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「新型コロナウイルス感染症と働き方改革に関する調査」の結果を発表

働き方改革に取り組む企業は過去最多、業務時間外の対応は拡大か NTT調査

2021年04月23日 18時40分更新

文● ASCII

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NTTデータ経営研究所、「新型コロナウイルス感染症と働き方改革に関する調査」の結果を発表

 NTTデータ経営研究所は4月23日、NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが提供する「NTTコム リサーチ」登録モニターを対象にした「新型コロナウイルス感染症と働き方改革に関する調査」の結果を発表した。

 同研究所は、「働き方改革」の取り組み状況の調査を2015年から毎年実施している。本調査では、働き方改革の取り組み状況とその効果について経年で概観し、続いて、2020年3月から一年間のテレワーク(在宅勤務、モバイルワーク、サテライトオフィス勤務等)の推移を調査分析した。加えて、2019年から調査している「就業時間外の連絡(つながらない権利)」について、経年比較を行なった。

 今回の調査は2021年3月6日~9日の期間で実施。前回調査は2019年5月28日~30日の期間に実施したもの。

主なポイント

(1)働き方改革の動向 ~過去最多の56.0%の企業が働き方改革に取り組んでいる~
(2)在宅勤務の取り組み状況 ~在宅勤務が月50%以上の割合は、2020年3月~5月(36.7%)がピーク。ボトルネックはハンコ文化の弊害よりも社内の状況がわからない不安~
(3)つながらない権利 ~働き方改革の進展により、権利侵害(就業時間外の対応)も拡大が進んでいる可能性がある~

主な調査結果と考察

(1)働き方改革の動向

働き方改革に取り組んでいる企業の割合

 新型コロナウイルス感染症対策に迫られた2020年以来、働き方改革に取り組む企業は年々増加している。今回の調査でも2019年の調査と比べて6.7ポイント増加し、全体(N=1021)の56.0%となっている(49.3%→56.0%)。これは従業員規模にかかわらず増加しており、従業員数1000人以上の規模の企業では、77.1%の企業が働き方改革に取り組んでいる結果となった。

 働き方改革に取り組んでいる企業のプラスの変化は「休暇の取得しやすさ」や「労働時間の減少」が、マイナスの変化は「収入の減少」や「生産性の低下」が最も多く挙がっている。ただし、2019年調査と比べて「収入の減少」をマイナスの変化として挙げる割合は減少している(25.4%→17.5%)。「生産性」については、プラスの変化として4.6ポイント(11%→15.6%)増加し、マイナスの変化は2.4ポイント(8.6%→11.0%)増加するといった二極化がみられる。

(2)在宅勤務の取り組み状況

在宅勤務の実施状況(N=1021)

 在宅勤務と出社の組み合わせが月の50%以上と回答した人が最も多い時期は、初めて緊急事態宣言が発出された2020年3月~5月(36.7%)。2度目の緊急事態宣言が発令された2月以降は、31.1%にとどまっている。2020年6月以降12月まで月50%以上の人は徐々に減り、2021年1月以降は若干増加に転じたが、2度目の緊急事態が発令された2月以降も31.1%にとどまった。

在宅勤務(テレワーク)のボトルネック(N=670)

 在宅勤務のボトルネックは「社内の状況がよく分からない」(38.7%)が最も多く「紙の書類を前提とした押印、決裁、保管等の手続きがあること」(24.6%)を14.1ポイント上回っている。

 在宅勤務でウェブ会議、電話会議を実施したことのある人(N=457)のうち、雑談を目的としたウェブ会議、電話会議を週1回以上実施している人は25.8%、業務に関する会議の前後などに雑談する人は32.6%。社内の状況がわからないことが在宅勤務のボトルネックと感じている人が最も多いことから、ウェブ会議、電話会議上のコミュニケーションでの雑談を増やす機会は、在宅勤務を推進する上で重要な施策としている。

 在宅勤務に取り組んでいる企業の人(N=670)のうち、82.5%が通勤時間や移動時間を削減できること」などを理由に「在宅勤務を実施したい」と考えている。一方で「できる仕事に限界があること」や「仕事と私生活の区別がつかないこと」を理由に、23.2%の人が「在宅勤務を継続は可能であっても実施したくない、継続は困難と感じる」と考えている。

(3)つながらない権利

 上司から就業時間外において業務に関して緊急性のない電話やメール(LINEなどを含む)があり、通話・返信などを週1回以上対応している人は、前回調査※と比べて、7.6ポイント(14.9%→22.5%)増加している。同僚では、11.5ポイント(13.5%→25.0%)の増加がみられる。

 「できれば対応したくないが、対応するのはやむを得ない」と考えている人は、46.7%(前回調査では46.5%)と最多となった。同僚という気軽さから就業時間外に連絡してしまうが、対応する側は「できれば対応したくない」と考えている結果が浮き彫りになったとしている。

 本調査の詳細な結果は、NTTデータ経営研究所のサイトで公開されている。

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