KDDIは2月9日、AIを活用して5Gネットワーク障害時の自動復旧を行なう実証実験を開始したと発表した。
KDDIおよび日立製作所、日本電気、沖電気工業によるもので、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT) と共同で受託した総務省情報通信技術の研究開発における「革新的AIネットワーク統合基盤技術の研究開発」の一環としての取り組みとなる。2023年以降の社会実装を目指している。
5Gでは各種の機器と接続して多彩なサービスを提供する一方、サービス開始時点やサービスの利用者急増などによってボトルネックといった障害の発生も予測される。研究開発では、ネットワーク事業者とシステムインテグレーション事業者、サービス事業者が連携し、AIの活用によって5Gのスタンドアローン (SA) 構成で主流となる仮想化されたネットワークを自動的に構築・運用することを目指す。
AIがネットワークの障害を検知した際に、例えばコネクティッドカーの通信制御を通信端末に近い場所にサーバーを配置して最適化するなど、自動的にネットワークを再構築することでボトルネックの解消を図る。
実証実験は1月25日から開始、得られた成果は3月に開催される一般社団法人電子情報通信学会が主催する総合大会での発表を予定。今後、KDDI、日立、NEC、OKI、NICTは、世界に先駆けたAIによる運用自動化技術の確立に向けて研究開発を進め、Society 5.0の実現や、国際競争力の強化に寄与できるよう取り組むとしている。