独自CPU「M1」で処理性能&バッテリー駆動時間が大幅向上 新Mac特集 第19回
プロユーザーのためのM1エントリーマシン「M1搭載MacBook Pro」レビュー
2021年02月27日 12時00分更新
それでも悩ましいM1搭載MacBook Airか
M1搭載MacBook Proかの選択
ここまで見てきたように、M1搭載のMacBoo Proは、基本的なCPU/GPU性能では、同じ13インチのインテルCPU搭載の4ポートモデルをもしのぎ、MacBook Proとしてふさわしい性能を備えていることが分かった。もちろん、外観や操作性の面でも、これまでのMacBook Proの路線を継承し、MacBook Airよりも上位の13インチノートブックとして、十分に満足できる資質を備えている。
ここまで述べてきたことをすべて考慮しても、現在のM1搭載モデルでは、M1搭載MacBook AirとM1搭載MacBook Proのどちらを選ぶかとなると、その選択は悩ましい。M1搭載MacBook Airが高性能になり過ぎたからだ。何度も言うようだが、実用的な違いはTouch Barの有無だけと言ってもいい。本体ではないが、ほかの明らかな相違点は、M1搭載MacBook Airの30Wの対して、M1搭載MacBook Proは61Wの電源アダプターを付属していることくらいだ。
ただし、出力電力量がM1搭載MacBook Airのアダプターの2倍以上となっていても、バッテリーの充電時間が半分になるわけではない。以前の記事でも示したが、簡単なテストでは、ほぼ空(表示は1%)の状態からフル充電まで、それぞれの付属アダプターを使用してM1搭載MacBook Airは2時間41分、M1搭載MacBook Proは2時間32分だった。バッテリー容量の違いを考えれば、電源アダプターのワット数の違いも影響しているのは確かだが、その違いは約2時間半のうちの9分なので、実用上の違いはほとんどないと言っていい。
今回登場したM1搭載機の間に目立った性能差がない以上、M1搭載MacBook Airを選ぶかM1搭載MacBook Proを選ぶかは、ほとんど感覚的な領域の問題となってくる。ディスプレーやスピーカー、マイクといった、微妙なパーツのグレードの違いからくる品質の違いと、Touch Barの有無による操作性の違いだ。大雑把に言えば、Touch Barが好きではなく、少しでも軽いほうがいいならMacBook Air、Touch Barを含む高品位なプロ用モデルの優位性を味わいたければMacBook Proということになるだろう。
同じ8GB/256GBというベースモデルでの価格は、税別でM1搭載MacBook Airが10万4800円、M1搭載MacBook Proは13万4800円だ。実質的な性能差がないことを考えると、3万円という価格差は大きいようにも感じられるが、それはむしろM1搭載MacBook Airが安すぎる。これだけの性能を発揮し、M1搭載MacBook Pro用としての品位の高さを備えたマシンとしては、むしろコスパはかなり高いと言える。
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