ASUSの斬新な合体ロボを試してみた
ROG Flow X13 実機レビュー = 8コア最速モバイルノートにGPUボックス合体で爆速だっ!
2021年03月03日 11時00分更新
ASUSはCESで公開していたゲーミングノートシリーズ3機種を3月3日に日本でも発表した。「ROG Zrphyrus G15」は15型最強ゲーミングノート、「ROG Zephyrus Duo15 SE GX551」は、おなじみ2画面の強化モデルである。
そして、最大の目玉は「ROG Flow X13(GV301)」で、13型モバイルノートながら、「ROG XG Mobile」という専用のGPUボックスと接続して、「RTX 3080」マシンに変身するのが注目なのである。
基本も凄い
Ryzen 5000とGTX1650搭載の13型爆速モバイルノート
Flow X13は、13.4インチ16対10比率のディスプレイを積んだモバイルゲーミングノートで、CPUには新しい「Ryzen 9 5900HS」を搭載し、GPUとして「GeForce GTX1650」も内蔵する。
Ryzen 9 5900HSはCESで発表となったAMDの5000シリーズのモバイルプロセッサーで、TDP35Wで8コア16スレッド、最高動作周波数は4.6GHzを誇る。
モデルとしては2種類用意されており、上位はメインメモリが32GBでSSDは1TB、下位は16GBと512GBで、さらにディスプレイは上位が3840×2400ドット(WQXGA)で60Hz、下位モデルでは1920×1200ドット(WUXGA)の120Hz駆動となる。それ以外のスペックは同じだ。
価格は上位のR9G1650S32Gが税込で21万9800円で4月下旬以降の発売、下位のR9G1650H120が19万9800円で3月12日発売である。
内蔵するGPUのGTX1650は4GBの専用VRAMを搭載し、最大7680×4320ドットでの外部出力ができる。通信機能はWi-Fi6とBluetooth5.1を内蔵し、WWANは選べない.キーボードは日本語配列でバックライト内蔵である。電源ボタンは指紋センサー内蔵で一発ログインが可能だ。
インターフェイスはUSB3.2のタイプC×2と、USB3.2のタイプA×1、HDMI出力、オーディオコンボジャックを搭載。さらに、このマシンの特長である「XG Mobile用コネクタ」を内蔵している。 バッテリー容量は62Whで駆動時間はJEITA2.0基準で9.1時間と11.4時間となっている。サイズは299×222×15.8ミリで、重量は1.35キロだ。
PCIe Gen3 x8でつながる
強力な小箱
XG Mobile GC31
専用ケーブルで接続されるGPUボックスの「XG Mobile」も2モデルあり、上位はGeForce RTX3080+16GBのVRAMを内蔵、下位はRTX3070+8GBで、それ以外のスペックは同じである。価格は上位のGC31S-026が14万9800円で3月下旬以降、下位のGC31R-026が11万9800円で4月下旬以降の発売である。
接続端子はタイプCと専用コネクタを内蔵したもので、67ピンでPCIe Gen3 x8で、Thunderbolt4の40GB/sを上回る、63GB/sを実現している。
電源は内蔵しており、PCと接続したときには、GPUとPC本体両方に電源を供給する。また、インターフェイスの拡張機能もあり、有線LAN端子にDisplayPort、HDMI出力、さらに、SDカードスロットに、USB3.2Gen1のタイプAを4つも積む。
つまり、単純にGPUを強化するだけではなく、インターフェイスもボックスに接続しておけば、帰って来たときに繋ぐだけで、RTXとともに周辺機器も一気に接続できるわけだ。
サイズは208×155×29.6ミリで、重さは1キロとけっこうズッシリとしている。三角形の足がパタンと出る構造で、立てて設置するのが正しいようだ。
PC本体が起動中でも合体、分離が可能で、合体時は接続すると画面に手順が表示され、分離するときはタスクバーのXG Mobileアイコンをクリックして、切断処理完了後にケーブルを外すようになっている。
CPUのみと+GTX1650、そして+RTX3080で速度計測
17型モンスターゲーミングノートと並ぶ速度が出た
気になるベンチマークテストを実施してみた。ROGシリーズでおなじみの専用アプリ「Armoury Crate」によって、マシンの動作モード、つまりどれくらいCPUとGPUを回すかを設定できる。また、モバイル時には内蔵GPUのGTX1650もOFFにすることができ、究極のモバイルノートとしても持ち歩くことができる。
まずはFlow X13つまりノートPC本体のみの速度である。CPUの速度だが、Cinebench R15で2050、R20で4751、R23で12359という爆速となった。TDP35Wの8コア4.6GHzの威力である。新「VAIO Z」は35W版のTiger Lakeだが、4コアなので、1078、2670、6841だったから、まさにコア数分というか、2倍の速度である。
3DMarkの値は、CPUのみ、GTX1650活用時、RTX3080活用時の3種類を計測してみた.FireStrikeでは、CPUのみでは5681、GTX1650では5871、RTX3080では24982となった。速度比にすると、1対1.5対4.4となる。
RTX3080の回りっぷりは、通常のゲーミングノートと比べてどうなのかというと、ASUSの「ROG Strix SCAR 17」はRyzen 9 5900HXにRTX3080内蔵だが、FireStrikeは24910、TimeSpyは11159、レイトレーシングのPortRoyalは7036だった。Flow13+RTX3080では24982、10774、7347だったので、96%から104%を実現していることになる。着脱式だから遅いということはなく、非常にうまく設計されていることがわかる。
爆速モバイルノートとゲーミングノート
2台買うつもりでセットで買おう!!
というわけで、「ROG Flow X13(GV301)」は、ノート単体としても、AMDの最新8コアCPUにGTX1650を「添加」することで、1.35キロとちょっと重いながら、爆速のモバイルノートに仕上がっている。
加えて、「XG Mobile」で、インターフェイスもRTXも付加できるという「合体メカ」なしくみが、おじさんたちの気持ちを高めてくれるのはもちろん、実用的にもとてもよくできているのである。
新世代CPU/GPU搭載ノートを購入したいけれど、モバイルか爆速ゲーミングか悩んでいるという人にピタリなのはもちろんだ。合計価格36万9800円は高価だが、その2種類のノートPCが一度に手に入るのだ!!!