10コア堂々のベンチ結果
今回テストしたマシンは、3.6GHzで10コアの第10世代Intel Core i9と、16GBのGDDR6メモリーを搭載するRadeon Pro 5700 XT、いずれもCTOオプションで最高のCPUとGPUを装備する。またメモリーは64GB、ストレージも4TBを実装するかなりのハイスペックマシンとなっている。そうしたマシンのスペックをフルに活かすパフォーマンスは、ベンチマークテストだけでは実感できないかもしれないが、これまでレビューしてきた直近のマシンとの比較のため、いつものようなベンチマークテストを実施した。
●ベンチマークテストの結果
iMac 27 2020 10コア(10.15.6) |
MacBook Pro 13 2020 4ポート(10.15.5) |
MacBook Pro 16 2019 8コア(10.15.1) |
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GeekBench CPU/Single Core | 1340 | 1253 | 1126 |
GeekBench CPU/Multi Core | 9510 | 4462 | 6622 |
GeekBench Compute/OpenCL | ― | 8325 | 3081 |
同上外部GPU | 54647 | ― | 29104 |
GeekBench Compute/Metal | ― | 10066 | 3647 |
同上外部GPU | 56105 | ― | 28638 |
CineBench CPU | 5404 | 1874 | 3318 |
Disk Speed Test Write | 2985 MB/s | 2320 MB/s | 2587 MB/s |
Disk Speed Test Read | 2555 MB/s | 2058 MB/s | 2643 MB/s |
フォルダーコピー | 49.8 秒 | 80.2 秒 | ― |
まずは、CPUとGPUを使った様々なプログラムの実行速度を総合的に評価するGeekBenchの結果から見てみよう。今回の比較対象モデルは、昨年末に登場した16インチのMacBook Pro(8コア)と、今年の春に登場した13インチのMacBook Pro(4コア)モデルだ。シングルコアのCPU性能は、比率にして20%程度の差はあっても、それほど大きいとは言えない。それでもマルチコア性能では、10コアならではの高い性能を示している。マルチコア時のCPU性能は、シングルコア時の約7倍で、1つのメインメモリーを共有するコアが10個もあることを考えると、高い効率を維持しているといえる。
MacBook Proとは異なり、iMacではCPU内蔵のGPUを単独で利用することはできない。そのため、GeekBenchのGPU性能も、外部GPUのみの測定となる。その結果は、MacBook Proの16インチモデルの2倍とまではいかないものの、感覚的にはそれに近いもので、デスクトップ用GPUの面目躍如といったところ。
純粋なCPUによるレンダリング処理によって性能を評価するCineBenchでは、インテルCoreプロセッサーを装備するこれまでのMacの最高レベルとなる数字を叩き出している。MacBook Proの16インチモデルと単純に比較すれば、1.6倍ほどの数字で、これもMacを代表するデスクトップ機として満足できる値だろう。
例によって、あまりあてにならないDisk Speed Testでも、MacBook Pro 16インチモデルと同等か、それ以上の結果を示しているが、これは正当な性能評価とは考えにくい。そこでMacBook Pro 13インチモデルを評価した際にも測定した大容量のフォルダーコピー時間を、今回も測定して比較してみた。実際にはiMovieのアプリケーションパッケージ(2.82GB)をFinder上でコピーするのに要する時間だ。MacBook Proでは80.2秒かかったものが49.8秒となっていて、約6割の時間でコピー処理が完了している。
iMac 27インチモデルの液晶パネルは、ハードウェアの解像度こそ5120×2880ピクセルだが、それをそのまま使うと、文字や画像が細かすぎて見にくくなってしまう。そこでRetinaディスプレーならではの「疑似解像度」を導入し、ユーザーごとに最適の解像度で利用できるようにしている。デフォルトの疑似解像度は、縦横ともに1/2にした2560×1440だが、もっとも荒い「文字を拡大」では1600×900、もっとも細かい「スペースを拡大」では3200×1800と、調整の幅は広い。
ここでは、それぞれの設定の疑似解像度の数値とともに、それぞれの設定でSafariをフルスクリーン表示にして、Googleスプレッドシートのセルが、1画面に何列何行表示されるかを調べた結果を示す。実際に見てみると、この表の数値から想像するよりも、解像度の違いはずっと大きなものに感じられるだろう。
設定 | 疑似解像度 | SS 列×行 |
---|---|---|
文字を拡大 | 1600 × 900 | 15 × 31 |
― | 2048 × 1152 | 20 × 43 |
デフォルト | 2560 × 1440 | 25 × 57 |
― | 2880 × 1620 | 28 × 66 |
スペースを拡大 | 3200 × 1800 | 31 × 74 |
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