同じ店舗でありながら、二つの顔を持つお店が増えてきています。
夜は居酒屋などを本業として営業して昼はラーメンを提供する「二毛作」スタイル、居酒屋などの営業時間外にその店舗を借りてラーメンを提供する「間借り」スタイルなどがあり、現在人気ラーメン店となっている「立川中華そば ととホンテン@立川」「初代 修@国立」「らーめん チキント@立川」「UMA TSUKEMEN@西武立川」なども「二毛作」や「間借り」からスタートし、後にラーメン専門店となりました。
店舗を運営するにおいても無駄がなくなり、ラーメン店を新規開店するよりもリスクが少なく力試し出来るwin-winな関係性のため近年増えてきましたが、今回のコロナショックにより、このスタイルを取り入れてラーメンを提供するお店が更に急増した印象を受けます。 今回は、そういった「二毛作」「間借り」営業しているオススメのお店を紹介します。
空の青とひまわり畑@上北台
今年に入って休業されている沖縄料理店「浜風食堂」を利用し、ランチタイムのみ営業するラーメン店として5月にオープンしたばかりの「空の青とひまわり畑」。
名店「中華そば 青葉 八王子店」出身でありながら、青葉とは全く違ったラーメンで勝負しています。
京都の地鶏「丹波黒どり」を使用したという無化調の清湯系醤油ラーメンは、出汁の旨味を濃縮したかのような力強い味わい。風味高く厚みのある醤油や、鶏油のコクと心地良いこってり感がバランス良く合わさった一杯で、とても間借りの新店とは思えないクオリティの高さを感じます!
大柴@拝島
拝島の人気店「焼鳥おおしば」系列の新館「串焼き処 大柴」が、東中神の人気店「めだかTANTAN」とコラボし、ランチタイムでラーメンを提供する二毛作営業を6月よりスタート!
担担麺の人気店「めだかTANTAN」が監修した「鶏塩汁なし担担麺」は、「めだかTANTAN」で出しているものと比べるとややあっさりで、麻辣感も控えめで食べやすい仕上がりになっていますが、その分「鶏」の味わいを楽しめ、多くの人が受け入れやすい麻辣感を楽しめます!
他にも「めだかTANTAN」監修のメニューや、串焼き店「大柴」ならではのメニューも楽しめます!
Sunday Dining おや麺@立川
「餃子ダイニング こゝろ」の営業時間外である日曜日の昼のみラーメンを提供する二毛作営業という形で、今年3月7日にオープンしたお店。
昨年閉店してしまった立川の家系ラーメン店「麺屋 はやぶさ」の元店長で、現在「こゝろ」のスタッフである小山(おやま)さんによるラーメン店ということで屋号は「おや麺」とし、毎回違った創作ラーメンが提供されています。
ゆくゆくはラーメン専門店として店舗を構える計画もあるとの話で、これからも目が離せないお店!
私が4月に頂いたラーメンは、喜多方ラーメンをモチーフに小山さんのオリジナリティを加えた一杯でした!
鶏そば バード軒@東村山周辺
自店舗を持たずに間借り営業する鶏白湯ラーメン専門店として、昨年12月2日に開業。
「鶏白湯そば」の少しトロンとしたトロミを持ったスープは、優しい口当たりながらも濃度は高く、ベジポタやシチューを思わすようなポテポテしたタイプで、鶏の風味や旨味を存分に楽しませてくる一杯。数ある鶏白湯ラーメンの中でも上位クラスの味わい!
今後はデリバリー専門店として営業していき、対面販売は東村山・小平・国立辺りのレンタルキッチンでの提供を予定しているとの事で、この先の展開が楽しみです!
鶏そば 山もと@三鷹
三鷹の焼鳥店「焼鳥 山もと」の営業時間外である、平日の11時30分~13時30分のみラーメン店として営業する二毛作スタイルで、2018年10月2日にオープンしたお店。
鳥取大山鶏のガラや丸鶏を使用したスープに、魚介や自家製鶏節を合わせたという醤油ダレを使用した無化調のラーメンは、上品できつさが無く、それでいて奥深く力強さのあるふくよかな旨味が感じられる上質な一杯!
