ベルフェイスは11月25日、コロナ禍を通じた「営業に関する実態把握調査」のサマリーレポートを発表した。コロナ禍における営業活動のデジタル活用推進や、その態度変化について調査したもの。
「デジタルツールやデータなどの活用ができているか」という質問では、活用できていると回答したのは全体の65%(「非常に活用できている」:8.8%、「かなり活用できている」:18.3%、「やや活用できている」:37.9%)という結果だった。
営業組織で導入されているデジタルツールとしては「オンライン会議用ツール」が74.7%で最多だった。そのほか、「営業マンのスキルの可視化ツール」(28.8%)や「商談における動画などのデジタル折衝ツール」(27.6%)という回答もあった。
「コロナ禍において、所属・管理する営業組織でのデジタル活用の重要性は高まったか」との質問には、全体の84.8%が「高まった」と回答。そのなかで「非常に高まった」と回答した人の割合を職位別に見ると「経営者・執行役員クラス(39.7%)」「部長・ 課長クラス(22.2%)」「係長・主任クラス(27.3%)」「担当レベル(16.4%)」 という結果だった。
デジタル活用の重要性が高まった理由としては「顧客への対面営業ができなくなったから(52.1%)」という回答が最多だった。実際にコロナ以前(2019年)と比較して、緊急事態宣言下(4月頃)で対面営業頻度が減少したと回答した人の割合は61%。一方、減少した人のうち、現在(10月頃)は増加していると回答した人の割合は69.3%と、以前の対面営業頻度に戻りつつある様子が判明した。
今後のデジタル活用推進について、「コロナウイルス終息後も積極的にデジタル活用を進める」と答えた人の割合は36.3%。「今と同じ程度には活用する」は34.8%で、多くの人がコロナをデジタル活用の転機として捉えていることがわかった。また、コロナ終息後も積極的にデジタル活用を進めると回答した人の割合を職位別で見ると、「経営者・執行役員クラス(46.6%)」「部長・ 課長クラス(39.3%)」「係長・主任クラス(37.5%)」「担当レベル(28.9%)」 という結果だった。
現在デジタル活用が進んでいない理由として最も多かった回答は「業種や組織形態がデジタル活用にそぐわないから(25.8%)」。次いで「営業担当者(係長、主任)のデジタルリテラシーが不足しているから(24.7%)」、「日々の業務が忙しく、新しい取り組みを行う余裕がないから(23.7%)」という回答が続いた。ベルフェイスはこの結果から、デジタル活用が進まない理由を経営層や管理職に求めるよりも、現在の現場業務の延長線で難しいと捉える傾向が強いと推測している。
ベルフェイスは本調査の総括として、オンライン商談ツールの導入によりコロナ禍におけるデジタル活用企業が増加した一方で、デジタル活用の本気度については企業による温度差があり、営業のデジタル活用については経営層や管理職など、職位が高いほど危機感を強く持っていることが判明したとしている。
同社は、現場リーダークラスを含めた全社的なデジタルリテラシーと理解の向上が、職場内のデジタル活用に関する温度差をなくしていくことにつながるのではないか、とまとめた。