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総務省、ガイドライン改正で10月以降は例外を除いてSIMロック禁止

2021年08月10日 19時30分更新

文● ASCII

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 総務省は10日、改正した「移動端末設備の円滑な流通・利用の確保に関するガイドライン」および、「eSIMサービスの促進に関するガイドライン」を策定して、公表した。

例外的なケースを除いて原則SIMロックは禁止
インターネットでの24時間ロック解除受付も求める

 総務省では、昨年11月から携帯キャリア間の乗り換えを円滑化するための取り組みについて検証する「スイッチング円滑化タスクフォース」を開催。5月には報告書が出されている。この報告書に基づいて、前述の2つのガイドライン案を作成して、パブリックコメントを募集。今回正式に公表された流れとなる。

 まず、「移動端末設備の円滑な流通・利用の確保に関するガイドライン」においては、SIMロックは「事業者間の競争を阻害する効果を有する」と明確に表現し、「SIMロックの原則禁止」をうたう。そして、SIMロック以外の手段で割賦代金の不払いなどを防ぐことが可能にも関わらず、SIMロックを設定する行為を例外的なケースを除いて(その場合も総務省への確認が必要)禁止。SIMロックを設定する場合はユーザーへの積極的な告知、またSIMロックの設定が不要になった場合は手続きなど無しに無料でSIMロックを解除することを求めている。

 さらに、SIMロック以外の機能制限を正当な理由無しに端末に設定する場合は、SIMロックと同様の考え方が適用され、ガイドラインに準じて対応することが求められるとしている。

 なお、この「SIMロック原則禁止」のガイドラインは10月1日からの適用で、それ以前に発売された端末は2023年9月末までは現行ガイドラインが用いられる(ただし、インターネットでのSIMロック解除の申し込みは2022年5月以降は終日受け付けることが求められる)。

 一方の「eSIMサービスの促進に関するガイドライン」では、eSIMの促進のために、事業者側が対応すべき項目が記されている。具体的には「技術的・経済的に著しく困難であるなどの正当な理由無く、eSIMの提供を行なわないこと」が業務改善命令の要件に該当しているとするほか、MVNOがeSIMサービスを提供するためにRSP機能(リモートSIMプロビジョニング)を開放すること、また他の手段でeSIMを提供したいと考えたMVNOと真摯に協議することを求めている。

 また、ユーザーがeSIMサービスを利用するための情報提供やサービス体制の充実、セキュリティーの確保などもMNOに求めている。

対応周波数が特定キャリアに特化したスマホについて
総務省は「状況を注視していく考え」とコメント

 両ガイドラインに対しては、パブリックコメントが多数寄せられているが、特に楽天モバイルの意見が目立っている。同社は「SIMロックを設定することが例外的に必要」「SIMロック以外の端末に設定された機能制限の確認」などの際に公開の場における丁寧な議論を求めているほか、「一定以上のシェアを有する端末メーカーに対し、対応周波数や通話・データ通信機能について、すべてのMNOへの対応を義務付け」などを要望している(総務省は「参考として承ります」と回答)。

 また、一部のAndroidスマートフォンにおいて、対応周波数が販売するキャリアに特化しているケースについては、個人から「SIMロックと同様に問題がある」と意見が出されており、これに対して「端末の対応周波数帯等について、利用者の権利を制限し、競争を阻害する効果がないか、状況を注視していく考えです」と、もう少し踏み込んだ形での回答をしている。

 

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