アップルが定額制音楽配信サービス「Apple Music」に、6月から新しく2つのサービスを追加するメジャーアップデートを実施する。「ロスレスオーディオ」と「ドルビーアトモスによる空間オーディオ」だ。それぞれの内容と楽しみ方を解説しよう。
iOSとAndroidで楽しめるロスレスオーディオ
Apple Musicは、現在167の国と地域で提供されている。登録ユーザーの数は数千万人を越えるという。配信されている楽曲数は7500万曲以上。日々新曲が追加されている。
メジャーアップデートにより、Apple Musicの音楽体験をさらにリッチなものにする2種類の改革が実施される。ひとつがロスレスオーディオだ。
現在Apple Musicは最高音質256kbpsのAAC形式で配信されているが、6月以降すべての7500万を越えるすべての楽曲がCDと同等、もしくはそれ以上のスタジオマスターの音質を保った状態で聴けるようになる。
コーデックの形式はALAC(Apple Lossless Audio Codec)になるが、現在のApple Musicと同様にユーザーがコーデックの互換性を気にする必要はなく、アップルデバイス向けの「ミュージック」アプリ、またはAndroidで利用できる「Apple Music」アプリで楽しめる。
ロスレス配信になると音質が向上する代わりに再生時のビットレートが約1.4Mbps前後にもなるため、モバイルデータ通信による再生時にはより多くのデータを消費することになる。よって、6月以降にアップデートが実施された後も、デフォルトではロスレス再生の設定はオフになっている。ユーザーがミュージックアプリの設定を選択した後「オーディオ」に入ると、ロスレスをオンにできる項目が追加される。
オーディオ設定はモバイル通信ストリーミングのほか、Wi-Fi再生時、そしてiPhone/iPadにダウンロード(キャッシュ)してオフライン再生で楽しむ場合の音質がそれぞれ個別に設定できる。ダウンロードする場合、ロスレス以上の音質を選択すると端末の内蔵ストレージの空き容量も多く消費されるので注意したい。