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144fpsゲーミングでのコスパ抜群! ASUS「ROG-STRIX-RX6600XT-O8G-GAMING」をレビュー

2021年09月10日 10時00分更新

文● 宮崎真一 編集● AMD HEROES編集部

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カード長は実測で約239mm
全体的に黒色をベースにしたシックな印象

 それでは、STRIX-RX6600XT-GAMINGのカードそのものについて見ていこう。カード長は実測で約239mm(※突起部除く)だが、基板自体は203mmほどしかなく、GPUクーラーがカード後方に36mmほどはみ出た格好だ。また、マザーボードに装着した際、垂直方向に25mmほど背が高くなっている点も抑えておきたい。

黒色をベースにシルバーの装飾がアクセントなっているデザイン

裏面には金属製のバックプレートを装備。カード後方には大きな穴が開いており、前面からのエアーが抜ける構造になっている

 そのGPUクーラーは2.6スロット占有タイプで、100mm角相当のファンを2基搭載。そのファンは、外枠のバリアリングが特殊な形状をしているAxial-tech仕様で、下向きの風圧を高めている。また、GPUコアの温度が52℃を下回ると自動的に停止する機能が用意されている。なお、ASUSによると、GPUコアの温度が60℃を超えると、再び回転を始めるという。

カードを横から見たところ。2.6スロット占有タイプだけあって、なかなかの厚さ

Axial-tech仕様のファン。バリアリングが波を打ったような独特な形状をしている

 基板の電源部には、同社独自の品質規格「Super Alloy Power II」に対応したプレミアム品質の合金製チョークコイル、固体ポリマーコンデンサ、高電流パワーステージといった高品質な部材を採用。これにより、電力効率が向上し、高クロック動作時の安定性を高めている。

 また、カード側面の「ROG STRIX」というロゴにはLEDが搭載されており、Webサイトの説明ではAura Syncで光り方や色などの制御が可能とのこと。ただ、テストを行なった9月初旬ではまだ利用できなかったので、いち早い対応を望みたい。

補助電源コネクタは8ピンを1基のみ備える

映像出力インターフェースは、DisplayPort 1.4×3に、HDMI 2.1×1という、最近の製品では一般的な構成だ

RTX 3060から15%前後高い性能
フルHDなら多くのゲームが快適にプレイ可能

テスト環境
CPU AMD「Ryzen 9 5950X」
(16コア/32スレッド、3.4~4.9GHz)
マザーボード ASRock「X570 Taichi」(AMD X570)
メインメモリー DDR4-3200 16GB(8GB×2)
グラフィックスカード ASUS「ROG-STRIX-RX6600XT-O8G-GAMING」(Radeon RX 6700 XT)、
ZOTAC「ZOTAC GAMING GeForce 3060 Twin Edge OC 12GB 192BIT GDDR6」(GeForce RTX 3060)
SSD Plextor「PX-512M9PeG」(M.2、NVMe、512GB)
電源ユニット SilverStone「SST-ST1200-G Evolution」
(1200W、80PLUS Gold認証)
OS Microsoft「Windows 10 Pro 64bit版」

 それでは、STRIX-RX6600XT-GAMINGのパフォーマンスを確かめてみよう。今回、STRIX-RX6600XT-GAMINGに関しては、工場出荷時設定となるGaming modeで、vBIOSはPモードでテストを行なっている。また、比較対象には同じミドルレンジ向けGPUとなる「GeForce RTX 3060」(以下、RTX 3060)搭載のカードを用意した。STRIX-RX6600XT-GAMINGについては、グラフィックスドライバーにテスト時に最新バージョンとなる「Radeon Software Adrenalin 21.8.2 Optional」を使用している。それ以外のテスト環境は表のとおり。

 まずは「3DMark」(Version 2.20.7252)の結果からだが、Fire Strikeでは、STRIX-RX6600XT-GAMINGはRTX 3060に23~25%ほどの差を付けた。どのテストでも安定して上回るパフォーマンスを発揮しており、まさに格の違いを見せ付けた印象だ。一方、DirectX 12のテストとなるTime Spyでは、Ampere世代のRTX 3060が意地を見せ、その差を9~10%ほどに縮めているもの、STRIX-RX6600XT-GAMINGの優位は変わらない。

