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レコードもCDも綺麗に! 音楽ファンならキース・モンクスのクリーニングマシン「プロディジー」をゲットせよ!

2021年05月31日 12時00分更新

文● 栗原祥光(@yosh_kurihara) 編集●ASCII

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レコードクリーナー「プロディジー」とは?

キース・モンクス「プロディジー」(19万5800円)

キース・モンクス「プロディジー」付属のカバーを置いたところ。カバーを付けた状態の高さは230mm

キース・モンクス「プロディジー」の横幅は、レコードジャケット2枚分より少し小さな550mm

プロディジーの奥行きはレコードジャケットより少し小さな220mm

 では、新商品のプロディジーについて説明しましょう。まず目を惹くのが、その外観。ボディーは竹の集積材で、大きさは幅550mm、奥行き220mm、高さ140mm。横幅の広さが気になりますが、奥行きが狭いので、一般的な2箱のレコード棚の上に置くこともできるでしょう。竹材が用いられているのは、静電気防止という観点から。つまりレコードを回転させた際に発生する静電気をゼロに近づけることで、ホコリの再付着を防いでるというわけです。

プロディジーの各所にはLEDイルミネーション機構が設けられてる

カードリモコンでイルミネーションは変更可能

 ユニークなのは、各所にLEDが仕込まれイルミネーション点灯するところ。付属のカードリモコンで色の調整ができるほか、点滅の間隔などの調整ができます。これがどこかゲーミングPCみたいで面白いもの。個人的にはこういうギミック、大好きです。もちろんオフにすることもできますので、お好みでどうぞ。

プラッター部分の様子。シリコンゴムが取り付けられている。黒い部分はスピンドルキャップだ

レコードを設置すると、レーベル面のみ接触していることがわかる

 本体を子細に見ると、ターンテーブル部はレーベル面とほぼ同じ大きさ。これはほかのバキューム式レコードクリーナーでは見かけないもので、クリーニングした面をひっくり返した時に、ターンテーブルに付着した汚れが盤面に移ることを防いでいます。実によく考えられた設計です。

スピンドル部分

 スピンドル部分はネジ式で、ゴム製のクランパーをねじ込んでレコード盤をプラッターと一体化させます。スピンドルがネジ式の形状なので、セットする際はレコードの穴をガリったりしないよう、ちょっとだけ気を配った方がよいでしょう。

EP盤アダプターを装着した様子

EP盤をクリーニングしている様子

 専用のアダプターを使えばEP盤のクリーニングも可能。バキューム式の中には、EP盤の時には専用の吸引ノズルに交換しなければならないモデルもあるので、これは便利な機能です。ここら辺もまた、さすが長年レコードクリーニングマシンを作り続けている老舗の気配りといったところ。

シリコンホースがクリーニング液を吸い込んでいる様子(写真はわかりやすいよう暗くして撮影)

バキュームアームは竹製だ

 トーンアーム型の吸引ノズルからは、シリコン製のホースが伸びています。このホースを伝って汚れたクリーニング液をバキュームするというわけで、動作中は液が伝わっていく様子を見ることができます。ちなみにホースが汚れてきたら、後述するカビで汚れたレコード用のクリーニング液を吸い込ませれば綺麗になるとのこと。トーンアーム型吸引ノズルはバネかゴムで動いているのかなと思い内部を覗いてみると、モーターで駆動しているようでした。

本体右側の廃液タンクとクリーニング液置き場。廃液タンクの中にはピンポン玉サイズのボールが入っていた

圧力調整弁。ここでバキューム圧を変更する

 本体右側には、廃液用タンクと、クリーニング液を置く場所が用意されています。廃液タンクには圧力弁のようなものが設けられていて、クリーニング液が盤に残った時は少し調整できるようになっています。基本的に調整することはないと思いますが、施工後に少しクリーニング液が残っているなと思ったら、ほんのわずか吸引力を調整すればよいでしょう。ただし強くしすぎると吸引力によって盤の回転が停止してしまいますから注意が必要です。

 この廃液用タンクが丸ごと洗えるというのも、プロディジーの美点。というのも、バキューム式レコードクリーナーの多くは、裏に弁のついたホースが出ていて、その弁を開けて液を排出する構造で、廃液タンクを洗うことが難しいのです。これが長年使っていくと、ホースが汚れてみすぼらしいことにも……。よって、まるっと洗えるのはうれしい限り。

本体スイッチ

 電源スイッチは本体右側に用意。このスイッチをオンにするとターンテーブルの回転とバキューム吸引が同時に起動します。つまり、電源をつなげたままだと、イルミネーションが点灯しっぱなしになります。イルミネーションのオンオフはリモコンで、という割り切り設計です。

ACアダプター

 給電は本体裏側にACアダプターから延びるDCインレットから。このACアダプターがケーブルの間に変換部をもたせたタイプで、結構な大きさ。値段が上がるのでしょうけれど、個人的には一般的な3Pインレットにして電源部を内蔵してほしかったです。

エコ・ローラーと専用の洗浄液

エコ・ローラーの表面はパイル地のタイルのようになっている

 本体には、エコ・ローラーと呼ぶ交換用洗浄ブラシが1本付属してきます。盤面と接触する部分はマイクロファイバークロスが用いられており、盤を傷つけることなくクリーニングしてくれるほか、余分なクリーニング液を吸収してくれます。ただ何枚もクリーニングを繰り返すと、エコ・ローラーから液が溢れテーブルの上がクリーニング液で水浸しに。よって3回に1度は、流水でエコ・ローラーを洗い、絞ってから使うとよいでしょう。ちなみに単売しており、本体とブラシ3本で1万7600円とのこと。

左から:discOvery33/45(1000ml) / discOvery BTM(1000ml) / ※別売り、Eco Roller(洗浄ブラシ) / ラバークランパー / discOvery33/45(250ml) / シングル盤アダプター / 照明用リモコン

 用意されているクリーニング液はSPレコード用、LP/EPレコード用、カビだらけのLPレコード用、デジタルディスク用の4種類。LP/EP用レコードクリーニング液は、アルコール系とそれ以外の2つに大分されますが、キース・モンクスのクリーニング液は、レコードに優しいと言われる非アルコール系。これは50年近い販売の中から得た知見なのでしょう。界面活性剤を多く含んでいるようで、液を振ると石鹸水のように少し泡立ちました。価格は全て6600円。容量はSP盤用とLP/EP盤用が1リットル、カビだらけLP用とデジタル用は500mlです。ちょっと高いと思いましたが、エコ・ローラーのおかげで、ほかのクリーニングマシンに比べてクリーニング液をあまり消費しない様子。

 今回長期に渡りお借りしていたことをよい事に、100枚以上のレコードをクリーニングしたのですが、500cc程度の消費で済みました。ほかのレコードクリーナーは、都度レコードクリーニング液を塗布するため、1リットルあっても50枚程度しかクリーニングできないでしょう。よってプロディジーは、お財布に優しいレコードクリーニングマシンと言えるかもしれません。

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