報道によると、9月18日(米国時間)、米商務省はWeChatとともにTikTokの米国内での提供を20日に禁止すると発表した。新規のダウンロードや更新を禁止し、11月12日までに米国内での事業買収などで米国政府と合意できなければ、より重い全面禁止の措置を取るという。
これに対して、TikTokは米国務省の決定に異議を表明。失望の意を示すとともに、TikTokのサービスを愛する、1億人もの米国ユーザーに対して、プライバシーと安全を守るため、継続的に働くとしている。
また、米政権に対する提案として、コードの安全性の証明など、前例のないレベルでの透明性と説明責任を果たすことを約束しているとする。また、サービス提供は米国のネットワーク内で完結しているとし、然るべき手順を踏まずに決められた、不当な行政命令だとしている。
We agree that this type of ban would be bad for the industry. We invite Facebook and Instagram to publicly join our challenge and support our litigation. This is a moment to put aside our competition and focus on core principles like freedom of expression and due process of law.
— Vanessa Pappas (@v_ness) September 18, 2020
TikTokの暫定ディレクターであるVanessa Pappas氏はTwitterで、InstagramのトップであるAdam Mosseri氏のツィートに返信する形でこういった形での禁止は産業にとって有害であるとした。競合の枠を超えて業界に働き掛け、表現の自由と、法に基づく適正手続きの保障を求めていくとした。
米政権では、TikTokやWeChatが中国企業が開発したアプリであり、位置情報や閲覧履歴などの個人情報を広範に集めているとし、これらの情報が中国政府と共有されれば、安全保障上のリスクを生むと批判している。
一方、TikTokは、中国で提供されている「抖音」(ドーイン)と、アジア諸国(シンガポールのTikTok PTE Ltd)、北米・南米地域(米国のTikTok Inc.)、ヨーロッパ・アフリカ地域(イギリスのTikTok infomrmation technologies UK)など、中国以外の各国で提供しているグローバル版のサービスは、単に言語などを翻訳したローカライズ版ではなく、中国版とは別組織で運営され、開発チーム、サーバー、コードベースも異なるものとしている。