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CPUは第11世代のCore i5-11400H、sRGBカバー率99%と広色域ディスプレーも採用

写真・動画編集用のモバイルマシンに価格も性能もサイズもすごく丁度いい、GTX 1650搭載で11万円台の15.6型ノートPC「raytrek G5-TA」

2021年09月09日 14時00分更新

文● 周防克弥 編集●八尋/ASCII

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想定以上の性能でクリエイターのモバイルするメインマシンとしての運用も!

 続いて、肝心な性能をチェックするため各種ベンチマークテストを行なってみた。raytrek G5-TAには、パソコンの動作を設定するソフト「Control Center」が標準で添付されている。

 今回のベンチマークテストでは、Control Centerのパフォーマンスの項目にある電源設定を一番性能を引き出せるゲームモードに設定して測定を行なっている。またWindows10に標準で備わっている「電源モード」でも「最も高いパフォーマンス」に設定した。

キーボードの上部右側には、電源ボタンと動作モードをワンタッチで切り替えできるボタンが備わる

 では、再度基本構成を確認しよう。CPUは6コア/12スレッドで動作するインテルのCore i5-11400H、GPUはNVIDIAのGeForce GTX 1650が搭載されている。メモリーは16GB、ストレージはPCIe3.0接続の512GB SSDだ。16GBのメモリーと512GBのストレージがあれば、さしあたりよほどの大仕事でなければ運用に問題はないだろう。

10nmプロセスを採用、Tiger Lake H45アーキテクチャによるCore i5-11400Hを搭載する

 Core i5-11400Hのベースクロックは2.7GHz、ターボブースト時には最大で4.5GHzまで上昇する。第11世代のCoreプロセッサーは、昨年にモバイル用のTiger Lakeが登場しているが、Core i5-11400Hはその発展版ともいえるTiger Lake H45アーキテクチャに基づいた設計になっている。

 Tiger Lakeは内蔵するグラフィックス「インテル Iris Xe グラフィックス」の性能が、従来の内蔵グラフィックから大幅に上昇し、モバイルノートパソコンの汎用性を大きく変えた画期的なCPUだ。しかし、CPU単体での運用を想定している初期のTiger Lakeとは違い、Core i5-11400Hを始めとする最近リリースされたTiger Lake H45アーキテクチャのTiger Lakeは、ディスクリートGPUと一緒に運用することを想定しているため、内蔵グラフィックの機能が若干制限されていしまっている。

 初期のTiger LakeのCore i5は、「Core i5-1135G7」が広く採用されている印象で、内蔵グラフィックスの実行ユニット数は80だが、Core i5-11400Hのユニット数は16になっている。なおCore i5-11400Hに内蔵されているグラフィックスの名称はインテル UHD グラフィックだが、Xeアーキテクチャが採用されているので、性能面での心配は無い。

内蔵グラフィックはインテル UHD グラフィックだが、Xeアーキテクチャに基づいている

ディスクリートGPUはGeForce GTX 1650。専用ビデオメモリーは4GB GDDR6を搭載している

 先述したとおり、Core i5-11400HはディスクリードGPUと一緒に運営することを想定しており、本機はGeForce GTX 1650を採用している。ゲーム界隈ではエントリークラスに位置するGPUだが、フルHD表示でのゲームやMMORPGなど比較的軽めのゲーム向きになっている。

 4GBの専用ビデオメモリーを搭載しており、CPUへの負荷を軽減することで、クリエイティブ分野においては十分な性能を発揮することが可能だ。搭載しているCUDAコアによるハードウェアアクセラレーションも、実用的レベルで運用することができる。

 なおCPUとGPUともにハイエンドクラスではないこともあり、発熱の心配が減っているのもノートパソコンとしては大切な要素といえるだろう。可搬性の高い薄型ボディーを採用しているため、どうしても熱対策は大きな問題になるが、実用性をキープしたまま発熱を抑える手段としてはかなりいい組み合わせだと思える。

 試用機に採用されているストレージは、ADATA製のSSDでPCIe 3.0で接続されている。シーケンシャルリードは最大で約2500MB/秒、ライトで最大約1700MB/秒と十分な速度が出ていた。

