西新宿にきゅんとし隊! 第11回

【連載/妄想散歩】西新宿をたずねて3000歩 vol.2~黒き毛並み・炉くん~

文●海礫刃太郎/西新宿にきゅんとし隊!

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 毎週金曜日にお届けする「西新宿にきゅんとし隊!」では、西新宿にオフィスを構える小田急エージェンシーで働く広告人7人が、それぞれのテーマで西新宿での過ごし方をお伝えします。

 今週は、私「海礫刃太郎」が、「西新宿をたずねて3000歩 Vol.2~黒き毛並み炉くん~」をお届けします。

 前回の記事はこちらです。

■【西新宿をたずねて3000歩】Vol.1~はるかぜは一匹の犬とともに~

※過去の連載記事はこちら!:西新宿にきゅんとし隊!

 とはいえ、前回の記事を読むのが面倒な方が大半だと思いますので、

 このコーラを一気飲みしてから、「ゲップをせずに」このコラムがどんなものなのか簡単に説明したいと思います。

 ゴクッゴクッゴクッ

 なんとかすべて飲むことができました・・・それではいきます・・・

 「このコラムは在宅ワークが続いたことによる運動不足に危機感を覚えた筆者が、たまに出社した時ぐらい歩こうと一念発起し、愛犬である炉(いろり)を連れて散歩するという妄想をしながら3,000歩を目安に西新宿を歩き回るコラムです!!!!!!!!!!!!」

 (耳が痛くなるほどの静寂)

 かわいい我が愛犬が何か言いたそうな顔で見ています。

炉:「ワン(言えちゃったね)」

私:「昔から得意なんだよねゲフッ」

 しょっぱなから暗雲立ち込めておりますが、本日も元気に歩いていきましょう!ちなみに炉のゲップは「グゥゥゥ↑↑」みたいな感じです。mihimaru GTなのかな?そもそもなぜ語尾が上がるのでしょうか。疑問を投げかけているのでしょうか。「僕、胃から空気を逆流させてるよぉぉぉ↑↑」って言っていると思うと、何やら腹が立ってきますね。

 さてさて今日はどちらへ行こうかしら。
フィーリング命で生きている、炉に決めてもらいましょう。

炉:「ワン(まっすぐ)」

私:「柵だぜ」

 こういったお茶目なところも炉のかわいいポイントです。そんな妄想上の炉を連れて3,000歩の旅へいざ出発!

 前回行った方角では芸がないので、今回はとりあえず新宿駅方面に向かうことにしましょう。第1回のコラムと比べて、気候はさらに良くなっています。ジャケット脱ぎ捨て、心も足取りも軽く行きましょう。

炉:「ワン(そういえば1回目のコラム見たよ。なかなかよかったじゃん)」

私:「ありがとう。色々なお褒めの言葉をもらったけど、大体が炉かわいいねって評判だったよ。やっぱり書くべきものは犬と飯だね。」

炉:「バウ(でも他の人のコラム見てて思ったんだけどさ・・・)」

炉:「ワンワン(なんで飼い主だけサムネが膝小僧の写真なんだ?)」

私:「上げてみて思った。この写真だと犬も散歩も関係ないから、両足の膝小僧すりむきコラムニストだと勘違いされないかなって。」

炉:「ワン(両足の膝小僧すりむきコラムニストというジャンルを選んだのだとしたら攻めすぎてる。)」

そんな話をしながら進んでいくと、青梅街道にかかる歩道橋に差し掛かりました。ここ「西新宿!」って感じがしてとても好きなんですよね。

 こんな大きな通りにかかる歩道橋でやりたくなることといったらひとつ。

 反 復 横 跳 び です。

私:「うおおおおおおお」

私:「右車線!左車線!右車線!左車線!」

文字通り青梅街道を股にかけ反復横跳びをします。この瞬間、私はまさに西新宿の王となっていました。足元では炉も興奮してぴょんこぴょんこしています。

私:「うおおおおおおお加速ううううううう」

 はい、2往復8回で飽きました。よくよく考えたら貴重な3,000歩をこんなことで消費するわけにはいきません。炉はぴょんこし足りない様子でしたが、おとなしく歩道橋を渡り反対車線に降ります。

炉:「ワンワンワン!(右折だ!!!)」

 炉が急に吠え出しました。どうしたのでしょうか。

 ・・・もしかしてバカみたいにでかい魚がいると思っているのでしょうか。愛らしいアホさ加減です。まあまあ、行先も決めていないので、犬が吠えるがままに曲がってみようと思います。

炉:「いないじゃん」

私:「そりゃそうだよ。サザエさんじゃあるまいし。」

 このあたりの路地では新宿らしい面白そうなものをたくさん見つけました。

 ど根性草です。アスファルトの間で健気です。頑張れ。

 唐突に半角カタカナを見ると笑ってしまうのは私だけではないはずです。

 ど根性綿棒です。頑張れ。

炉:「ワン(デカIQOSだ)」

 照明でした。

炉:「ジヨガ」

私:「てらヨガだと思うよ。なにそのウルトラマンの怪獣みたいなの。」

 なんとなくですが鼻をマッサージされたらどんな効能があるのだろうという気持ちになりました。

 ダイジェストでお送りしましたが、西新宿らしい多様性を感じる様々な光景が広がっていました。いつか行ってみたいと思うお店もたくさんありました。ご縁がありましたら是非。

 さてさてまもなく3,000歩が近づいてきました。

 毎度おなじみ(2回目)の締めトークに移りましょう。

炉:「ワン(最近ベッドで一緒に寝かせてくれるじゃん?)」

炉:「ワン(すごい寝心地よくて感謝してるよ。ありがとう。)」

私:「どうしたの急に?なんか変な感じ。」

炉:「ワンワン(あといつもご飯ありがとう。毎日同じ安い飯だけど美味しいよ。)」

私:「お礼言うの下手だな。でも急にどうした?なんか変なもの食べた?」

炉:「あのさ・・・実は・・・」

私:「うん」

炉:「飼い主のAirpods嚙み砕いちった☆」

私:「・・・」

私:「・・・まあまだ左耳があるし」

 その2日後左耳のAirpodも嚙み砕かれました。

 糞に白いプラスチックが混じっていたので心配していたのですが、事実を知って血便が出そうなほどショックを受けました。紅白でなんだかめでたいですね。

 悪いことをした炉を追いかけまわしていたらついつい3,000歩を超えてしまいましたが、これにて今回は終了!

 健康もさることながら、スマホも見ず音楽も聴かず歩く時間は現代人にとってはとても有意義で貴重な時間でした。

 そこのあなたも是非自分自身の西新宿Walkを楽しんでください!

炉:「ワンワン(見てくれてありがとうございました!)」

文/海轢刃太郎(かいれきじんたろう)

1992年長野県生まれの男性。西新宿に通い始めて丸4年のアラサー。
ギャンブル、麻雀、格闘ゲーム、ガンダムなど独身生活を謳歌していたが結婚してからとんとご無沙汰に。​今は飼い犬の炉と戯れることとジム終わりの1杯のプロテインが至上の喜び。ペンネームは格闘ゲームキャラクターの超必殺技が由来。
※炉を愛するあまり、妻が炉専用のInstagramアカウントを開設しました。
フォローお願いします! https://www.instagram.com/irorimama_82/?hl=ja

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