映画、海外ドラマ、アニメ、オリジナル作品など、今や、インターネットを通じて数多の映像コンテンツが好きな時に好きなだけ見られる時代。4KやDolby Atmos対応など、高画質・高音質コンテンツも増えています。一方で、テレビ自体も画質・音質面で機能・性能が進化しながら、大画面モデルの価格がこなれてきており、フラグシップモデルも手に届く範囲になってきました。今まさにテレビが買い時です。
テレビが迫力の高音質サウンドを搭載し始めた
今、AV家電でいちばんの注目株といえるのはやはり有機ELテレビでしょう。大画面モデルの価格がお手頃になりつつあり、液晶のハイエンドモデルと直接比較されるレベルにまでなってきました。一方で、有機ELならではの映像の美しさはさらなる進化を遂げており、1世代異なるだけで別物と感じるくらいカラフルかつ深みのある描写を実現していたりします。
そんな最新有機ELテレビのなかでも、『推し家電』として特にイチオシといえるのがパナソニックのビエラ「JZ2000シリーズ」。同機は映像表現の素晴らしさに注目が集まっていますが、イチオシの理由は、映像の美しさはもちろんのこと、薄型テレビとしては格別の豊かな音場表現を持ち合わせていることです。前向きスピーカー3chに加えて背面に上向きのイネーブルドスピーカー、横向きのワイドスピーカーを搭載し、5.1.2ch構成となった立体音響システムによって、左右だけでなく上下にも広がり感のあるサウンドを実現しました。Dolby Atmosなどにも対応しているので、広がり感と立体感のある迫力のサラウンド音響を楽しませてくれます。
(パナソニックのビエラ「JZ2000シリーズ」はアスキー推し家電大賞2021の8K/4Kテレビ部門(有機EL)2位を受賞)
薄型テレビ単体で、サウンドバーなどの製品を追加することなくここまで豊かな音場表現を楽しめるのは、いまのところこのJZ2000シリーズだけ。さらに、テクニクスの音響思想を取り入れたというサウンドチューニングも加わり、音質的にもテレビ内蔵スピーカーとしては格別の良好さを持ち合わせています。テレビ本体のみでここまで良質なオーディオビジュアルを楽しめるのは、大きな魅力といえるでしょう。映画はもちろん、音楽ライブ、スポーツ中継でも、まるでその場にいるような臨場感が味わえます。ドラマやニュース番組のセリフの聴き取りやすさも特筆に値します。
もちろん、映像に関してもJZ2000シリーズは素晴らしいの一言。有機ELテレビならではの色合いの自然さを保ちつつ、(液晶テレビに対してやや劣っているといわれている)明るさやコントラスト表現も上々。この映像美だけでも“買い”といえる魅力を持ち合わせています。このようにJZ2000シリーズは、音と映像の素晴らしさ、設置のスマートさと、総合力の高さも持ち合わせています。10年サイクルの買い替えとしてはもちろん、ここ数年に登場した製品の買い替え候補としても大いに魅力ある、完成度が高くとても優秀な製品だと感じます。
有機ELテレビは、高い注目の集まるジャンルだけに、そのほかにも優秀な製品が多々あります。そこでもうひとつ、『推し家電』に相応しい製品を紹介します。それは、ソニーのブラビア「A90Jシリーズ」。
(ソニーのブラビア「A90Jシリーズ」はアスキー推し家電大賞2021の8K/4Kテレビ部門(有機EL)1位を受賞)
人間の目で見たときのように自然に感じる映像を作り上げるという、AI技術を用いた認知特性プロセッサー「XR」による画像処理が行なわれています。これがなかなかの優れもので、まばゆい輝きを持ち、それでいてリアリティがある映像を楽しませてくれます。この映像表現だけでも、大いに購入意欲をそそられます。
もうひとつ、音声に関してもA90Jシリーズは独自の魅力を持ち合わせています。ソニー製有機ELテレビは、ずいぶん以前から画面スピーカーシステムを採用しており、映像の位置にマッチした定位表現が好評でしたが、A90Jシリーズでは音のフォーカスがさらによくなり、とても自然な音場表現に感じられるようになりました。例えば、ドラマなどで複数の役者が話している声が、それぞれの顔の位置から聴こえてきます。こういった定位の自然さも、いちど味わってしまうと離れられない大きな魅力となっています。
サウンドバーの人気が再燃