 では、実際のゲームではどうなのか、「バイオハザード ヴィレッジ」の結果に移ろう。ここでは、オプションのグラフィックス自動設定から「画面品質重視」を選択してゲームをプレイ。その間のフレームレートを「CapFrameX」(Version 1.6.5)で取得した。なお、すべての結果のうち最小1%のデータである1パーセンタイルフレームレートを最小フレームレートの代わりに採用し、文中とグラフ中ともに「Minimum(1%)」と表記することをここで断っておく。

 さて、その結果だが、STRIX-RX6600XT-GAMINGは平均フレームレートでRTX 3060に10~18%ほどの溝を空けた。Minimum(1%)を見ても、STRIX-RX6600XT-GAMINGの結果は良好で、特に2560×1440ドットで常時100fps以上のパフォーマンスを発揮している点は賞賛に値する。この結果を見れば、STRIX-RX6600XT-GAMINGのほうがより快適にバイオハザード ヴィレッジをプレイできることは誰の目にも明らかだろう。

 続いて「Call of Duty: Warzone」の結果に移ろう。ここでは、オプションから描画負荷が最大となるように設定してゲームをプレイし、その間のフレームレートを先ほどと同様にCapFrameXで取得した。

 その結果だが、STRIX-RX6600XT-GAMINGとRTX 3060との差は、平均フレームレートで9~22%ほどで、特に1920×1080ドットでは、実フレームレートで30fps以上の差を付けている点は評価できよう。STRIX-RX6600XT-GAMINGは、1920×1080ドットで常時120fps近いフレームレートを維持しており、1フレームでも多く描画を行なうことで他者より有利に立ち回りたいと考えるコアなゲーマーでも魅力的な性能と言っていい。

 「DEATH STRANDING」でも、STRIX-RX6600XT-GAMINGのパフォーマンスは優秀だ。ここでは、オプションから最高プリセットを選択してゲームをプレイし、これまでと同じくCapFrameXでフレームレートを計測している。

 やはり、STRIX-RX6600XT-GAMINGは、3860×2160ドットでRTX 3060に差を詰められてはいるものの、2560×1440ドット以下の解像度であれば、平均フレームレートとMinimum(1%)ともに、RTX 3060より1割以上高いパフォーマンスを発揮している。特に1920×1080ドットのMinimum(1%)に着目すると、RTX 3060が110fps弱であるのに対して、STRIX-RX6600XT-GAMINGは120fps以上出ており、この差は体感的にもかなり大きい。

 最後に「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」の結果を確認しておこう。ここでは、最高品質に指定してベンチマークを実行しているが、同ベンチマークはGeForceシリーズへの最適化が進んでおり、Radeonシリーズは苦しい戦いを強いられる傾向がある。

 それは、今回のSTRIX-RX6600XT-GAMINGも同様で、すべての解像度においてRTX 3060の後塵を拝してしまっている。しかし、その差はわずかなもの。スクウェア・エニックスの指標では、スコア15000以上が最高評価とされており、STRIX-RX6600XT-GAMINGは1920×1080ドットでそれを満たしている点は評価できる。Radeonシリーズは不利ではあるが、STRIX-RX6600XT-GAMINGなら十分に快適なプレイが可能だ。

価格は6万8000円ほどとコスパは優秀
古いPCのアップグレードパスにも最適

 以上のテスト結果から明らかなように、STRIX-RX6600XT-GAMINGは、さすがに4K解像度は荷が重いものの、フルHDであればかなり快適なゲーム環境が実現する。STRIX-RX6600XT-GAMINGの価格は6万8000円前後。RTX 3060搭載モデルが6~8万円で販売されているのと比べると、ほぼ同価格帯に置かれている。

 そのため、今回のテストで高いフレームレートを発揮しやすかったSTRIX-RX6600XT-GAMINGのほうが、コスパに優れていると言っていいだろう。比較的手の届きやすいミドルレンジ向けモデルとして、これからゲームを始めるという人や、古いPCのアップグレードパスとして活用したい人にも、魅力的なモデルであることは間違いない。

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