ソニーは6月23日、ディスプレーソリューションのメディア向け内見会を開催した。日本初披露とする新世代の「Crystal LED」パネルや業務用プロジェクターなど、大画面・高画質のディスプレーニーズに応える製品群が一堂に展示されていた。
ソニーは個人向けのテレビ製品だけでなく、法人や業務用途、パブリック用途のディスプレープロジェクターにも注力しており、ラインアップは32インチからの法人向けブラビアから、Crystal LEDを採用し、200インチを超えるC-series B-Seriesまで多岐にわたる。用途も映像を楽しんだり、情報を伝えたりするだけでなく、縦横数10mの大きさで空間を演出する用途までカバーしている。
その核には民生機や業務用機で培った高画質のノウハウが生かされている。
例えば、ベゼルがなく巨大なLEDの壁が作れる「Crystal LED」パネルは、空間に溶け込むデザインを重視したCシリーズがあり、最大100万:1のディープコントラスト技術を採用。また、バーチャルプロダクションでの利用を想定したBシリーズは外光反射を抑えた表面処理によって広色域/高輝度(1800cd/m2)を実現している。両シリーズとも1.26mmと1.58mmのピッチサイズを用意し、映像処理にはX1 for Crystal LEDという専用開発のプロセッサーを用いる。
大型の曲面スクリーンやジオラマなど立体物への投影ができる4K SXRDレーザー光源プロジェクターの「VPL-GTZ380」は1万ルーメンの高輝度、DCI-P3対応の広色域、ネイティブ4K投影、1万6000:1の高コントラストを実現。51kg/39dBとこのクラスでは軽量コンパクトで静音な仕上げとなっており、スタック使用にも対応している。X1 Ultimate for Projectorによる高画質処理も特徴だ。
法人でも引き合いが増えているブラビア
法人向けブラビアは、サイネージや会議室からハドルスペースまで多様な用途と予算に合わせたラインアップを誇る。サイズは32~100型が選べ、XRプロセッサーを採用したBZシリーズなども用意している。
また、ビジネスプロジェクターについては、3LCDレーザー光源ディスプレーを持つ「VPL-FHZ7」14台を連結してジオラマを再現するといった小田急ロマンスカーミュージアムの採用事例もある。
ほかにも、裸眼3Dを実現する“空間再現ディスプレイ”として注目を浴びた「ELF-SR1/BZ」はクリエイションだけでなく、医療分野での応用も注目されているという。輪切りにしたCT映像だけでなく、立体的に人体の状態が確認できる点はこれまでのディスプレーではできなかったことだ。ELF-SR1/BZはパシフィコ横浜で7月17日~9月12日まで開催される「恐竜科学博」などでも活用されているという。