ニュータニックス・ジャパンは2月10日、金融サービス業界でセキュリティーやコンプライアンスへの懸念からプライベートクラウド採用が加速しているとの調査結果を発表した。
これは米Nutanix Inc.による金融サービス業界におけるプライベート、ハイブリッド、パブリッククラウドの採用計画に関する調査によるもの。調査結果「2020年版 Nutanix Enterprise Cloud Index 金融サービス業界の比較結果」によると、回答者の半数が新型コロナウイルス感染拡大に伴い、ハイブリッドクラウドへの投資を拡大。業界内でデジタルトランスフォーメーションが進んでいる。
パブリッククラウドでの最大の懸念として62%の金融サービス関連企業はセキュリティーやプライバシー、コンプライアンスの問題を挙げている一方、パブリッククラウドの容量に対して懸念を示した人は30%。パブリッククラウドはITインフラストラクチャーをサポートできるものの、機密情報のセキュリティーについては妥協の余地はなく、各企業は他のソリューションを模索していることがわかる。
また、金融サービス業界の回答者のおよそ50%はハイパーコンバージドインフラストラクチャー(HCI)を本格的に導入中または導入過程にあり、38%は今後1~2年内にHCIを導入予定と回答。HCIはプライベートクラウドのサポートに不可欠な拡張性に優れたソフトウェア定義型インフラストラクチャーの構築にかかる時間を短縮できることから、プライベートクラウドの採用拡大に直接的に連動しているとしている。
このような結果ながら、金融サービス関連企業の回答者の3分の1以上(36%)は、プライベート/パブリッククラウドが混在する環境の管理に必要なスキルが不足していると回答。さらに34%はKubernetesなどのクラウドネイティブな技術とコンテナの専門知識も不足と述べており、企業の本格的なハイブリッドクラウド採用の妨げとなっていることがわかったという。
※記事中に一部誤字がありました。お詫びして訂正いたします(2月12日更新)