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【実機レビュー】アップル新iMac 27インチはインテル時代最後の記念碑的なモデルだ!

2020年08月29日 12時00分更新

文● 柴田文彦 編集●飯島恵里子/ASCII

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8月4日に登場したアップルの一体型デスクトップ「iMac」27インチモデル

 アップルが、MacのCPUをインテルからARMに移行することを発表した後、最初のメジャーアップデートを果たしたのは、もっともMacらしいMac、Macを代表する存在のiMac 27インチモデルだった。この時期に、インテルCPUを搭載したまま、このような主力マシンをアップデートしてくることは、意外だと感じる人も多かったかもしれない。確かに、インテルCPUを搭載するiMacとしては、おそらくこれが最後のメジャーアップデートとなるだろう。ここでは、その意義をさまざまな角度から探っていこう。

インテルiMacの最終形? iMac 27インチモデルは集大成マシン

 「アップルの製品の中で」という限定を取り払ってパソコン業界全体を見渡しても、iMacほど同じ名前で長期間生き長らえ、その期間に大きくスタイルを変えてきたマシンはほかに見当たらない。ざっと振り返ってみると、初代のiMacはCRT一体型で、「ボンダイブルー」という色の名前が流行語のようになった、半透明のボディーを持つ製品だった。1998年の8月だから、ちょうど22年前のこと。これは当時としてもかなり斬新なデザインで、パソコンだけでなくあらゆる工業製品のデザインに影響を与えた。

 その後は、ほぼ同じような形状ながら、数多くのカラーバリエーションや塗装によるテクスチャーで見た目の変化を追求した製品が続いた。液晶モニターが一般的になると、お椀を伏せたような半球型の本体の頂上から、フレキシブルなステンレス製のアームを生やし、その先端に液晶モニターを搭載するという斬新なデザインのiMacが生まれた。さらにその後は、現在のものと基本的な形状は同様の、液晶モニター内にパソコン本体を入れ込むというスタイルに落ち着いた。当初はポリカーボネート製のボディーを採用していたが、その後アルミニウム加工技術の進化を受けて、現在と同様のアルミ製ボティを採用した液晶一体型iMacが登場して今にいたっている。

背面左下にポート類、中央にメモリコンパートメントドア、その下にメモリコンパートメントドアを開けるためのボタン、電源プラグ差し込み口、右下に電源ボタンがある

 このようにiMacは、かなり長きに渡ってMacを代表する製品であっただけでなく、新しい機能や新しいCPUの採用についても、Macシリーズ全体をリードする存在であり続けている。古くは、USBポートを最初に採用したのも初代iMacだったし、MacのCPUがPowerPCからインテルに切り替わる際にも、最初にインテルCPUを搭載して発売されたのはiMacだった。

 そのようなiMacの1つの集大成と言えるのが、今回のアップデートの結果誕生した製品だ。もちろん今後もiMacという製品は存続し続けると考えられるが、インテル製のCPUを搭載したモデルとしては、これが最後のメジャーアップデートになる可能性は高い。アップルが、ほぼ2年間でインテルからARMへの移行を完了すると表明していることから考えると、来年以降に再びiMacのメジャーアップデートが実施されることは考えにくいからだ。

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