鶏のスペシャリストだけあって、鶏を巧みに扱っています。
ラーメン やのけん@矢野口
昼はラーメンで夜はバルという二毛作スタイルの営業(日曜のみ夜もラーメン店として営業)で、2018年10月29日にオープンしたお店。
ぽってりした高い粘度と唇がベタつくような濃厚さの動物系スープをベースに、ガツンと力強くもキツすぎない煮干しの味わいが合わさった、インパクトがありながらも食べやすい一杯!
タンメン うな瀧@東中神
うなぎを提供する小料理屋「うな瀧(うなろう)」が、2006年頃から昼にタンメンと餃子を提供する二毛作スタイルに。
東中神界隈では伝説となっている「寶来」の「陳さんのタンメン」の味を継承したタンメン!
あっさりした優しい出汁感と強めの塩気を感じるスープに、半生仕上げの特徴的な麺を合わせ、ドッサリ入った白菜を楽しめるクセになる一杯!
冷やし中華専門店 HiyaChu@吉祥寺
吉祥寺の地中海料理店「ダ・メオ・パタカ」の店舗を間借りする形で、昨年4月に営業を開始したお店。
サラダを思わすような綺麗なビジュアルに麻辣感を効かせた独創的な冷やし中華「グリーンソース」を筆頭に、他では食べることの出来ないオリジナリティ溢れる多種の冷やし中華を楽しめる「冷やし中華専門店」!
東京中華そば 里見@府中
「串揚げ居酒屋 五郎」の営業時間外である昼のみ、ラーメン店「東京中華そば 里見」として間借り営業するスタイルで、昨年2月24日にオープンしたお店。
居酒屋のご主人は「鳥居式らーめん塾」の第23期卒業生で、この「里見」の店長は26期卒業生で甥っ子さんという間柄。そんなラーメンファミリーが繰り出すラーメンは、煮干しを主体とした魚介系ベースながらガツンとしたインパクト重視ではなく、香味油やタレの味もしっかりと楽しめるバランス型で、他ではあまり見かけない「なめこ」をトッピングに用いて特徴を出した一杯!
担ぎ屋@立川
鴨と肴を楽しめる居酒屋「担ぎ屋」が、油そば・担々麺・ラーメンをランチタイムのみ提供する二毛作スタイルを、昨年3月からスタート。
お店イチオシの「鴨油そば」は、鴨油や鴨挽肉の旨味が凝縮された味わい深いタレに、平打ちの麺が合わさったクセになる一杯。 元祖・塩・醤油と3種類のタレが用意されていて、他にも担々麺やラーメンも楽しむことが出来ます!
間借りらーめん かぶと@吉祥寺
カレー店「レインボウスパイス食堂 かぶと」の店舗で、週末の金・土・日のみラーメン店として営業する二毛作スタイルの「間借りらーめん かぶと」として、4月3日にオープン。
国内でもトップクラスの高品質な鮪を取り扱う、豊洲市場「まぐろ藤田」の鮪を使用し、鶏は国産鶏にこだわったという白湯スープは、サラッとした口当たりながらも濃厚感があり、鮪の味と風味がガツンと来るインパクトのある味わいのオリジナリティ溢れる一杯!
最近のラーメン店は外装や内装にもこだわり、提供するラーメンのコンセプトと合わせるお店も多いですが、二毛作や間借り営業の場合はそういった雰囲気補正が無く、ラーメンの味とお店の雰囲気との間にギャップすら感じる事も多いですが、そういった一般的なラーメン店とは違った雰囲気を楽しみつつ美味しいラーメンを堪能できる、オススメのお店ばかりです!
※新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策により、営業日・営業時間・営業形態などが変更になる場合があります。詳しくは各店舗にご確認ください。
ZATSU
2006年に開設したブログ「ZATSUのラーメン」の管理人。武蔵野・多摩地区を中心にしたラーメン食べ歩きを始めて15年以上。現在は年間400〜500杯程度を食べ、新店コレクターでありながらも老舗店やリピートするお店も多数あり。チェーン店からファミレス、カップ麺までも愛する真性の「ラーメン好き」で、基本的に何でも美味しく食べられる幸せ者。「自分の好みのラーメンを見つけて欲しい」と言う思いをモットーに色々なラーメンを紹介していきます。
本人ブログ(https://zatsu-ke.blog.jp/)
本人Twitter @zatsu_ke