オリジナルとは違っていた中古モトコンポ
今年の頭ぐらいに中古で買ったうちのモトコンポ。製造期間が1981年から1985年なので少なくとも36年落ち、下手すると40歳という中古っぷりです。
その間にいろいろと手を加えられていて、うちに来た時点でオリジナルとは異なっている点が3ヵ所ありました(第278回「中古のモトコンポにはオリジナルと違うところが『3つ』あった!」)。
これ、違うだけならいいんですけど、どれもちょっとずつ問題があったんですよね。
ひとつはサードパーティー製のリアキャリア。荷物の重量を薄いカウルが支える構造になっているため、強度的に厳しそうなので外しました。荷物を積むには便利なんですけど、バックパックを背負っていればそんなに使わないですしね。
もうひとつはバッテリーです。元の開放型バッテリーがシールドタイプに交換されていたんですが、充電電圧がコントロールされていないためシールドタイプだと破裂する危険性があったので、電圧を安定させるプチ改造をしました(第281回「中古のモトコンポにレギュレートレクチファイア装着! これで安心して乗れます」)。
塗装の補修が難しいので塗り替えます
3つ目は車体の色。元のカリビアンレッドという色から、メタリックな赤に塗り替えられていました。若い頃に買ったフェルナンデスのギターがキャンディーアップルレッドっていう色で、ちょうどそんなような色合いです。
すごくキレイな色だし塗装も丁寧だったんですけど、残念なことにキャリアの支柱が当たっている部分が削れてしまっていました。
塗装って一部だけ補修するのが難しいんですよね。周囲の色に合わせないといけなくて。特にこのモトコンポの場合、削れたところをよく見ると単にメタリックレッドを塗ったのではなさそうで、シルバーを塗ってその上からクリアレッドを吹き、さらにクリアを重ねているみたいです。これを真似するのは至難の業なので、丸ごと塗り替えることにしました。
純正色は赤、黄色、白があるんですが、せっかく塗り替えるのでそれらとは違う自分好みの色に変更しようと思います。
カウルは4分割されています
塗り替えるのはカウルの部分です。車体についたままでは作業ができないので、まずはカウルを外します。
モトコンポのカウルはトップ、左右、リアの4つに分かれています。これらのカウルを外したら次は塗装の下準備。MOTOCOMPOのロゴやあちこちにある注意書きはステッカーなので全て剥がします。塗装を削り落とすのに邪魔ですからね。
ロゴや注意書きはこんな感じがいいかなーと考えているのがあるので、ステッカーを自作しようと思っています。ステッカーを再利用するならそっと丁寧に剥がすところですが、捨てちゃうのでガンガン剥がします。
金属木工用では削れ過ぎてしまいました
次はいよいよ塗装剥がし。剥がさずに上から塗っちゃってもいいんですけど、リアキャリアの支柱が当たっていた所がヘコんでいるので、そこをパテで埋めたりしなくてはなりません。それよりは剥がした方がいいですよね。塗膜が厚くなるし、クリアの上に塗装すると食いつきが悪くて剥がれやすいですし。
塗装を剥がすのに迷ったのは、何を使うかという点。塗装剥がし剤という物が売られていますが、あれは金属用。カウルはプラスチック製なので、使うと表面が溶けてしまいます。かといって紙ヤスリで磨いていたらいつ終わるかわかりません。
で、ホームセンターであれこれ探して、使えそうなツールをいくつか買ってきました。ひとつは「BSフラップホイル」という製品です。
回転軸に紙やすりがたくさん取り付けられていて、ドリルに取り付けて回すとザリザリと削ってくれます。番手は#120。この数字は小さいほど荒くて、#120だとかなり荒々。
プラモだと#400、#800、#1000あたりを使うので、こんな荒いやつで大丈夫なのかなという不安もありますが、表面のクリアがかなり硬そうなんですよね。通常のペンキのクリアではなく2液ウレタン塗料なんじゃないかな。ちょっと引っかいても全然傷ができなかったので、本来はプラスチックに使う物ではありませんが、ガリガリ削るにはこれぐらい荒い方がよさそうかなと。
まぁとにかくやってみます。うちのはドリルじゃなくてインパクトドライバーなので、アタッチメントを付けて装着。リアキャリアの支柱が当たっていた部分はプラスチックが見えていたので、まずはそこを削ってみました。
