睡眠モニターはもっと使いやすくなる余地あり。デバイスも小型化できそう
グーグルは第2世代のNest Hubで利用できる睡眠モニターに、今のところ不満な点があるとすれば「起こし方」のバリエーションが不足していることだろうか。Soliセンサーが正確にユーザーの睡眠状態をトラッキングしてくれるのであれば、起床時間が近づいてきたら、一番眠りが浅い状態の時に合わせてアラームを鳴らせないだろうか。スリープサイクルのきめ細かなトラッキングと、心地よく起こしてくれる機能を充実させたい。
グーグルは睡眠モニターを「来年まで無料のプレビュー版機能」に位置付けている。来年以降もぜひ使い続けたいので、そろそろ検討材料にできる料金体系、追加されるサービスがあれば発表してほしい。
グーグルが本機能をいわば「テスト版」のように位置付けながら提供を始めた背景には、おそらく7インチのNest Hubに搭載してハードウェアとのマッチングを探る狙いもあったのだろう。7インチのタッチディスプレーである必然性はあまりないと筆者は感じた。睡眠モニターのメイン機能が快適に使えれば、むしろ画面サイズはもっと小さくてもいいし、あるいはサイドテーブルにクリップして固定したり、設置性の自由度が増すデザインにもできると思う。
サードパーティによるGoogleアシスタントを搭載するスマートディスプレーに睡眠モニター機能を開放できれば、デザインや設置性に由来する使い勝手がもっとおもしろいデバイスの誕生を後押しするのではないだろうか。
Nest Hub、Google Fitアプリに蓄積される睡眠データを、今のところまだメールやSNSツールを使って誰かと共有できない。例えば筆者がかかりつけの耳鼻科では睡眠時無呼吸症候群の専門治療も実施しているし、いびきに関する相談も受付けている。医師、または家族や友人に生活習慣の改善を目的とした相談ができるようになれば、睡眠モニターが一段と役立つ機能になるだろう。そしてもうひとつ、将来はWear OS搭載のスマートウォッチ連携とも、Google Fitアプリによる連携ができるようになることを期待したい。
筆者紹介――山本 敦
オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。