佐々木喜洋のポータブルオーディオトレンド 第59回
Qualcomm Snapdragon Soundとは? 96kHz/24bit対応のaptX Adaptiveを軸にした新しいオーディオ体験
2021年03月08日 13時30分更新
クアルコムが持つ様々な技術の複合体
この動画の中で副社長のジェームス・チャップマン氏は、現状の様々な問題点を挙げて「今日のワイヤレス環境は完全ではない」と語っている。そして、Snapdragon Soundとは「クアルコムの持つ、様々な技術の複合体」だと語る。つまり、ワイヤレスオーディオの問題を解決するためには、スマホやイヤホンなど、一分野に特化することなく、統合的(横断的に)見る視点が大切だ。この考え方こそが、Snapdragon Soundだという。
Snapdragon Soundの構成要素としては、「Snapdragon 888」などのモバイルプラットフォーム、「QCC515x」「QCC514x」「QCC3056」など、ヘッドホン・イヤホン向けチップ、「TrueWireless Mirroring」「aptX Adaptive」など、オーディオ音声技術が統合されたものである。
Snapdragon Soundに対応する利点は、音質がサンプリングレート比で2倍向上し、レイテンシ(処理の遅延)が従来に比べて45%小さくなる。ほかにも接続の安定化、無線環境への動的な対応力の向上、再生時間の延長などが挙げられている。
また、なぜこのタイミングで発表したかというと、完全ワイヤレスイヤホンの登場、高音質ストリーミングの普及、5GとWi-Fi6などネットワーク環境の進歩、ゲーミング産業の成長、そしてリモートワーキングの現状があるという。
ジェームス・チャップマン氏は続けて、技術を単に世に出すだけでは不足で、それをテストして保証することも大事だという。それをカスタマーが手に取るときにわかることが大事で、そこで見えるロゴが設定されている。
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