GIGABYTEのGeForce RTX 3070をMini-ITXケースに入れて性能チェック
意外とコンパクトに見える
では組み込んでみよう。インストール先となるケースはNZXT「H210」。カード長325mm、厚さ52mmまでのビデオカードに対応する。ただし、カード長はファンやラジエーターを搭載しない場合、厚みはケーブルを隠すための金属プレート(ケーブルバー)を外した状態と条件が付く。幅については対応するCPUクーラー高を参照すればよく、カタログスペックで165mmまでOKだ。よって、問題なく組み込める。
取り付け時の注意点らしいことはないのだが、ロゴが見える面を正面とした場合、立体的な形状がよくわかる。このとき思ったよりも深く持ってしまい、ヒートシンクのフィンに触れてしまいがちだ。この点くらいが慎重になるべき要素だろうか。
ロゴが見える側がとくに顕著だが、立体的な構造のため、アーチ状に見えやすく、多くの角度からスリムに見える。よりコンパクトなビジュアルを検討するのであれば、ちょうどいいビデオカードといえる。筆者環境の場合は、巨大なCPUクーラーZALMAN「CNPS20X」のおかげで、やたらと小さく見えてしまっている。
ライトアップはGIGABYTEロゴ下部の1ヵ所のみ。クリアパーツ越しで、少し光りが拡散するかと思ったが、実際に光らせてみるとほどよいワンポイントになっている。ビカビカ光ってほしくはないが、動作確認要素くらいに光ってほしい人にちょうどいいだろう。
フルHDなら120fps、4Kなら60fpsを維持できる
それでは性能を見ていこう。オーバークロック版であり、ブーストクロックは1770MHzに設定されている(リファレンスのブーストクロックは1725MHz)。実際にゲームを動かし、パフォーマンスオーバーレイやGPU-Zなどでチェックしてみると、1950~1980MHzで動作していることが多くあった。また後述するが、消費電力のピークは240Wと、GeForce RTX 3080に比べると扱いやすい。
ベンチマークは、3DMark v2.14.7040、ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク、FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク ver1.3を実行した。また写真/動画編集向けのアプリケーションおよびプラグインであるTopaz GigaPixel AIとDenoize AIでの処理時間のカウントもしている。
電源設定は高パフォーマンス、比較としてGeForce RTX 2060 SUPERでも同様の計測を実施した。筆者もだが、RTX 2060 SUPERからアップグレードするか検討している人もいるだろう。なお、ドライバーはレビュワー向けに配布されたGeForce Game Ready Driver 456.96を使用している。
パーツ構成 | |
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CPU | AMD「Ryzen 9 3950X」 (16コア/32スレッド、3.5~4.7GHz) |
CPUクーラー | ZALMAN「CNPS20X」 (サイドフロー) |
マザーボード | ASUS「ROG CROSSHAIR VIII IMPACT」 (X570、Mini-DTX) |
メモリー | aiuto「AU-2XM378A4G43AB2-CWE」 (DDR4-3200、32GB×2) |
ビデオカード | GIGABYTE「GeForce RTX 3070 EAGLE OC 8G」 (GeForce RTX 3070) ZOTAC「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2060 SUPER MINI」 (GeForce RTX 2060 SUPER) |
ストレージ | Seagate「FireCuda 520 SSD ZP500GM3A002」 (M.2 SSD、PCIe 4.0、500GB) KIOXIA「EXCERIA PLUS NVMe SSD-CK1.0N3P/N」 (M.2 SSD、PCIe 3.0、1TB) Western Digital「WD Blue WD40EZRZ-00GXCB0」 (3.5インチHDD、4TB) KIOXIA「EXCERIA SATA SSD-CK480S/N」 (2.5インチSSD、480GB) |
電源ユニット | Seasonic「FOCUS-PX-750」(750W) |
PCケース | NZXT「H210i」 |
OS | Windows 10 Homeパッケージ版(64bit) |
グラフィックドライバー | GeForce Game Ready Driver 456.96 GeForce Game Ready Driver 456.71 GeForce Studio Driver 456.71 |
3DMarkから見ていくと、全項目で順当な性能の向上がわかる。おおよそ指標となるTime SpyやTime Spy Extremeのスコアからすると、WQHD(2560×1440ドット)ではほとんどのタイトルでグラフィックス設定を高くしてもフレームレートを維持しやすい。4Kについてはある程度設定を下げると60fpsを維持しやすいといった具合だ。
ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマークはどうだろう。フルHDでのスコア差はあまりない。平均フレームレートで見ると、なるべく120fpsにしたいと考えるなら、GeForce RTX 3070がいい結果だ。これは4Kで計測した場合も同様。フルHDではあまり差はないが、それ以上の解像度を望むのであれば、GeForce RTX 2060 SUPERからアップグレードする価値がある。これは次にチェックするFINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークでも同様だ。
FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITIONベンチマークでは、より順当なスコアアップを確認できた。フルHDではスコアは1万を超えており、重めのゲームタイトルでもフレームレートを稼ぎやすい。また4Kでも比較的快適に遊べる指標となっており、期待の新作ゲーム「サイバーパンク2077」に備えるのであれば、候補に入れていい。