シーケンシャルリードで最大2500MB/秒、ライトで1700MB/秒はPCIe 3.0接続なら十分速いといえる

 CPU単体の性能をチェックできる「CINEBENCH R23」で測定。動作中にタスクマネージャーを表示してCPUの動作状態をモニタリングしつつ、CoreTempで温度もチェックした。なおデフォルトで設定されている10分の連続動作で測定しているがこれはテスト開始10分間は連続してテストを行ない、10分経過後のスコアが測定され表示されるようになっている。これにより瞬発的な性能でなく、連続動作させて電力制限や温度による性能低下も含めた実用的なテストになっている。

クロックは最高で3.40GHz程度までの上昇が確認できた。テスト中のCPU使用率は終始100%付近だが、CPU温度は70度弱で安定しており、熱の心配もほぼない

マルチで7856、シングルで1476とかなりのスコア

 結果はマルチで7856、シングルで1476でノート向けのCore i5としてはかなりの好成績だ。これは一世代前である第10世代のCore i7-10750Hを上回るスコアだ。ちなみに同じTiger Lake世代でモバイルノートに多く採用されているCore i7-1165G7の約1.5倍くらいある。モバイル向けCore i5でありながらも、先代のモバイル向けCore i7に匹敵する実力を持っている高性能なCPUといえる。

 続いて、パソコンを運用するうえで様々な作業をエミュレートして実用的な性能をチェックできる「PCMark10」で測定を行なった。

スコアは5793。ノートパソコンでは十分に高いスコアが出た

 総合スコアは「5793」と、PCMark 10でも十分性能が高いことが確認できる。詳細を見ていくと、一般的な作業をみる「Essentials」で9520と、かなりの数値がでている。中でも、「App Start-up Score」は12817ととんでもない数値だ。

 ビジネス系の動作をチェックする「Productivity」で8358とこれも高く、「SpreadingScore」は5桁まで伸びている。クリエイター向けとして注目したいのが「Digital Content Creation」でこちらは6631。前の2つの数値が飛び抜けているのでパッとしないように感じるが、これも十分に高い数値で、Core i5とは思えない性能が出ているといえる。

 3DMarkの結果は、総合スコアが「3990」。詳細はGPUが「3703」で、CPUが「7134」とゲーム目的としては少し心もとない。しかし「raytrek」はあくまでもクリエイター向けであり、コンテンツ作成においては十分な性能といえるだろう。

総合スコアは3990、GPUが3703でCPUが7134

クリエイター向けのモバイルマシンにちょうどいい1台、本格的な動画編集もこなしたい人はワングレード上の「raytrek R5-TA6」も要チェック

 raytrek G5-TAは、ミドルレンジではあるものの、処理能力の高いCPUとコストパフォーマンスの高いGPUを組み合わせることで、発熱を抑えつつもいい具合に性能を引き出している。全体的にそつのない造りで、クリエイティブ系ユーザーにとってのスタンダートモデルといえるような1台だ。

 1世代前のノート向けCore i7に匹敵する性能を持つCPUを採用し、ディスクリートGPUを持つことで作業性は格段に高く、これで16GBのメモリーと512GB SSDを採用して11万9980円なのは、お買い得としかいいようがない。

 最初はCore i5搭載機なのでサブマシンに丁度いいだろうという考えだったが、ベンチテストをチェックしてみたら、メインマシンとしての運用も十分こなせる実力があると感じた。これからコンテンツ制作を目指す人にはもちろんだが、持ち出し可能なメインマシンのリプレイスを考えている人にもオススメしたいノートパソコンだ。

 なお、raytrek G5-TAでも動画編集は可能だが、より本格的に動画編集の作業をしたいという人には、Core i7-11800HとgeForce RTX 3060を採用する「raytrek R5-TA6」もオススメだ。こちらはraytrek G5-TAと比べて約2.1kgとわずかに重要は上がっているが、性能がグッと上がったのに加え、背面のType-C端子がThunderbolt 4端子になっているのが特徴だ。

 価格は17万9980円からと、raytrek G5-TAと比べると少し高価ではあるものの、持ち運びつつより本格的な動画編集が可能な1台となっている。動画編集などを職業にしている人、したい人は、こちらもチェックしてみてほしい。

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