KDDI総合研究所は2月18日、スマホを対象にした、写実的な3DアバターのAR表示を従来の1/3の伝送レートで実現する「フォトリアルAR配信技術」を開発したと発表した。
フォトリアルAR配信技術は、これまで一般的であった3Dアバターの描画をすべてサーバー側で行なう手法とは異なり、一部の描画処理をスマホ側に持たせることで、写実的な3Dアバターの体感品質を維持しつつ、伝送レートを1/3に削減することに成功した。
仕組みは、ARを表示するスマホ側に低品質な3DアバターのCGデータを予め保存しておき、これを利用した簡易的なアバター描画(通常描画)が可能な状態にする。アバターの描画は、CGデータに対しアバター利用者の表情や動きの情報をもとに制御をする。
この情報はサーバー、スマホの双方に常に送信される。サーバー側では、最初に写実的な3Dアバターを忠実に描画(高品質描画)、その後高品質描画から通常描画との差分情報を抜き出し、その差分情報を圧縮符号化して伝送する。
スマホでは受信した差分情報を復号し、内部で生産した通常描画に足し込むことで、写実的な3Dアバターを再生するという。
同社は今後、更なる伝送レートの削減に向けた取り組みを進め、バーチャルヒューマンの受容性について、オンライン完結型の生活習慣改善支援プログラムを提供しているPreventと共に、遠隔カウンセリングの用途における写実的な3Dアバターの利用可能性を注視していくという。
また、フォトリアルAR配信技術をはじめとして、au 5Gならではの新しいXR体験の創出を目指して、先進技術のさらなる研究開発を進めていくとしている。