率は、前回調査での導入率を下回る結果となり、その普及率が低迷している様子が浮き彫りになったという。

■テレワークを実施している中小企業は26.8%にとどまる。
およそ7割の中小企業がテレワークを実施しておらず、前回2020年7月調査時の36.0%から9.2ポイントダウン。

 従業員99人以下の企業におけるテレワークの実施状況を尋ねたところ、「導入している」との回答は26.8%にとどまる結果となった。テレワークを実施していない割合は、「過去に実施していたが、現在は実施していない」と答えた回答者も合わせると、全体の7割以上にのぼる結果となった。

■テレワークを初めて導入した時期は、半数以上が新型コロナウイルス感染拡大により発令された第1回緊急事態宣言中。

 「2020年2月以前」からテレワークを実施していたのは32.2%。これを除くと、過半数の53.0%が「第1回緊急事態宣言」期間中に導入しており、この時期に一気にテレワークの導入が加速したことを示す結果になった。その後の「第2回緊急事態宣言」以降のテレワーク導入率推移はゆるやかな増加傾向にとどまっている。

※以下、現在テレワークを実施している回答者を対象に調査

■テレワークの頻度は「週1-2回」が最も多く4割超。
「毎日」テレワークを実施しているとの回答は24%、全体のおよそ7割はテレワークと出社/オフィスワークを併用。

 テレワークの頻度を確認したところ、「週1-2回」が最も多く40.3%、つづいて「週3‐4回」が29.2%だった。「毎日」テレワークを実施していると答えた人は24.5%にとどまり、大半の回答者がテレワークと出社/オフィスワークを併用していることが明らかになった。

 なお、テレワークの頻度を雇用形態別に比較すると、毎日テレワークをしていると答えた人は、経営者・役員が30.1%であるのに対し、従業員では16.4%となった。

■テレワークを実施していると回答した人の半数以上は概ね満足し、不満と回答した人は1割未満。経営者・役員の方が、従業員より満足度が高い結果に。

 テレワークの満足度について尋ねたところ、「満足」「やや満足」と答えた人は56.4%となり、半数以上がテレワークに概ね満足していた。一方「不満」「やや不満」と答えた人は9.7%にとどまった。なお、「満足」と回答した経営者・役員は31.3%だったのに対し、従業員は14.8%にとどまりまった。

■テレワーク実施のメリット上位3位に「働き方改革の推進」、「ワークライフバランスの向上」、「オフィスコストの削減」。

 テレワーク実施のメリットとして、「働き方改革の推進(44.0%)」と「ワークライフバランスの向上(43.6%)」が上位2つを占めた。つづいて、「オフィスコストの削減(29.9%)」、「業務生産性の向上(24.8%)」がメリットとして挙がった。

 なお、昨年7月の調査結果では、「働き方改革の推進」が48.8%、「ワークライフバランスの向上」が35.3%で、上位2つは今回の調査結果と同様だったが、第3位は前回の「業務生産性の向上(前回29.2%)」に代わり今回は「オフィスコストの削減(29.9%)」となった。

■テレワークの課題や改善点はコミュニケーションが突出、セキュリティー上のリスク、従業員や部下の管理がつづく。

 テレワークの課題や改善点について尋ねたところ、半数以上となる52.0%が「コミュニケーションが難しい」と回答。「従業員や部下の管理が難しい(25.5%)」という回答も上位に挙がり、物理的な距離があることで対人面に課題を感じている様子がうかがえるという。

 また、「セキュリティー上のリスク(26.2%)」もテレワークの課題や改善点として第2位にランクインした。さらに、前述のとおりテレワークのメリットに挙げられた「生産性向上」については、逆にテレワークにより「生産性が落ちる(23.5%)」、「非効率的(15.4%)」と感じている回答者もいることが明らかになった。

■テレワークに際して会社に望むことは、「ノートパソコンや周辺機器の支給」、「自宅のWi-Fiやネット回線利用費、電気代などの補助」が上位に。

 テレワークをするにあたって会社に望むことを尋ねたところ、「ノートパソコンや周辺機器の支給(36.8%)」、「自宅のWi-Fiやネット回線利用費、電気代などの補助(34.1%)」との回答が上位を占めた。「会社へ望むことはない(37.8%)」との回答も多数挙げられ、現状に満足している層が一定数いる一方で、デバイスや費用面の支援を望む意見が見られた。

■全体の約半数が、テレワーク導入後も自宅の仕事環境に変化なし。一方、新たに購入したアイテムの上位は、「ウェブ会議用ヘッドセット」、「デスクやイス」、「ウェブカメラ」。

 テレワークの導入以降の自宅の仕事環境の変化について尋ねたところ、49.0%が「変化はない」と回答。購入したもので最も多かった回答は「ウェブ会議のためのヘッドセット(25.2%)」、つづいて、「デスクやイス(18.1%)」、「ウェブカメラ(16.4%)」という結果になった。

 今回の調査結果から、現状において中小企業におけるテレワークの実施状況は、あまり進展していないことが浮き彫りになった。同社は、本調査の「後編:ニューノーマル時代の働き方」にて、新型コロナウイルスの収束後を見据えたニューノーマル時代の働き方に対する意識調査結果を発表する予定。

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