各種ベンチマークで性能をチェックWQHDでも超快適なゲームプレイを実現
起動しているか疑うレベルの静音かつ高負荷なゲームプレイも快適なゲーミングPC「Silent-Master NEO B550A」
2021年07月30日 12時00分更新
静音性に優れたファンとケース、そして絶妙な配置や組み立てによって高い静音性を実現しているのが、サイコムの「
Silent-Master NEO B550A」。とくに低負荷時の静音性は水冷パソコンを超え、電源が入っているのを疑うレベルにまで達している。
しかし、いくら静かであっても、性能がともなわなければ意味がない。前回は主にパーツ構成、パソコンの内部について紹介したが、今回はSilent-Master NEO B550Aの性能面からチェックしていこう。
Silent-Master NEO B550Aの主なスペック | ||
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標準スペック | 試用機のスペック | |
CPU | Ryzen 5 3600 | Ryzen 9 5900X |
CPUクーラー | Noctua NH-U12S | |
マザーボード | ASRock B550 Steel Legend | |
グラフィックス | GeForce RTX 3060 | GeForce RTX 3070 |
メモリー | 8GB | 32GB |
ストレージ | 480GB SSD(Crucial CT480BX500SSD1) | 512GB SSD(Intel SSD 660p Series) |
内蔵ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ | |
通信規格 | 有線LAN(1000BASE-T) | |
OS | Windows 10 Home(64bit) |
定番ベンチマークソフトを使って性能をチェック
総合性能、CPU性能、3Dグラフィックについて、定番のベンチマークソフトで性能をみていこう。CPUがRyzen 9 5900X(12コア/24スレッド)、ビデオカードがGeForce RTX 3070というハイエンド寄りの構成となるため、スコアはすべて高レベルとなっている。
まずは総合性能として「PCMark 10」から試していこう。このベンチマークソフトは、アプリの起動速度やビデオ会議、ブラウザーの性能などを測る「Essentials」、オフィスソフトなどの性能を見る「Productivity」、動画や写真編集、CGレンダリング性能などをチェックする「Digital Content Creation」という、大きく3つのテストで構成されているものだ。
総合スコアは7982で、ハイエンドらしい結果となっていた。とくにスコアが高かったのはDigital Content Creation。これは、Ryzen 9 5900Xが12コア/24スレッドという高性能なことの影響が大きい。膨大な計算処理を行なう用途では、コア数が多ければ多いほど有利になりやすからだ。
続いて、CPUの性能をチェックするため「CINEBENCH R23」の結果をみてみよう。このベンチマークソフトは、CGレンダリング速度からCPU性能を測ってくれるもので、結果は独自スコアとなるptsという単位。スコアが高ければ高いほど、高性能なCPUとなる。
結果は、すべてのコアを使用するMulti Coreで20880pts。手元の過去データと比べてみると、インテルのCore i9-11900Kの場合で14814ptsとなっていた。Core i9-11900Kは8コア/16スレッドとなるものの、CPU単体価格ではRyzen 9 5900Xとほぼ同じとなっているため、いかにRyzen 9 5900Xのコスパが高いかがよくわかる。
ただし、シングルスレッド性能となるSingle Coreは1606ptsで、Core i9-11900Kの1677ptsにはあと一歩及ばなかった。とはいえ、これでも十分な性能がある。
3Dグラフィック性能は、「3DMark」「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」(FFXVベンチ)でチェック。「3DMark」はテスト内容の違いで複数あるが、まずは標準となる「Time Spy」の結果をみてみよう。
このテストはDirectX 12を使ったもので、解像度はWQHD(2560×1440)。ミドルクラス以上のビデオカードを搭載していないと、やや厳しいものとなる。
ハイスペックなゲーミングパソコンなだけに、スコアは高め。これだけの性能があれば、ほとんどのゲームは高画質設定のまま、WQHDの解像度でも快適に遊べることは間違いない。
なお、DirectX 11世代となる「Fire Strike」、レイトレーシングテストの「Port Royal」など、ほかのテスト結果もまとめてグラフにしておいたので、PC性能を見比べたいときの参考にしてほしい。
もう1つ、3D性能をみるテストとして、より実ゲームに近い「FFXVベンチ」の結果をみていこう。公開されてからだいぶ時間は経つが、今でもベンチマークソフトとして重ためな部類となる。
設定はプリセットの「高品質」を選択。解像度は1920×1080ドット(フルHD)、2560×1440ドット(WQHD)、3840×2160ドット(4K)の3パターンで行ない、すべてフルスクリーンで表示している。
結果は、4K解像度でも評価が「やや快適」と、十分遊べる範囲になっていた。MMOやシミュレーションであれば4Kでも問題ないが、FPSとなるとシーンによっては多少厳しいこともありそうなので、ストレスなく遊びたければ、WQHDを選んでおくといいだろう。
最新版FFXIVベンチ「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」を試す
さらに、負荷としては軽いのだが、7月に公開されたばかりの最新版「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」の結果も紹介しておこう。
スコアーの算出方法などに大きな変更は内容だが、テスト内容が変更されていること、また、スコアからの評価が見直されているというのが大きな違いだ。
例えば旧版ではスコアが7000以上あれば「非常に快適」という評価になっていたが、最新版では「やや快適」(スコア6000~7999)と、だいぶ辛口な評価となる。「非常に快適」になるには、15000以上が必要だ。
試しにフルHDで新旧両方のテスト(画質設定は最高品質)を行なった結果をみてみよう。
評価が辛口になっているといっても、今回の構成はフルHDの解像度では余裕があり、文句なしに「非常に快適」という評価になっていた。
解像度を高くするとどう変化するのか気になったので、最新版だけだが試してみたところ、WQHDではスコアが20461で評価は「非常に快適」、4Kではスコアが10922で評価が「快適」となった。
この結果をみる限り、FFXIVクラスの軽量ゲームであれば、4Kでも快適に遊べることは間違いないといえる。
長時間パソコンを使う人であれば、静音性は最重視したいポイント
今回は性能を中心にチェックしてきたが、静音パソコンとはいえ、3Dゲームを遊ぶにも十分な性能があることが確認できた。
いくら本人が騒音を気にしないといっても、パソコンを使っていない家族までがそうとは限らない。それだけに、静音性はパソコンの性能と同じくらい……場合によってはそれ以上に重視したいポイントだ。
轟音パソコンに悩まされてきた人や、静音化のためにあれこれパーツを交換してきた経験がある人であれば、きっと満足できるに違いない。そんな理想の静音パソコンの1つが、このSilent-Master NEO B550Aといえるだろう。
