政府の値下げ要請をきっかけに登場した、3大キャリアによる20GBで2000円台のサービス、ドコモ「ahamo」、au「povo」、ソフトバンク「LINEMO」のうち、「LINEMO」が先頭を切って、3月17日にサービスを開始した。筆者も早速LINEMOに加入したので、レポートする。
最後にサービス名が公表されたのに最初にスタートしたLINEMO
LINEMOの存在が最初に公表されたのは昨年12月、当時は「Softbank on LINE」という仮称が付けられていた。サービス内容も実際のスタート時と異なり、月20GBのデータ通信に1回5分までの音声定額通話が付いて月2980円(以下、すべて税抜)だった。
ところが、1月になって発表されたau「povo」に追従する形で、通話定額をオプション化して2480円に下がり、さらにahamoの値下げに対応して、「ずっと変わらない」とソフトバンクが自ら言った言葉を覆して、最初の1年間は通話定額オプションが月500円値引き、つまり1回5分までなら追加料金無しとなるキャンペーンを打ってきた。結果的に20GBで通話定額を使いたい場合、最初の1年はLINEMOが一番安いサービスとなる。
そのほかLINEMOの特長としては、LINEアプリを使ったトーク、音声・ビデオ通話において、20GBの通信量が減らないカウントフリーを実現している点がある。その反面、ソフトバンクのメインプランやY!mobileとは異なり、Yahoo!と連携しての優待サービスなどはない。
ソフトバンクからの移行でeSIMで契約すべく
10時ちょうどにサイトにアクセス
申込初日の3月17日は午前10時に受付開始と予告がされており、筆者もPCの前で待機した。すでにソフトバンク回線を持っていることと、いち早くサービスを体験する意味もあってeSIMでの契約を決めた。
実際の申し込みページでは、注意事項が表示されたあと、ソフトバンクのサイトにログインを求められ、その後にLINEMOのサイトで申し込みが進む方式。1度目はソフトバンクのサイトへのログインで処理中の“ぐるぐる”が5分以上止まらず、一旦ブラウザーを閉じて再びLINEMOからやり直したところスムーズに進んだ。
ソフトバンクからの移行なので、個人確認などの必要はなく、名前や住所の入力も不要。もちろんMNP予約番号も用意しなくてもいい。入力した情報は料金支払いのためのクレジットカードを登録し直した程度。また、2日目には修正されたようだが、今回利用する電話番号のほかに、別の連絡先電話番号が必要だった。これは認証番号がSMSか音声で通知される仕様のためのようだ。
申し込み自体はすぐに終了。かかった手間は注意事項を読むことがほとんどだった。ここには、キャリアメールや留守番電話、家族割、キャリア決済、そしてソフトバンク回線には無料でついているYahoo!プレミアムのサービスが無くなることも明記されていた。特にキャリア決済など重要な記述もあるので、決して読み飛ばさないでほしい。
かくして終了したのは10時20分頃。続いて、今回は「eSIM」で申し込んだので、プロファイルの準備が終わるのを待つ。eSIMの準備ができたとのメール通知が10時30分に届き、あっさりと開通かと思ったら、ここからが長かった。
認証用のSMSが一向に飛んでこなくて
しばらく利用を開始できず
メールにあるシリアル番号の入ったURLをクリックするが、その後の「ご本人さま認証」としてワンタイムパスワードが発行される。そのパスワードは、LINEMOの申込時に連絡先として登録した電話番号へのSMSか、その電話番号に自動音声での通知かを選べるのだが、SMSを選択しても一向に飛んでこなかったのだ。
何分待ってもSMSは届かないため、念のため、自動音声通話で受け取る方法を選択したが、それでも届かない。仕方なく再びSMSにトライして1時間以上たったころに見知らぬ電話番号から電話がかかってきた。
これが自動音声通話で、パスワードが自動音声で少し早口で伝えられた。しかし、すでにSMSでの認証を再度試みていたためワンタイムパスワードは無効扱いに。SMSよりも自動音声通話のほうが早いことがわかったので、再び自動音声の設定をして、入力画面のまま待機したところ1時間ほどで自動音声の電話がかかってきた。これでやっと次に進むことができる。ちなみに、手続きから2日以上経つが、SMSは1通も送られてきていない。
あとはeSIMをダウンロードして、APN設定をすれば利用開始
ワンタイムパスワードを入れるとeSIMプロファイルのダウンロードに勧める。ダウンロード自体はQRコードをeSIM対応のスマートフォンで読み込むだけだ。iPhoneかAndroidかの選択があり、表示されたQRコードをカメラで読み込んで登録完了となる。
QRコードの場合、実際に利用するスマートフォンで表示させると、利用したい端末のカメラでは当然読み込めない。LINEMOでは、スマホを1台しか持っていない人を想定しているのか、手動で入力するためのコードも同時に表示されるので安心だ。
QRコードでeSIMプロファイルを読み込んだあと、「回線を切り替える」をクリックするとこれまでの回線が無効になり、新しいeSIMが有効になる。
ただしこれで通信ができるわけではない。筆者は手持ちの新型iPhone SEでLINEMOを使おうとしたが、実際に通信するにはAPN設定をする「構成プロファイル」の読み込みが必要になる。MVNOの格安SIMなどでは一般的な設定でやり方も一般的なものだ。
ちなみに、筆者は慌てていたのか、手順をスクロールするなかで構成プロファイルのところを読み飛ばしており、気づくのが遅れてしまった。構成プロファイルのインストールは忘れないように注意してほしい。なお、Androidの場合は手動でAPN設定をする必要がある。