「海鮮ごろごろシーフードクリームキーマカレー」
松屋
850円
https://www.matsuyafoods.co.jp/matsuya/news_lp/210824.html
キーマとシーフードのあわせ技
こんなご時世ですので、テイクアウトを利用することが多いのですが、空いている場合は店頭で食べるときもあります。手はしっかり消毒し、マスクは食べる時だけサッと外し、食べ終わったあとの「ごちそうさま」も言わず、店員に会釈する程度にとどめています。
そんな情勢では、黙食で済ませられる牛丼チェーンなどは利用しやすく、それゆえに新商品も気になるところ。松屋は「海鮮ごろごろシーフードクリームキーマカレー」を8月24日から発売しています。みそ汁付き、850円。
8月17日から発売中の「海鮮ごろごろシーフードカレー」に続く「夏のシーフードカレーフェア」第2弾。
刺激的なスパイスとひき肉の旨味が詰まったという本格派キーマカレーに、海鮮の旨味が感じられるとうたうホワイトソースをあわせたキーマ×シーフードのカレー。ミンチも海鮮もごろごろの、ぜいたくな逸品に仕上がっているとのこと。
発売を記念して、9月7日までライス大盛無料サービスの対象となります。また、同額でテイクアウトも用意。ただしテイクアウトの場合、みそ汁は付きません(別途60円で購入できます)。
キーマ自体はいいのだけれど
バランスがよろしくないかも
海鮮ごろごろシーフードクリームキーマカレー。長い名前ですが、見ての通りです。キーマカレーとシーフードクリーム(ホワイトソース)がのっているわけです。まさしくここは戦場、キーマとシーフードの関ヶ原の戦いなのであります。
まずはキーマカレー。松屋のカレーらしいというか、しっかりした濃いめの味で、辛さやスパイシーさはそこまでではないものの、ライスと一緒に食べる、という点ではバランスがよい。
このキーマカレー部分は、なかなかよくできている。本場のインドカレー店と比べれば足りないところはあるかもしれませんが、やりすぎない辛さ、ひき肉の旨味とコク、カレーとしての土台があるしっかりした仕上がりになっていて、うーん、さすがは松屋だと感心させられます。
シーフードクリームは、まあ、シチューっぽいですね。ホワイトソースのシチュー。海鮮の旨味もありますが、こちらも味が濃い。“ごろごろ”とうたうだけあって、イカやエビが大きめのサイズで入っているのはうれしいところでしょう。
ネット界でさんざんコスられた「シチューはごはんに合うか?」という疑問を抱く人がいるかもしれませんが、強めの味付けなので、ごはんと一緒に食べるために開発されたことはわかります。ただ、完成度自体は、キーマカレーほどではないかも。
食べてみて、すこし問題だと思った点は、キーマカレーとシーフードクリームがあまり合わないことです。
キーマカレーはともかく、シーフードクリームは普通のシチューとして考えると、味が濃いんですよね。汁物としてではなく、ごはんと一緒に食べる味付けになっている。それ自体は問題ないのですけれども。
ただ、キーマカレーもシーフードクリームも「濃い」ので、ちょっと主張が強いというか、交互に食べると押しが強すぎるというか……。個人的にはキーマカレーを「シーフードカレー」と組み合わせて2つのカレーが楽しめるようにする……などのほうが、収まりがよかった気がします。
両者が混ざり合うことで、変な味にはならないものの、刺激で食べさせるキーマカレーと、塩気でごはんを進めさせようとするシーフードクリームが、ただただ別物としてある。マリアージュがない、と書くと気取りすぎでしょうか。カレーとクリームにマリアージュというのも変な話ですが。
2つの味が楽しめるアイディア自体はよかったものの、シーフードクリームの仕上がり(というか、キーマカレーとの組み合わせ)に、やや不満があるというのが正直なところ。
そして850円という価格も、すこし高めかなあ……。なんというか、もっとよいバランスがあったのではないか、と考えてしまいます。クリーム部分の味をもっとキーマカレーに合わせるとか、700円台に収めるとか。
あくまで個人的な観点ですが、バランスに疑問が残り、ちょっとオススメしにくい部分もあります。キーマカレー自体は悪くないので、ここを活かした新メニューが出てくれば、強く推せるのですが……。いかがでしょうか。
モーダル小嶋
1986年生まれ。担当分野は「なるべく広く」のオールドルーキー。編集部では若手ともベテランともいえない微妙な位置。一人めし連載「モーダル小嶋のTOKYO男子めし」もよろしくお願い申し上げます。
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