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オヤジホビー-ワタシが好きな物はみんなも好き、かもしれない- 第260回

ハンヴィーの新タイヤ&ホイールは高かったけど高性能

2021年01月03日 17時00分更新

文● むきみ(@TK6506) 編集● ASCII

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BF Goodrichのタイヤにしました

 前回お伝えしたとおり(第259回「ハンヴィーのタイヤ&ホイール代がビックリの金額に!」)、ハンヴィーのタイヤとホイールを新調したわけですが、その額なんと80万円! かいしんの いちげき!

 でも大丈夫。こんなこともあろうかとハンヴィーの購入当初からタイヤ貯金をしてHPを増やしてあったのです。

 購入したタイヤはBF Goodrichの「Baja T/A」というモデル。ミリタリー専用ではないですが、米軍でも使われているタイヤです。ミリタリーグッズではおなじみのNSN(National Stock Number 物品管理番号)もちゃんとあって、2610-01-541-4090というのがその番号になります。

元のタイヤとホイール。GOOD YEARのWRANGLER R/T IIで外径は36インチ。ミリタリー専用タイヤです

新しいタイヤはBF GoodrichのBaja T/A。外径は37インチで民間でも使われているタイヤです。ホイールのボルトのせいか、だいぶゴツくなりました

 BF Goodrichはもともとは1870年にアメリカで設立された老舗メーカーでしたが、タイヤ部門は売却されてフランスのタイヤメーカーミシュランのブランドとなっています。

 米国初の自動車用空気入りタイヤを発売したり、世界初のチューブレスタイヤや米国初のラジアルタイヤをリリースしたりなど、“初”づくしなBF Goodrich。さらにはノンストップでの大西洋横断に成功したリンドバーグの「スピリット・オブ・セントルイス号」に装着されていたり、スペースシャトルの初試験飛行に採用されたりと、なかなかに華々しい経歴のブランドです。

Bajaはスペイン語で「バハ」と読みます

 現在、ハンヴィー用のタイヤは5種類あるようなんですが、新品が用意できて比較的安いということで、このBajaにしました。Bajaはバハと読みます

Bajaと書いてバハ。名前のルーツはメキシコのバハ・カリフォルニアで、メキシコっぽいサボテンのイラストがカワイイです

 名前の由来はメキシコのバハ・カリフォルニア。スペイン語圏なのでバジャではなくバハ。「低い」とか「下」という意味で、バハ・カリフォルニアは「アメリカのカリフォルニア州などを含むカリフォルニア一帯の南半分」から名付けられたそうです。

 オフロードバイクやバギーなどでもBajaと名付けられたモデルがあるんですが、それは同地でBaja1000というオフロードレースが開催されているため。オフロードの代名詞みたい感じですね。

外径が1インチアップしました

 タイヤのサイズは37X12.50 R 16.5 LT。

前のタイヤより外径が1インチ大きい37インチになりました。その他のサイズは一緒です。

 最初の37は外径で37インチのこと。前のタイヤは36インチだったので、さらに1インチビッグに。約94センチなので普通のクルマに比べるとだいぶデカいです。外径が大きくなるとスピードメーターの速度が低く表示されることがあるので要注意ですが、今回は調整しなくても誤差の許容範囲でした。

 配備が始まった当初のハンヴィーのタイヤは36インチだったんですが、なぜか途中から1インチアップされて37インチになりました。36インチタイヤはもう作っていないため、使えるタイヤはほとんど残っていないと思います。

 12.50はタイヤの幅。これは以前と変わらずで約32センチです。Rはラジアルタイヤという意味で、最後の16.5はリム径。ホイールの直径=タイヤの内径です。これ、普通は16とか17とかキリのいい数字なんですけどね。ハンヴィーはなぜか16.5。おかげで適合タイヤの少ないこと……。

 最後のLTはライトトラック用という北米タイヤ規格の表示で、荷物を積んでも大丈夫という意味です。

新しいけど6年落ちのタイヤ

 前のタイヤにあったDOTはBajaにもあります。

アメリカ運輸省の認定の証であるDOT表記。右端の4桁が製造週と年です

 表記はBF9F AT11 4511。BFはBF Goodrichかと思いきや、さにあらず。UNIROYAL GOODRICH TIRE MANUFACTURINGという工場でした。元はUS Rubberという会社で、その後Uniroyalに社名変更。さらにGoodrichと合併してUNIROYAL GOODRICH TIREになったあとミシュランに買収されて現在に至るそうです。

