miniも登場！ iPhone 12、ASCII徹底大特集 第24回

まるで料理雑誌のように映る

iPhone 12/12 Proのカメラの的確な質感表現にA14 Bionicの実力を見た（本田雅一）

　iPhone 12／12 Proに関して、何かひとつテーマを絞って使ってみてほしい。そんなリクエストを受けて選んだのは"グルメ写真"。Go To Eatキャンペーンで予約し、外食を楽しもうというタイミングに試用機材が手元にきたこともあり、料理の写真を中心に評価してみた。

　新しいiPhoneは新SoCのA14 Bionicに投入された16コアのNeural EngineやMLアクセラレータ（A13比いずれも7割向上）、新しいISPなどを用いることで、計算能力を活かした画質向上のアプローチが取られている。

　とりわけ感心したのがホワイトバランスの良さ。お店ごとに異なる明るさ、光源ながら、安定した"美味しそう"な色味で撮影できる。光源ごとに風合いにバラつきが出ていたiPhone 11世代とは明らかに違う。

　もうひとつは、照明の陰に向かってのグラデーションが滑らかで、なおかつ色ノリが良いこと。暗部のカラーノイズが多いとシャドウへの引き込みが黒く潰れがち（そうやって誤魔化すしかない）だが、暗い店内での撮影でもシャドウへのつながりが滑らかだった。

　正直、期待以上の出来だ。機械学習処理で被写体を認識しながら、それぞれが適切な質感が見えるよう補正されるようで、料理の仕上がりや新鮮な素材の瑞々しさがとてもよく表現されている。

　ライティングにより、きらりと光る部分も明瞭で、レタッチなしでパリッとした雑誌に出てくるような写真が得られる。好みにもよるだろうが、その場でシェアすることも多いだろうスマートフォンの写真としては、とても良い仕上がりだと言えるだろう。