独自CPU「M1」で処理性能&バッテリー駆動時間が大幅向上 新Mac特集 第16回
さすがの低消費電力を達成したM1ノートブック
【バッテリーテスト結果発表】アップル「M1」MacBookは掟破りのバッテリー寿命と言わざるをえない!
2020年11月28日 12時00分更新
すでにあちこちで公表されているApple Silicon(M1) Macのベンチマークテスト結果を見ると、確かに眼を見張るようなパフォーマンスを示している。それなのに、新しいMacが本当にどれだけ速いのか、今ひとつピンと来ないと感じている人も多いかもしれない。ベンチマークテストはしょせんテスト用の特殊なプログラムの実行結果であって、現実的なアプリの速さとは違うのではないかという感覚もあるのだろう。それについては、現実のアプリを使ったテストによる評価の準備を、筆者も現在進めている。
その前に今回は、Apple Siliconを搭載したMacのもう1つの大きな特長、省電力について、実際のアプリケーションを使って確かめてみた。
SafariでYouTubeを連続再生するバッテリーテストを実施
今回は、M1チップを搭載したMacがうたうバッテリーの持続時間が本当なのかを確かめてみることにした。先日のApple Eventでのプレゼンテーションや、アップルのMacBook Air、MacBook Proのサイトには、以下のような数字が示されている。
まずMacBook Airの場合は、
・最大15時間のワイヤレスインターネット
・最大18時間のApple TVアプリのムービー再生
そしてMacBook Proでは、
・最大17時間のワイヤレスインターネット
・最大20時間のApple TVアプリのムービー再生
となっている。ちなみに、この春に発売されたインテルCPU搭載のMacBook Airでは
・最大11時間のワイヤレスインターネット
・最大12時間のApple TVアプリのムービー再生
このようなスペックだ。
MacBook Air同士の比較では、ムービーの連続再生でちょうど1.5倍の長さ。モバイル中心のMacユーザーにとっては、ピークパフォーマンスの高さよりも、こちらのバッテリー持続時間の方が気になるだろう。とはいえ、それを実際に確かめるのは、なかなか骨の折れる仕事だ。アップルの出している数字に、大きな嘘はないとしても、バッテリーの容量と計算上の消費電力から割り出した理論上の長さなのではないかと思っている人も多いかもしれない。
そこで今回は、実際にYouTube上にあるビデオをWi-Fiでストリーミングしながら、何時間再生し続けられるかをテストしてみた。アップルの示している2種類の数字は、おそらくWi-Fiによるインターネット接続時には軽い処理を実行したものと、あらかじめApple TVでダウンロードしたムービーファイルを連続で再生した場合のものではないだろうか。ストリーミングビデオの再生は、Wi-Fiアクセスとビデオ再生が同時に進行するので、バッテリーにとっては、それらを個別に実行するよりも厳しい条件となる。
YouTube上で選んだビデオは、アップルがまさにApple Silicon Macを発表した11月11日のApple Eventのもの。最初Safariを使い、YouTubeの「ループ再生」機能を利用して再生し続けようと試みた。しかしどうしたことか、何かのタイミングでそのループ再生の設定が勝手に外れてしまうことがある。すると、その回の再生が終わったところでストップして、連続再生のバッテリー持続時間の計測ができなくなる。
もしかしたらSafariのバグかと思い、Apple Siliconにも対応したGoole Chromeでも試してみた。ループ再生が外れてしまう頻度は減ったような気もしたが、よく分からないタイミングで解除されてしまうことがあるのは同じだ。もしかすると、それがYouTubeの仕様なのかもしれない。
そこでYouTubeの「ライブラリ」にある「再生リスト」機能を利用して、アップルの今年後半の3本のApple Eventビデオを順番にそれぞれ10回ずつ、合計30本(約30時間)連続して再生するリストを作り、それで計測することにした。これはSafariでもChromeでも、途中で止まることなく連続再生できた。結局ブラウザーはSafariに戻し、画質はHD(1080P)、字幕有りというデフォルト設定で、フルスクリーン表示にして連続再生した。なお画面の明るさは、オーバーレイ表示の目盛りで「6」、音はわずかに聴こえる程度の目盛り「1」に設定した。
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