2021年8月31日、Coltデータセンターサービス(Colt DCS)はIT電力供給量45MWを誇るハイパースケールデータセンターである「Colt京阪奈データセンター」を発表した。サービス開始は2023年初旬を予定する。
関西の学術都市に45MW供給のデータセンター
データセンター運用で25年以上の歴史を持つColt DCSはヨーロッパとアジアの18カ国、26箇所において、コロケーションに特化したデータセンター事業を展開。ヨーロッパは、イギリス、スペイン、オランダ、ベルギー、デンマーク、ドイツ、フランス、イタリア、スイスの9カ国で、アジアはインド、香港、そして日本。このうち日本は旧KVH時代から首都圏にデータセンターを展開しており、なかでも千葉県の印西には3つのデータセンターを抱えている。
今回発表されたColt京阪奈データセンターは同社初となる関西地区のデータセンターで、研究開発活動を前提とするけいはんな学術研究都市に建築される。Colt TierⅢに準拠した設計となっており、施設面積は4万2000㎡。500~1000㎡のデータホール、1万5000㎡のホワイトスペース、2000㎡のオフィス・倉庫区画を抱える。また、ハイパースケールデータセンターとして重視されるIT電力供給量は45MWに達する予定。昨日8月30日に地鎮祭が行なわれて建設が着工し、サービス開始は2023年初旬を予定する。
ハイパースケーラー集まる印西 急成長を遂げるムンバイ
Colt DCSの日本でのデータセンター事業の展開は、7月に発表された大手資産運用会社のフィデリティ・インベストメントと三井物産との合弁事業として行なわれる。今回発表された京阪奈データセンターに加え、2024年にサービス開始予定の印西4(開発ステージ)、2025年初旬に開始予定の東京5(土地取得の最終ステージ)もこの合弁事業の一環として進められるという。
電力供給力の高いハイパースケールデータセンターの需要は日本でもきわめて高く、印西3は2020年11月のオープン時にはほぼ完売となっている。Colt DCSバイスプレジデント、APAC代表のポードレイグ・マコーガン氏は、「ハイパースケーラーの成長は5年前には予測されていた。既存顧客のスペースの利用率も上がっており、タイムラグなしにサービス立ち上げが進んでいる」と語る。
現在は110MWのキャパシティだが、新規データセンターの建設、既存サイトの追加やスペース調整などを経て、610MWにまで拡大する予定で、将来的には940MWを目指す。欧州では100%再エネ可能なエネルギーを採用しており、サステイナビリティにも注力するという。
なお、マコーガン氏は国内のデータセンター集積地である印西と、急成長を遂げるインドのムンバイとの類似を指摘。同時期にスタートした印西とムンバイが今や同等のハイパースケールデータセンター数を抱える規模になり、日本やAPAC地域での成長を牽引するという見方を披露した。