削った赤のフチにチラチラッと光っているのがシルバーで、その下はメタリックレッドにリペイントされた時の下地のグレー。さらにその下に純正色の赤と続き、白っぽいのはメーカーで塗られた下地だと思われます。下から下地(白)→純正赤→下地(グレー)→シルバー→クリアレッド→クリアと6層に塗り重ねられているようですね。
不織布のタイプもプラには強力過ぎでした
結構いい感じに削れていったんですけど、やっぱりプラにはちょっと荒過ぎだったかもしれません。線状に傷だらけになってしまいました。このまま削り続けたら下地が傷ついてしまい、塗装しても傷が見えてしまいます。
もうちょっと傷が目立たない方がいいかなということで、別のを使ってみました。「BSスコーライトホイル」という研磨ツールです。
番手は少し細かい#180にしてみました。
不織布でできているのでガリガリ削る感じではなく、番手を上げたこともあって大きな傷ではなくなりましたが、まだ傷が目立つ感じです。これも金属、木工用なのでプラスチックには強力過ぎました。用途は守りましょうというところです。
番手は#240ぐらいがいいみたいです
小さいツールだと均等に削るのが難しいので、次は当たる部分の面積が大きめな物を試してみました。「ラバーパッド」と「ペーパーセット」で、パッドにペーパーをペタッと貼って使います。
BSフラップホイルと同じく紙ヤスリですが、今度は水平方向に回転するツールです。#60、#120、#240の3種類が入っていたので#120を試してみました。
#120はやっぱり強力過ぎました。そりゃ最初に#120で削れ過ぎたんだから当たり前ですよね。でも幅広く削れていくため、削った部分がまだらにならず均等に削れていってるのはいい感じ。番手を#240に変えてみます。
#240でプラスチックが出てくるまで削ってみたところ、かなりいい感じでした。傷は付きますがメタリックレッドのようにツヤツヤの塗装にはしないつもりなので、少しぐらいの傷なら目立たないので構いません。これも本来は金属や木工用なんですけど#240ならアリかなと思います。
ただ、問題もあって、紙やすりの直径に対してインパクトドライバーが長いためか、斜めになりがちなんですよね。少しずつ削るならいいんですが、広い面積を一気に研磨しようとすると結構慎重に真っ直ぐにしなくちゃいけなくて、時間がかかってしまいます。
インパクトドライバーが結構重いので片手で操作し続けるのもちょっと大変。というわけで、結局、専用ツールを買ってしまうわけです。
マキタのランダムオービットサンダを買いました
買ってきたのはマキタの「充電式ランダムオービットサンダBO180DZ」。研磨専用のツールです。
ランダムオービットサンダは全体が回転すると同時に細かく偏心運動をするため、速く研げるのが特徴です。また、削り粉を吸い込む吸じん機能があるので、掃除も楽ちん。
試してみると、細かく動くおかげで傷が目立ちにくく、水平に押し付けることができるので全体を均等に削れるのがいい感じです。
この調子で全体を磨いてみたんですけど、なんかトップと左右で塗り重ねが違うんですよね。トップは純正の赤の下から白っぽい色が出てきたのに、右は赤の下がグレーっぽい色、右は赤の下がいきなりプラスチックっていう。まぁ何十年も前のバイクなので、それぞれが別のモトコンポから持ってこられていて、バラバラに再塗装されてきたのかもしれません。
細かい部分は手作業で
ヘコんでいるところや丸い部分はツールでは削れないので、手でペーパーがけをします。
細かいところを削り終わったら塗料剥がしは終了。表面に削りカスが残っているので水洗いして乾燥させます。
すべて完璧に剥がせたわけではなく大半に色が残ってしまいましたが、これ以上削るとそこが凹んでしまいそうなんですよね。表面はほぼ平らですし、このあと下地剤を塗るのでこれで良しとします。裏側は凸凹していて削れないので手をつけず、このまま塗っちゃいます。
まぁ、これで十分だろなんて思ったのは大きな間違いで、あとでやり直すハメになるんですけどね。でもまずは作業完了です。次回は塗装を行ないます。
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