 9Fはタイヤサイズ。AT11は製品情報コードです。最後の4511が製造年と週。1999年までは製造年が下1桁で表示されていましたが、2000年からは2桁になっています。4514なので2014年第45週の製造ですね。10月末から11月にかけてかな。ほぼ丸6年前の製品です。

 新品のまま保管されていたデッドストック品のようで、メーカー推奨は5年程度なのでその期間こそ過ぎちゃってますが、山はまだバリのゴムが残っているほどでまったく削られていないし、ひび割れなども皆無。当分は使えそうです。

耐荷重性能はオーバースペックなぐらい

 タイヤの側面にはほかにもいろいろ書かれていて、そのひとつはLOAD RANGE。

LOAD RANGE Dはタイヤ強度。Dは真ん中ぐらい

 LOAD RANGEはタイヤの強度を洗わす記号で、Bajaは真ん中ぐらいのD。

 貨物車用タイヤにはプライレーティングという耐荷重強度の表記があって、LOAD RANGEはそれと同等の指標です。

 タイヤには骨格となるカーカスという構造体があり、初期のタイヤでは4枚重なっていれば4プライ、6枚なら6プライと表示して、タイヤの強度を示していました。現在は素材の改良が進み、2枚でも4プライと同等強度にできたりするので、レーティング(相当)となっています。

 LOAD RANGEはそのプライレーティングを記号にしたようなもので、Cは6プライ、Dは8、Eは10となっています。1本でだいたい520kgまで耐えられるみたいです。

LOAD REANGE DとEを混ぜて使っちゃダメの表示

 前述のLTの表示があれば強度表記は無くてもいいみたいですが、強度の異なるタイヤを混ぜて使うのはNGとされているので、明記されているのかもしれません。

 また、LOAD REANGEとは別に耐荷重能力の表記もあります。

MAX LOADはタイヤの耐荷重能力の最大値。空気圧350kPaの時で1745kgとなっています

 MAX LOADがそれで、Baja T/Aの場合は350kPa(50PSI)の時で1745kg(3850LBS)。1745kg×4の6980kgまで耐えられるので、2700kgのウチのハンヴィーなら余裕です。というかめちゃくちゃオーバースペック。

ホイールも新しいタイプに

 タイヤのついでにホイールも新しくしました。そのせいでこんな金額になっちゃったんですけど、ホイールの表と裏を留めているボルトが8本から3倍の24本になって迫力満点です。

ホイールも新しくしました。高いタイヤ圧に耐えられるタイプです

 ボルトが多いのは以前より高いタイヤ圧に耐えられるようにするため。ハンヴィーは、防弾板や分厚い防弾ガラス、射撃手を守るためのシールドなどを付けたりしているうちにどんどん重くなってしまい、車両総重量は5.5tにもなります。その車重を支えるためタイヤの空気圧を上げて、対荷重能力をアップさせているのです。

 当初8本だったボルトは12本になり、20本になり、最終的に24本になりました。24本ボルトのホイールにはボルトが2本ずつ組になっているものと均等に並んでいるものがあり、ウチのは均等なタイプです。

タイヤパターンは左右同じ

 ハンヴィーのタイヤの中には左右が決まっている物もありますが、Bajaは前後も左右も同じ。組み換えが可能です。

左前輪のトレッドパターン

右前輪もまったく同じ。外側内側の区別もありません

 37インチタイヤのハンヴィーに乗っている人から、37インチにすると乗り心地がめちゃくちゃよくなると聞いていたんですが、その言葉は嘘ではありませんでした。ほんとに全然違います。

 タイヤが発するロードノイズは小さくなったし、ゴツゴツ感や変な突き上げもなくなりました。スピードを少し上げるとボルトが抜け落ちちゃうんじゃないかっていうぐらいガタガタガタと振動していたボンネットも、すっかり静かになって安心して走れるように。

 劣化したタイヤに比べてゴムが柔らかいというのもあると思いますが、トレッドパターンも関係しているのかもしれません。

足回りが引き締まったようにも見えます。ボルトをこのままにするか黒く塗るかで迷うところ

 ちょっと(というか、かなり)お金がかかってしまいましたが、パンクするんじゃないかって不安が解消されたし、何より乗り心地がよくなったのが最高です。外観もゴツくなって大満足。次からはタイヤだけを交換すればいいから、少しは費用もマシになるはずですし!

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