最近のテレビはベゼルがどんどん薄くなっていますが、その反面、スピーカーの設置スペースがシビアになっています。そのため、迫力のサラウンド音声を楽しもうとすると、どうしてもサウンドバーと呼ばれる外付けスピーカーが必要となってきます。逆に言えば、これひとつ導入するだけで迫力のサウンド表現が楽しめるのは、手軽さの面でもありがたいかぎり。そういった便利さもあってか、今またサウンドバーのブームが訪れています。
現在、様々なメーカーから幅広い価格帯のサウンドバーが登場していますが、その中でも魅力的な製品、『推し家電』に相応しい製品といえるのが、JBLの「Bar 5.0 MultiBeam」です。映像配信サービスのDolby Atmos音声を存分に楽しめるHDMI eARC、Dolby Vision対応のUHD 4Kパススルー、Chromecast built-inほか、AirPlay2/Alexa Multi-Room Music(MRM)の音楽ストリーミングに対応しているなど、最新モデルならではの充実した機能性を持ち合わせています。
さらに素晴らしいのが、立体的で広がり感の大きいサラウンド表現。JBL独自のMultiBeamシステムを搭載し、測定マイクを使用した自動音場補正で最適化することによって、サウンドバーとは思えないほどの緻密さを持ち、左右や奥行き方向に大きく広がった音場空間を作り上げてくれるのです。4万円前後という価格帯でここまで良質なサラウンド表現を楽しませてくれる製品はそうそうないでしょう。さらに、80mm×48mmレーストラックスピーカードライバーを5基、75mm口径パッシブラジエーターを4基というスピーカー構成を採用することで、立体的な音場に加えて、迫力のサウンドも楽しませてくれます。とても迫力のある、それでいて使い勝手のよい、なかなかに秀逸な製品です。
Bluetoothで手軽にレコードが聴ける時代
音楽はストリーミング配信を利用して、手軽にスマートフォンで楽しむ時代となりましたが、その一方で、アナログレコードの魅力も再認識されています。そんな時代にピッタリなのが、Bluetooth機能を搭載したアナログレコードプレーヤーです。スマートフォンに使っているイヤホンやスピーカーと接続すれば、今ある環境でも手軽に、それでいてアナログレコードならではの自然なサウンドを存分に楽しむことができるのです。
そんな、Bluetooth機能搭載の最新アナログレコードプレーヤーの中でも『推し家電』に相応しいイチオシの製品を紹介しましょう。それがHouse of Marley「STIR IT UP WIRELESS TURNTABLE」です。同社は、高名なレゲエ・ミュージシャンであるボブ・マーリーの愛や音楽、自然や生命に対するリスペクトを表現しているという個性派のオーディオブランドで、竹やリサイクルシリコン、再生可能なアルミニウム素材、織地など、環境に配慮した素材によって製品作りを行っています。「STIR IT UP WIRELESS TURNTABLE」も天板に竹素材を採用する独得の外観を持ちつつ、Bluetooth機能やヘッドホンアンプ出力など、いまの音楽ライフにマッチする機能も持ち合わせています。
そして何よりも、良質なサウンドが魅力。アナログレコードプレーヤーは一般的に無骨なデザインの製品が多く、音質を追求するとどんどん高額になっていってしまう傾向があったりします。スマートなデザインの製品や低価格製品も存在しますが、音質的にオススメできる製品がほとんどありません。その点、「STIR IT UP WIRELESS TURNTABLE」は、デザインのスタイリッシュさと音質が絶妙なレベルでバランスがとれており、アナログレコードが持つ耳馴染みのよい自然な音を、手軽に存分に楽しませてくれるのです。また、Bluetooth接続だけでなく、Phono/Line切り替え可能なRCA出力も用意されていますので、将来的なグレードアップも可能です。「STIR IT UP WIRELESS TURNTABLE」で手軽にアナログレコードを再生して、音楽の楽しさを存分に堪能してほしいものです。
まだまだ外出自粛ムードは続きそうです。そうした世情を捉えてか、映像配信サービスおよび音楽配信サービスがかなり充実してきています。大画面と迫力の音響を手に入れ、在宅時間を楽しく有意義に過ごしましょう。
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