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【実機レビュー】アップル新iMac 27インチはインテル時代最後の記念碑的なモデルだ!

2020年08月29日 12時00分更新

文● 柴田文彦 編集●飯島恵里子/ASCII

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10コア堂々のベンチ結果

 今回テストしたマシンは、3.6GHzで10コアの第10世代Intel Core i9と、16GBのGDDR6メモリーを搭載するRadeon Pro 5700 XT、いずれもCTOオプションで最高のCPUとGPUを装備する。またメモリーは64GB、ストレージも4TBを実装するかなりのハイスペックマシンとなっている。そうしたマシンのスペックをフルに活かすパフォーマンスは、ベンチマークテストだけでは実感できないかもしれないが、これまでレビューしてきた直近のマシンとの比較のため、いつものようなベンチマークテストを実施した。

 

●ベンチマークテストの結果

iMac 27 2020
10コア(10.15.6)
MacBook Pro 13 2020
4ポート(10.15.5)
MacBook Pro 16 2019
8コア(10.15.1)
GeekBench CPU/Single Core 1340 1253 1126
GeekBench CPU/Multi Core 9510 4462 6622
GeekBench Compute/OpenCL 8325 3081
同上外部GPU 54647 29104
GeekBench Compute/Metal 10066 3647
同上外部GPU 56105 28638
CineBench CPU 5404 1874 3318
Disk Speed Test Write 2985 MB/s 2320 MB/s 2587 MB/s
Disk Speed Test Read 2555 MB/s 2058 MB/s 2643 MB/s
フォルダーコピー 49.8 秒 80.2 秒
 

 まずは、CPUとGPUを使った様々なプログラムの実行速度を総合的に評価するGeekBenchの結果から見てみよう。今回の比較対象モデルは、昨年末に登場した16インチのMacBook Pro(8コア)と、今年の春に登場した13インチのMacBook Pro(4コア)モデルだ。シングルコアのCPU性能は、比率にして20%程度の差はあっても、それほど大きいとは言えない。それでもマルチコア性能では、10コアならではの高い性能を示している。マルチコア時のCPU性能は、シングルコア時の約7倍で、1つのメインメモリーを共有するコアが10個もあることを考えると、高い効率を維持しているといえる。

 MacBook Proとは異なり、iMacではCPU内蔵のGPUを単独で利用することはできない。そのため、GeekBenchのGPU性能も、外部GPUのみの測定となる。その結果は、MacBook Proの16インチモデルの2倍とまではいかないものの、感覚的にはそれに近いもので、デスクトップ用GPUの面目躍如といったところ。

 純粋なCPUによるレンダリング処理によって性能を評価するCineBenchでは、インテルCoreプロセッサーを装備するこれまでのMacの最高レベルとなる数字を叩き出している。MacBook Proの16インチモデルと単純に比較すれば、1.6倍ほどの数字で、これもMacを代表するデスクトップ機として満足できる値だろう。

 例によって、あまりあてにならないDisk Speed Testでも、MacBook Pro 16インチモデルと同等か、それ以上の結果を示しているが、これは正当な性能評価とは考えにくい。そこでMacBook Pro 13インチモデルを評価した際にも測定した大容量のフォルダーコピー時間を、今回も測定して比較してみた。実際にはiMovieのアプリケーションパッケージ(2.82GB)をFinder上でコピーするのに要する時間だ。MacBook Proでは80.2秒かかったものが49.8秒となっていて、約6割の時間でコピー処理が完了している。

 iMac 27インチモデルの液晶パネルは、ハードウェアの解像度こそ5120×2880ピクセルだが、それをそのまま使うと、文字や画像が細かすぎて見にくくなってしまう。そこでRetinaディスプレーならではの「疑似解像度」を導入し、ユーザーごとに最適の解像度で利用できるようにしている。デフォルトの疑似解像度は、縦横ともに1/2にした2560×1440だが、もっとも荒い「文字を拡大」では1600×900、もっとも細かい「スペースを拡大」では3200×1800と、調整の幅は広い。

 ここでは、それぞれの設定の疑似解像度の数値とともに、それぞれの設定でSafariをフルスクリーン表示にして、Googleスプレッドシートのセルが、1画面に何列何行表示されるかを調べた結果を示す。実際に見てみると、この表の数値から想像するよりも、解像度の違いはずっと大きなものに感じられるだろう。

設定 疑似解像度 SS 列×行
文字を拡大 1600 × 900 15 × 31
2048 × 1152 20 × 43
デフォルト 2560 × 1440 25 × 57
2880 × 1620 28 × 66
スペースを拡大 3200 × 1800 31 × 74

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