Dyson Omni-glide
4月7日発売
実売価格6万4900円
ダイソン
https://www.dyson.co.jp/dyson-vacuums/dyson-omni-glide/dyson-omni-glide.aspx
あれ、去年見たっけなこれ?
ダイソンが4月7日、新型コードレススティック掃除機「Dyson Omni-glide(ダイソン オムニグライド)」を発売しました。ほうきのようにまっすぐ伸びた本体パーツ、クイックルワイパーのようにくるくる全方向に動くヘッド。運転中はヘッドが浮かんでいるように軽く感じられるという新機軸の製品で、昨年11月にバルミューダが発表した「BALMUDA The Cleaner」と同様のコンセプトです。
●軽い力でスイスイ動く
Dyson Omni-glideを軽く動かせる理由は、新開発の全方向駆動型フラフィクリーナーヘッドについた4つの小さなキャスターホイール。ヘッドは回転する軸についていて、軽い力でひねれるようになっています。
左右のひねりがきくので、普通の掃除機とちがい、横にスライドさせるのも簡単。テーブルとイスの脚のような入りくんだ場所でもスイスイ動かせます。比較的コンパクトな設計で、横にすれば狭いスペースにも入ります。本体を床に180度寝かせて、ソファやベッドの下にもぐりこませることもできます。デモンストレーションでは狭いスペースをロボットアームがスイスイ動かす様子を見せたりしていました。
本体は自立しませんが、壁に立てかけておけます。
ブラシには2つの逆回転するフラフィローラー(ソフトローラー)をそなえ、押すときも引くときもごみを吸いこみます。本体にはDyson Hyperdymiumモーターを搭載し、回転数は標準質量1.5kgの軽量モデル「Dyson Micro」と同じく毎分最大10万5000回転。「Dyson Digital Slim」「Dyson V11」に比べると控えめです。
ゴミを集めるクリアビンは小型のサイクロン機構がついていて、遠心力は9万8000Gと強力なもの。フィルターはサイクロン部分を含めて5段階の構造になっていて、0.3ミクロンの粒子を99.99%捕らえて逃さないというものです。最近ダイソンは小型軽量モデルもフィルターの性能が高いことを売りにしていて、デモンストレーションでは、細かいベーキングパウダーを吸っても排気がキレイなことを見せていました。
本体からパイプをはずせばハンディクリーナーとしても使えます。アタッチメントとしては、ふとんや車のシートを掃除しやすい「ミニ モーターヘッド」、狭いところを掃除するための「コンビネーション隙間ノズル」、卓上を掃除するための「卓上ツール」などをとりつけて使えます。上位機には光る「LED隙間ノズル」も付属します。
ゴミを捨てるときは、ゴミ捨て用の赤いボタンを押しながらクリアビンを押し下げ、パカッとフタをあけ、ゴミをゴミ箱に落とすしくみ。手で横にひらくタイプと違って、ほこりの舞いあがりをおさえられます。フィルターやブラシバーは取りはずして水洗いが可能です。
電源はリチウムイオンバッテリーで運転時間は最長20分。バッテリーは着脱式で、別売りのバッテリー(1万3200円)を使えばさらに運転時間を伸ばせます。スタンドにはやや大きな自立式の専用充電ドックが付属。本体とあわせてアタッチメントを収納できるようになっています。
サイズは幅208x奥行き132×高さ1077mm、重量は1.9kg。Dyson Microに比べるとやや重ですが、手にした印象はかなり軽めでした。
●バルミューダより小さく軽い
冒頭にも書いたとおり、ダイソンとしては新機軸でありながら、バルミューダとはよく似たコンセプトです。
ただし製品としての違いは色々あります。ダイソンはまずバルミューダより小さく軽いです。ダイソンは重心が上ですが、バルミューダは重心が下。ダイソンは運転ボタンがハンドルの手元ですが、バルミューダはハンドルのてっぺん。ヘッドはバルミューダのほうがよくすべります。ハンディクリーナーとして使いたいとき、ダイソンはパイプをアタッチメントに替えるだけですが、バルミューダはハンドル部分をハンディタイプのハンドルに替える一手間もあります。
じつは、ダイソンは韓国で昨年7月にDyson Omni-glideを発売しています。昨年11月に発売したバルミューダよりも先行していました。
ダイソンの開発担当者にBALMUDA The Cleanerの印象を聞いたところ、発表時はまったく知らなかったということ。「ダイソンもバルミューダも同じ問題を解決したいとうことはわかった」と話しました。
その上で、なぜよく似たデザインになっていると思うか聞いたところ「ダイソンはトレンドセッター。クリーナー市場を見ると、みんなサイクロンで、クリアビンで、ソフトブラシ。それはすべてダイソンが最初に導入した。我々は(ブランドに)あぐらをかかない。常にイノベーションを追求する」という答えが返ってきました。要するにバルミューダがマネしたと考えているのでしょうか。
ただし発表会で聞いたところによれば、ダイソン創業者ジェームズ・ダイソンが製品開発にあたって最初のスケッチを書いたのは2018年のクリスマス。バルミューダの寺尾社長がBALMUDA The Cleanerについて考えはじめたのもやはり2018年末だと話していたので、およそ同時期に同じコンセプトの掃除機を開発しはじめたことになります。どちらがマネをしたというより、同時期に似た技術をベースに製品を作り、各社の経験や方向性で違いが出たものと想像します。
ダイソン発表会場で試した印象では「さすがダイソン」と思わされる完成度でした。大きさや取りまわしなどを含めて掃除機として使いやすい出来です。一方、バルミューダはシンプルなデザインや重量感などを含めて「掃除機らしくない」印象を受けました。これまでの掃除機と明らかに違うものを使っている感覚があります。掃除機に何を求めるかによってどちらを選ぶか変わってきそうですが、いずれにしても掃除機売り場が楽しくなってきそうですね。
書いた人──盛田 諒(Ryo Morita)
1983年生まれ。4歳児と0歳児の保護者です。Facebookでおたより募集中。
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※掲載時、誤解を招く表現があったため変更しました(4月7日18時)