一般社団法人電子情報技術産業協会 (JEITA)が発表した2021年5月の国内パソコン出荷統計によると、出荷台数は前年同月比13.3%減の46万7000台となり、4月の9.6%減に続き、2カ月連続でのマイナスとなった。
2021年1月は109.8%増、2月は115.5%と前年比2倍以上という大幅な成長を遂げ、3月も40.9%と高い伸びを見せていたが、4月以降は一転して、マイナス成長となっている。
法人向けは堅調、しかし小中学校向けGIGAスクール、テレワークなどの需要が一巡
GIGAスクール構想による小中学校へのパソコン整備が2021年3月までにほぼ完了。5月の緊急事態宣言下でもテレワークの浸透は限定的となり、前年度に進んだ需要も一巡したことなどが、マイナスの理由となっている。
2021年5月の出荷金額も、前年同月比16.4%減の458億円となり、4月の15.6%減に続き、2カ月連続での2桁のマイナス成長となった。
JEITAによると、「5月は、法人向けが堅調に推移したものの、店頭向けが低調になったこともあり、全体としては、台数、金額ともに2カ月連続で前年を下回った」としている。
ノートパソコンは、出荷台数が13.9%減の38万5000台、出荷金額が18.9%減の368億円。そのうち、画面サイズが14型以下、重量が1.5kg以下のモバイルノートの出荷台数が23.1%増の14万4000台、出荷金額が0.4%減の129億円。ノート型その他が27.1%減の24万台、26.3%減の239億円となった。
出荷台数ではモバイルノートのカテゴリーが唯一成長しているが、5月は堅調に推移した法人でのモバイルノートの導入が進んだことや、品薄などによって一部で導入が遅れていたGIGAスクール向けの出荷が反映されたことが影響している模様だ。