サムスンは9月1日にオンラインイベント「Samsung Unpacked Part 2」を開催し、折り畳み型ディスプレーを搭載した「Galaxy Z Fold2」を発表した。
Galaxy Z Fold2は閉じた状態ではスマートフォンスタイル、開くと大型ディスプレーが現れる折り畳み型の端末だ。7.6型の大型ディスプレーは解像度が2208×1768ドットで、初代モデル「Galaxy Fold」の7.3型(2152×1536ドット)よりもサイズ・解像度が高まった。またカメラはパンチホール式となり、ディスプレーのほぼ全面を表示エリアとして利用できる。カメラ部分が大きく欠き取られていたGalaxy Foldよりも没入感が高まっている。
閉じた状態では6.23型(2260×816ドット)、アスペクト比25:9のディスプレーが現れる。ほぼ全面が表示エリアとなっており、Galaxy Foldの4.6型(1680×720ドット)ディスプレーより大型化された。閉じたスタイルでも視野性は大きく向上した。
そのほかのスペックはディスプレイのリフレッシュレートがGalaxy Note20シリーズ同様に最大120Hzとなり、コンテンツに応じて可変させることで省電力性を高めている。カメラは背面に1200万画素を3つ、それぞれ広角、超広角、光学2倍望遠。フロントカメラは内側と外側どちらも1000万画素を備えている。メモリーは12GBでストレージは256GBまたは512GB(いずれもUFS 3.1)、外部メモリーは利用できない。バッテリー容量は4500mAhだ。
サムスンは折り畳みディスプレーを採用する製品シリーズの名前を改めて「Galaxy Z」シリーズとし、2月発表の「Galaxy Z Flip」と統合した。Galaxy Z Fold2はそのGalaxy Z Flipと類似のハードウェア構造を持つ。たとえばディスプレー表面は超薄型のフレキシブルガラスが採用されている。ヒンジ部分はほこりが入らないように内部にはブラシを備える。そのブラシは0.87mm長と約2割のサイズダウンがされている。背面で目立つ特徴的なヒンジカバーは今回初の試みとして別カラーへの交換サービスも提供される。
ハイスペックかつハイエンド、そしてプレミアムモデルとなるGalaxy Z Fold2には純正レザーカバーやアラミドのスタンディングカバーが提供される。初代Galaxy Foldはケースが付属していたもののやや簡易的なものであり、レザーカバーが別売されたくらいでアクセサリー展開はほとんどされていなかった。閉じた状態ではディスプレー面が全画面となるためカバーは背面側だけを覆うデザインとなっている。
気になる価格は1999ドル(約21万円)で9月18日から発売になる。なお、発表会の終了後から予約の受付が開始された。またGalaxy Z Flipに続き、Galaxy Z Fold2にもThom Browneモデルが用意される。Thom Browneモデルは専用パッケージに納められ、本体やケースは専用カラー、Galaxy Watch3やGalaxy Buds Liveも専用デザインのものがセットになる。こちらはワールドワイドで5000台限定となり、価格は3299ドル(約35万円)となる。
Galaxy Z Fold2はGalaxy Foldからハードウェア性能が高まっただけではなく、ユーザーインターフェースも大きな進化が見られる。その一部はGalaxy Z Flipで導入され、ユーザーから高い評価を受けているものだ。サムスンによるとGalaxy Foldのユーザーの利用動向を見ると、開いた時の大きいディスプレーでマルチウィンドウを使うケースが増えているとのこと。
そこでGalaxy Z Fold2ではGalaxy Z Flip同様で提供されている「フレックスモード」を強化。開いた状態でアプリを起動し、ディスプレーの上下(左右)でコンテンツ表示+コントローラー、という2分割表示が可能だ。たとえばカメラでは本体を開いて横向きに持つと、上半分に撮影中のプレビュー、下半分にはシャッターボタンや前の撮影写真のプレビューなどを表示でき、YouTubeなら上側に動画、下側にコメントや関連動画一覧を表示する、といったことが可能なのだ。
またマルチウィンドウ機能も2つ、あるいは3つのアプリの同時展開がより直感的に操作できるようになった。3つのアプリは「1つの大画面+2つの小画面」の3分割表示となるが、それぞれのウィンドウの入れ替えもワンタッチでできる。よく使う3つのアプリのセットを登録しておけば、ワンタッチで3アプリ同時表示の画面になる。さらに同じアプリを同時に開くことも可能になり、たとえばブラウザーの切り替えも2つのブラウザー画面を開いて交互に見ることができる。
ヒンジも新設計となり、75度、90度、115度の位置で固定できるようになった。Galaxy Z Fold2を机の上に置いてコンテンツを見る時に便利だろう。ブラウザーなどはディスプレーの上半分をコンテンツ表示、下半分をキーボードにして小型のノートPCのようなスタイルで使うこともできる。初代Galaxy Foldはヒンジが「開くか、閉じるか」しか選べなかったため、内側のディスプレーを使うときは常に両手で持つ必要があったことから、この点も大きな改善といえる。
Galaxy Z Fold2の日本国内展開は現時点で未定だ。しかし、Galaxy Foldがauから発売になったことを考えると、何らかの形で日本市場に投入されることは間違いないだろう。折り畳みスタイルのスマートフォンとして完成度が高まったGalaxy Z Fold2、日本で早く使ってみたいものだ。
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